84 / 172
励ましと感謝と涙
4
しおりを挟む
希良君…
『すみません。あなたの仲間なのに…』
『…あ、ううん。果穂ちゃんは…何事にも一生懸命だから…』
『僕は…あの人のこと、そんな優しい言葉で片付けられない…』
希良君…言葉に詰まってる?
『あの人、言ったんです。自分は東堂さんが好きで、でも東堂さんは雫さんに告白して…雫さんは…その返事をしなかったって。だから早く…僕と雫さんが付き合って欲しいって…』
『果穂ちゃん…そんなことを?』
全部…
希良君に話したんだ…
『…僕だって…雫さんと付き合えるならそうしたい。でも…出来ないから待ちますって…あの人に言ったんだけど…あの人は東堂さんが好きだから待てないって…』
希良君、すごくつらそうで…
声が少し震えてるように聞こえた。
『こんなことを話すために電話したわけじゃないのに…ごめん。告げ口みたいになって…すごく嫌だな…』
『ううん。謝らないで。希良君は何も悪くないんだから。そうだよね…希良君にも慧君にも…何も返事してなくて…私、ダメだよね。本当にごめんなさい』
希良君には見えないだろうけど…
それでも、私は深く頭を下げた。
『やっぱり…責めるみたいになっちゃったな…雫さんを悩ませたよね。ただでさえいっぱい…雫さんはいろんなこと考えてるのに…ダメなのは僕だよ。本当に…弱い。男として全然ダメだ…』
スマホの向こうで希良君は、苦笑いしてる…そう思わせるような話し方だった。
弱いとか、男としてダメだとか…
そんなこと、全然ないのに…
『希良君はダメじゃない。いっぱいいっぱい頑張ってる。毎日毎日大学で、すごく難しいことたくさん学んでるんだと思う。なのにバイトも頑張ってて。本当に尊敬するし、偉いよ。だけどね…希良君はまだ若い。今は…友達との楽しい時間も大事にして、ちゃんと青春しなきゃ…』
『すみません。あなたの仲間なのに…』
『…あ、ううん。果穂ちゃんは…何事にも一生懸命だから…』
『僕は…あの人のこと、そんな優しい言葉で片付けられない…』
希良君…言葉に詰まってる?
『あの人、言ったんです。自分は東堂さんが好きで、でも東堂さんは雫さんに告白して…雫さんは…その返事をしなかったって。だから早く…僕と雫さんが付き合って欲しいって…』
『果穂ちゃん…そんなことを?』
全部…
希良君に話したんだ…
『…僕だって…雫さんと付き合えるならそうしたい。でも…出来ないから待ちますって…あの人に言ったんだけど…あの人は東堂さんが好きだから待てないって…』
希良君、すごくつらそうで…
声が少し震えてるように聞こえた。
『こんなことを話すために電話したわけじゃないのに…ごめん。告げ口みたいになって…すごく嫌だな…』
『ううん。謝らないで。希良君は何も悪くないんだから。そうだよね…希良君にも慧君にも…何も返事してなくて…私、ダメだよね。本当にごめんなさい』
希良君には見えないだろうけど…
それでも、私は深く頭を下げた。
『やっぱり…責めるみたいになっちゃったな…雫さんを悩ませたよね。ただでさえいっぱい…雫さんはいろんなこと考えてるのに…ダメなのは僕だよ。本当に…弱い。男として全然ダメだ…』
スマホの向こうで希良君は、苦笑いしてる…そう思わせるような話し方だった。
弱いとか、男としてダメだとか…
そんなこと、全然ないのに…
『希良君はダメじゃない。いっぱいいっぱい頑張ってる。毎日毎日大学で、すごく難しいことたくさん学んでるんだと思う。なのにバイトも頑張ってて。本当に尊敬するし、偉いよ。だけどね…希良君はまだ若い。今は…友達との楽しい時間も大事にして、ちゃんと青春しなきゃ…』
0
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
誘惑の延長線上、君を囲う。
桜井 響華
恋愛
私と貴方の間には
"恋"も"愛"も存在しない。
高校の同級生が上司となって
私の前に現れただけの話。
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚
Иatural+ 企画開発部部長
日下部 郁弥(30)
×
転職したてのエリアマネージャー
佐藤 琴葉(30)
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚
偶然にもバーカウンターで泥酔寸前の
貴方を見つけて…
高校時代の面影がない私は…
弱っていそうな貴方を誘惑した。
:
:
♡o。+..:*
:
「本当は大好きだった……」
───そんな気持ちを隠したままに
欲に溺れ、お互いの隙間を埋める。
【誘惑の延長線上、君を囲う。】
社長、嫌いになってもいいですか?
和泉杏咲
恋愛
ずっと連絡が取れなかった恋人が、女と二人きりで楽そうに話していた……!?
浮気なの?
私のことは捨てるの?
私は出会った頃のこと、付き合い始めた頃のことを思い出しながら走り出す。
「あなたのことを嫌いになりたい…!」
そうすれば、こんな苦しい思いをしなくて済むのに。
そんな時、思い出の紫陽花が目の前に現れる。
美しいグラデーションに隠された、花言葉が私の心を蝕んでいく……。
再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
星空永遠
恋愛
6年前、ホームレスだった藤堂樹と出会い、一緒に暮らしていた。しかし、ある日突然、藤堂は桜井千夏の前から姿を消した。それから6年ぶりに再会した藤堂は藤堂ブランド化粧品の社長になっていた!?結婚を前提に交際した二人は45階建てのタマワン最上階で再び同棲を始める。千夏が知らない世界を藤堂は教え、藤堂のスパダリ加減に沼っていく千夏。藤堂は千夏が好きすぎる故に溺愛を超える執着愛で毎日のように愛を囁き続けた。
2024年4月21日 公開
2024年4月21日 完結
☆ベリーズカフェ、魔法のiらんどにて同作品掲載中。
十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
和泉杏咲
恋愛
私は、もうすぐ結婚をする。
職場で知り合った上司とのスピード婚。
ワケアリなので結婚式はナシ。
けれど、指輪だけは買おうと2人で決めた。
物が手に入りさえすれば、どこでもよかったのに。
どうして私達は、あの店に入ってしまったのだろう。
その店の名前は「Bella stella(ベラ ステラ)」
春の空色の壁の小さなお店にいたのは、私がずっと忘れられない人だった。
「君が、そんな結婚をするなんて、俺がこのまま許せると思う?」
お願い。
今、そんなことを言わないで。
決心が鈍ってしまうから。
私の人生は、あの人に捧げると決めてしまったのだから。
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
東雲美空(28) 会社員 × 如月理玖(28) 有名ジュエリー作家
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
冷血弁護士と契約結婚したら、極上の溺愛を注がれています
朱音ゆうひ
恋愛
恋人に浮気された果絵は、弁護士・颯斗に契約結婚を持ちかけられる。
颯斗は美男子で超ハイスペックだが、冷血弁護士と呼ばれている。
結婚してみると超一方的な溺愛が始まり……
「俺は君のことを愛すが、愛されなくても構わない」
冷血サイコパス弁護士x健気ワーキング大人女子が契約結婚を元に両片想いになり、最終的に両想いになるストーリーです。
別サイトにも投稿しています(https://www.berrys-cafe.jp/book/n1726839)
貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳
大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。
でも、これはただのお見合いではないらしい。
初出はエブリスタ様にて。
また番外編を追加する予定です。
シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。
表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる