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テーマパークと君の優しい告白
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それは、覚悟を決める間もなくガタガタと動き出す。
後ろ向きのまま、どんどん上に上がって…
心拍数ヤバいかも…
『手、繋ごうか?』
希良君は、左手を差し出した。
私は…
そこに右手を重ねた。
その温もりに、ちょっと…安心出来た。
うわ…頂点まで上がりきった?
その瞬間、コースターは、ものすごいスピードで背中から遥か下に向かって滑り落ちた。
重力の無い世界。
両耳から入ってくる軽快な音楽と共に、クネクネと曲がりくねったレールに沿って、体はあちこちに振り回され…
なのに、気づいたらなんだか笑っちゃってる自分がいて、ちゃんと目も開けてられたんだ。
終わって地上に降りたら、体はまだフラフラしてたけど…すごく楽しかったって思えた。
きっと…
希良君が手を握ってくれてたから…だね。
それから、映画の世界さながらのアクションシーン満載のショーも見た。
火薬をふんだんに使った爆発シーンがすごい迫力で…
高いところから水の中に飛び込んだり、ハラハラドキドキのスリルいっぱいのショーに興奮が抑えられなくて…
まるで、本物のストーリーの中に入り込んだような気分になった。
その素晴らしいショーに感動したあとも、私達はいろいろなところを回って、休憩もしたりして、最後は夜のパレードと花火を見ることになった。
すっかり暗くなってしまったな…
テーマパーク内には、色鮮やかな光が散りばめられて無限の美しさを放っていた。
夜になっても夢の世界のまま…
素敵過ぎて…帰りたくないって思った。
『パレード楽しみだね』
『うん。だけど…それが終わったら…今日が終わる』
ポツリとつぶやくように希良君が言った。
『そんな、おおげさだよ』
『でも、雫さんともうすぐお別れだから…』
真っ直ぐ私の目を見る希良君。
『またいつでも「杏」に来て。若い君にはもっと美味しいパン、たくさん食べて欲しいし』
『「杏」にはまた行きます。メロンパンも塩パンもすごく美味しかったから…』
『うん。待ってるね』
後ろ向きのまま、どんどん上に上がって…
心拍数ヤバいかも…
『手、繋ごうか?』
希良君は、左手を差し出した。
私は…
そこに右手を重ねた。
その温もりに、ちょっと…安心出来た。
うわ…頂点まで上がりきった?
その瞬間、コースターは、ものすごいスピードで背中から遥か下に向かって滑り落ちた。
重力の無い世界。
両耳から入ってくる軽快な音楽と共に、クネクネと曲がりくねったレールに沿って、体はあちこちに振り回され…
なのに、気づいたらなんだか笑っちゃってる自分がいて、ちゃんと目も開けてられたんだ。
終わって地上に降りたら、体はまだフラフラしてたけど…すごく楽しかったって思えた。
きっと…
希良君が手を握ってくれてたから…だね。
それから、映画の世界さながらのアクションシーン満載のショーも見た。
火薬をふんだんに使った爆発シーンがすごい迫力で…
高いところから水の中に飛び込んだり、ハラハラドキドキのスリルいっぱいのショーに興奮が抑えられなくて…
まるで、本物のストーリーの中に入り込んだような気分になった。
その素晴らしいショーに感動したあとも、私達はいろいろなところを回って、休憩もしたりして、最後は夜のパレードと花火を見ることになった。
すっかり暗くなってしまったな…
テーマパーク内には、色鮮やかな光が散りばめられて無限の美しさを放っていた。
夜になっても夢の世界のまま…
素敵過ぎて…帰りたくないって思った。
『パレード楽しみだね』
『うん。だけど…それが終わったら…今日が終わる』
ポツリとつぶやくように希良君が言った。
『そんな、おおげさだよ』
『でも、雫さんともうすぐお別れだから…』
真っ直ぐ私の目を見る希良君。
『またいつでも「杏」に来て。若い君にはもっと美味しいパン、たくさん食べて欲しいし』
『「杏」にはまた行きます。メロンパンも塩パンもすごく美味しかったから…』
『うん。待ってるね』
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