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突然の対面に胸を熱くして

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『そうですか…じゃあ、僕は雪都君と向こうに行ってきます』


『あ、うん。ありがとう、理久先生。よろしくね』


きっと、慶都さんは雪都の顔を見て自分の息子だとわかったんだと思う。


理久先生も…


今、目の前で2人のやり取りを見て、雪都と慶都さんがすごく似てることに気づいた…かな?


ううん、まさかね。


大丈夫だよ、きっと。


そんなことを考えていたら、ふと、向こうにいる慶都さんが視界に入った。


近くにいるお母さんや先生達は、隙を見ては次から次へと慶都さんに話しかけてる。


慶都さんもきちんと受け答えしてて、みんなニコニコと嬉しそうだ。


スマートな対応、さすが九条グループの御曹司だと思う。


遠くからでもそのオーラはハッキリと確認できた。


私は、思わずそちらの方に向けてカメラを構えた。


ファインダー越しに写る慶都さんは、信じられないくらいとても綺麗で…


私にはあまりにも眩しかった。


でも、シャッターを切ることは出来なくて、そのままカメラを胸の位置までゆっくり降ろした。


私…


そう言えば、今まで目の前で他の女性と慶都さんが話す姿をあまり見たことがなかった。


不思議だな…


そんな慶都さんを見て思ったんだ。


ちょっとだけ…心の奥がチクチクして痛いって。


何だかザワザワして、変な気分で落ち着かない。


私…まさかヤキモチ妬いてる?


嘘でしょ?


私が慶都さんみたいな素敵な人にヤキモチ妬くなんて厚かましいにも程があるよ。


彼女でも奥さんでもないのに。


もう…


いろいろな感情がたくさん混ざり合って、どんどん自分の本当の気持ちがわからなくなる。


子ども達はみんな可愛くて、楽しい夏祭りなのに、どうしてこんな気持ちになるの?


マリエさんの時みたいにまた一喜一憂するの?


ううん、そんなんじゃダメだよ。


保育士として、今日は最後まで笑顔を絶やさずに頑張らなきゃ。
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