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遥か遠い国で

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ロビー、フロント、レストラン、ショップ、お部屋。


もちろん全てを見ることは出来ないけど、主立ったところを案内してもらい、いろいろ勉強になった。


こちらの従業員の方とも、絢斗を通じて少しコミュニケーションも取れた。


文化や芸術、お国柄など、日本とは違う部分もたくさんあるけど、お客様を最大級におもてなししたいという思いは、どちらも同じなんだと強く感じた。


嬉しいことに、こちらのコンシェルジュの中にも日本語が話せる人がいて。


とても綺麗な女性で、たぶん私より少し年上かな?という印象だった。


彼女はとても日本が好きで、いつかまた日本に行ってみたいと話してくれた。


いろいろとコンシェルジュの仕事のことも含め、この人ともっと話がしたいと思ってしまったけど…


でも、今はさすがに勤務中だしな。


私が少しためらっていると、そんな気持ちを察してくれたのか、絢斗は彼女が仕事を終えてから一緒に食事をしては?と提案してくれた。


その提案が嬉しくて、私達は彼女を今夜のディナーに招待した。


深月グループの御曹司であり、総支配人でもある絢斗に緊張しながらも、彼女はその誘いを快く受けてくれた。


良かった…いろいろ話せるのが今から楽しみだ。


でも、まだ夕食までには少し時間がある。


とりあえず、私達は部屋で休むことにした。


案内されたのはスイートルーム。


日本のスイートよりかなり広くて、こちらも芸術的だ。


窓からの景色も絵葉書みたいに綺麗で、思わず写真に収めたくなった。


海外にいる実感が一気に沸く。


こんな雰囲気の良い立派な部屋に、絢斗と2人で宿泊出来るなんて…


本当に夢みたいな話だ。


でも良く考えたら、私達は今まで同じ部屋で寝たことがない。


当たり前だけど、今夜は隣同士のベッドで寝るんだよね?


ちょっと緊張するかも…


と、いうかめちゃくちゃ緊張する。
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