最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます

大切な人に～絢斗side～

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ただのコンシェルジュとしてだけで見ていたわけじゃなかった。


彼女に、何とも言えない女性らしさや可愛らしさを感じていた。


俺の…


人生で初めての一目惚れ。


今までずっと、恋愛に対してどうしても慎重になっていた自分が、なぜか一瞬で心をつかまれて…


彼女を好きになってしまった。


まさかこの俺が、一目で誰かを好きになるなんて…


不思議な感覚に包まれた、あの時の胸の高鳴りは今でも忘れられない。


『可愛い…』


一花を遠くから見るだけの1日。


それでも、彼女を心から好きになるのには十分な時間だった。


俺は…深く、恋に落ちた。


その頃、俺に声をかけてくる女性は、皆、自分自身ではなく、必然的に俺に付いてくる肩書きや経済的な部分に引き付けられていることに嫌気がさしていた。


そんな恋愛に対してのアレルギーみたいな物を、彼女は一瞬で払拭してくれた。


一花の優しい穏やかな雰囲気。


ナチュラルな化粧で可愛らしい顔、笑うとえくぼが出て…


ピンと伸びた背筋が凛として見えて。


スタイルの良さにも男として魅力を感じた。


全てにおいて俺の好みを超えていた。


毎日の仕事に一生懸命だった俺に、安らぎを与えてくれる女性に出会えたと思った。


決して大袈裟ではなく、心からそう思った。


その時、特別な女性がいなかった俺は、そのまま海外に戻ってからも、1年間ずっと一花のことだけを想っていた。


たった一日だけ、遠くから見ていただけの彼女を…


忘れることなんて絶対に出来なかった。


父から、グレースホテル東京の総支配人に任命された時はかなり驚いたが、一花に会えると思うと素直に嬉しかった。


着任してからは、仕事に慣れるのに必死だったが、それでも、毎日彼女の存在に癒されていた。