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久しぶりの日本

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「これがいいと思う。琴音に良く似合いそうだ」


「桜色で可愛いね。うん、このパジャマにする。ありがとう、嬉しいよ」


龍聖君はスマートに支払いを済ませてくれた。


ここは以前、龍聖君と再会した百貨店の中にあるお店。


お父さんへのプレゼントを購入して、自分のパジャマまで買えなくて、通販で1980円のを注文したことが懐かしく思える。


涼香姉さんはこの百貨店を辞めてしまったけど、私にとって、ここはとても思い出深い場所だ。


「龍聖君、こんにちは」


「榊(さかき)社長!  お久しぶりです」


「よく来てくれたね。海外での活躍、しっかりと耳に入ってますよ」


「恐縮です、まだまだ勉強中です。お耳に入れたのは、きっと青山さんですね?」


「ああ。青山さんには色々とお世話になっていて、私も頭が上がらないのでね…あっ、大変失礼致しました。こちらが奥様の琴音さんですね」


「そうです。私が深く信頼している榊社長には、ぜひ妻を紹介したくて、お声をかけさせてもらいました。琴音、こちらの百貨店の社長、榊さんだ」


「は、はじめまして。妻の琴音です。いつも主人がお世話になっております」


いつまで経っても『妻』『主人』と言うのは照れてしまう。


それにしても、社長さんは、龍聖君に引けを取らないくらいの超イケメンさんだ。


龍聖君の知り合いの社長さんは、なぜかみんな素敵な人ばかりで、こうして隣に並ぶとキラキラオーラがいつもの2倍、3倍にもなる。


「琴音さん。はじめまして、榊と申します。お会いできて光栄です。琴音さんと龍聖君は本当にお似合いですね」


「あっ、えっ、すみません。ありがとうございます」


お似合いだなんて言われてすごく嬉しいのに、どう答えていいのかわからない。


自信の無さが、つい口から出てしまうんだろうな。
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