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親友の幸せ~碧side~
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もしかして相談ってお姉さんのこと?
想像してなかったからびっくりした。
「その涼香姉さんがね。少し前に私に会いにきたんだけど、最近、龍聖君と会って話したって言うの。どうやら会社に押しかけたみたい。龍聖君は何も言わないけど、きっとすごく迷惑かけてしまったと思う」
「そうだったんだね。でも会社に押しかけるなんて、ちょっと非常識だね。あいつはお姉さんが来たことを言うと、もしかして琴音が悩むと思って黙ってたんだろうな」
「うん、きっとそうだと思う。その時にね、涼香姉さんが龍聖君に…」
琴音は、声を詰まらせ、その先の言葉にブレーキをかけた。
「大丈夫?」
「う、うん。ごめん」
「落ち着いて。ゆっくりでいいから」
「うん。あのね、りょ、涼香姉さん…龍聖君にアプローチされたって…」
「えっ?! アプローチ?」
龍聖が琴音のお姉さんに?
そんなはずないよ。
「もちろん、龍聖君は涼香姉さんにアプローチなんかしないってわかってる。なのに勝手に胸がザワザワして。やっぱりね、誰が見ても涼香姉さんはものすごく美人だから…あんな綺麗な人にアプローチされたら、普通の男性ならドキドキするだろうなって。本当、ダメだね、私。何だか頭が上手く回らない」
琴音の顔から不安な気持ちがすごく伝わってきた。
高校時代から見てきた顔。
大人びても、それは変わらない。
「それで、お姉さんは何て? アプローチされたからどうしろって言ってきたの?」
「…龍聖君と別れた方があなたのためよって」
「ひどいね。そんなこと言う人なんだ…龍聖がお姉さんにアプローチするわけないし、そんなの無視すればいいよ」
そっか…昔からお姉さんのことをほとんど言わなかったのは、それなりの理由があったからなんだな。
「でもね…実は、私、碧に言ってないことがあるんだ」
「言ってないこと?」
急に琴音の表情が変わり、何だかドキッとした。
想像してなかったからびっくりした。
「その涼香姉さんがね。少し前に私に会いにきたんだけど、最近、龍聖君と会って話したって言うの。どうやら会社に押しかけたみたい。龍聖君は何も言わないけど、きっとすごく迷惑かけてしまったと思う」
「そうだったんだね。でも会社に押しかけるなんて、ちょっと非常識だね。あいつはお姉さんが来たことを言うと、もしかして琴音が悩むと思って黙ってたんだろうな」
「うん、きっとそうだと思う。その時にね、涼香姉さんが龍聖君に…」
琴音は、声を詰まらせ、その先の言葉にブレーキをかけた。
「大丈夫?」
「う、うん。ごめん」
「落ち着いて。ゆっくりでいいから」
「うん。あのね、りょ、涼香姉さん…龍聖君にアプローチされたって…」
「えっ?! アプローチ?」
龍聖が琴音のお姉さんに?
そんなはずないよ。
「もちろん、龍聖君は涼香姉さんにアプローチなんかしないってわかってる。なのに勝手に胸がザワザワして。やっぱりね、誰が見ても涼香姉さんはものすごく美人だから…あんな綺麗な人にアプローチされたら、普通の男性ならドキドキするだろうなって。本当、ダメだね、私。何だか頭が上手く回らない」
琴音の顔から不安な気持ちがすごく伝わってきた。
高校時代から見てきた顔。
大人びても、それは変わらない。
「それで、お姉さんは何て? アプローチされたからどうしろって言ってきたの?」
「…龍聖君と別れた方があなたのためよって」
「ひどいね。そんなこと言う人なんだ…龍聖がお姉さんにアプローチするわけないし、そんなの無視すればいいよ」
そっか…昔からお姉さんのことをほとんど言わなかったのは、それなりの理由があったからなんだな。
「でもね…実は、私、碧に言ってないことがあるんだ」
「言ってないこと?」
急に琴音の表情が変わり、何だかドキッとした。
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