とろける程の甘美な溺愛に心乱されて～契約結婚でつむぐ本当の愛～

求め合う2人

3

「龍聖…君…」


何なんだろう…


複雑な気持ちになっても、体中からみなぎるこの感情が、龍聖君の申し出を拒否したくないと訴える。


このままこの人に抱かれたいって。


たとえ想われていなくても、龍聖君は私の旦那様。


一生懸命頑張ってる旦那様の相手をするのが妻の役目。


それでまた、龍聖君が頑張れるなら…


「琴音…」


私の名前を呼んだと同時に、ブラウスのボタンが外され、一気にブラが鎖骨の辺りにずらされた。


「あぁっ」


あらわになった胸の先に、龍聖君の唇が吸い付く。


嘘みたいだ…


私の体は、何の抵抗もなく龍聖君の愛撫を受け入れて喜んでる。


どんどん荒々しくなる淫らな行為に、どうしようもなく興奮し、理性が失われていくのがわかった。


体中に官能的な刺激を与えられる度、とろけるような快感が駆け巡り…


気がつけば、壊れそうになる程に…私は龍聖君を求めていた。


「龍聖君の体…すごく綺麗」


「琴音の体の方が綺麗だ…」


「そんなこと…ない」


ジムに行けなくても十分筋肉質で魅力的な体。


この引き締まった肉体に包まれてる安心感は半端ない。 


すごく、嬉しい。


「琴音は男を喜ばせる体をしてる。こんなにも感じやすくて…」


途切れることなく敏感になった体を責め続けられ、いやらしい声が部屋中を埋め尽くす。


なのに…


瞬間的にまた浮かんでしまう悲しい疑問。


やっぱり、あなたはただ女性を抱きたいだけなの？


食事をする『食欲』、眠りたくなる『睡眠欲求』、そして…女性を抱きたくなる『性欲』


ただそれが発動してるだけ？


相手は…


あの時みたいに誰でもいいんだよね？


きっとそうなんだってわかってる。


私は、それでもいいって納得して抱かれてるんだから。


本当に、理由なんて…いらないのかも知れないね。