2 / 152
最後の思い出
2
しおりを挟む
どんな声を出しても誰にも聞こえない。
たった2人だけの世界。
官能的で濃艷で、理性などはもうどこにも存在しなかった。
こんなにも激しく燃えるような交わりは、生まれて初めてで…
「嘘つきって認めろよ。もっとして欲しいって言って」
「…恥ずかしいよ」
「言えないの?俺達、こんなにも体の相性が良いのに。最高だ、お前の体」
最高なのは私じゃない。
あなたの方だよ。
細身なのに、全体的に程よくついた筋肉。
触れる度に固く引き締まった胸板、腕、お尻、太もも…全てに男らしさを感じる。
さっきから私、ずっとあなたの裸体にドキドキが止まらない。
「ほら、ここがいい?」
「あっっ…だっ、ダメ…やめてっ…て、ねぇ…あぁっ」
立ったままの姿勢で、私の心拍数は急激に上昇していく。
とんでもないテクニックで次から次へと攻められ続け、あなたの沼に引きずり込まれた。
何度も這い出そうとするのに、決してそこからは抜けられなくて…
「なあ、俺達、このまま…」
「んっ、この…まま?」
意識が朦朧とするような中、かろうじて聞き返した。
「い、いや、何でもない。あと何回、気持ち良くなりたい?」
「もう…意地悪」
そう言いながらも、私は最高の瞬間を何度も迎え、ベッドに入ってから、この人とひとつになり、そして…
夢のような時間は終わりを告げた。
全く余韻を味わう暇もなく、シャワーさえも浴びず、お互いにサッと着替えを済ませ、髪を整え、バッグを持った。
「最後の思い出だね、ありがとう」
「ああ、最初で最後。こっちこそありがとう。必ず、誰かと幸せになれよ」
「う、うん。あなたも…ね」
そんなやり取りをして、私達は笑顔で別れた。
豪華な調度品に囲まれたホテルのロビー。
大理石の床に響くハイヒールの音。
普段は滅多に履かないけど、今日だけは頑張ってオシャレした。
ただ、その音が今、どうしようもなく虚しく聞こえるのはなぜだろう?
たった2人だけの世界。
官能的で濃艷で、理性などはもうどこにも存在しなかった。
こんなにも激しく燃えるような交わりは、生まれて初めてで…
「嘘つきって認めろよ。もっとして欲しいって言って」
「…恥ずかしいよ」
「言えないの?俺達、こんなにも体の相性が良いのに。最高だ、お前の体」
最高なのは私じゃない。
あなたの方だよ。
細身なのに、全体的に程よくついた筋肉。
触れる度に固く引き締まった胸板、腕、お尻、太もも…全てに男らしさを感じる。
さっきから私、ずっとあなたの裸体にドキドキが止まらない。
「ほら、ここがいい?」
「あっっ…だっ、ダメ…やめてっ…て、ねぇ…あぁっ」
立ったままの姿勢で、私の心拍数は急激に上昇していく。
とんでもないテクニックで次から次へと攻められ続け、あなたの沼に引きずり込まれた。
何度も這い出そうとするのに、決してそこからは抜けられなくて…
「なあ、俺達、このまま…」
「んっ、この…まま?」
意識が朦朧とするような中、かろうじて聞き返した。
「い、いや、何でもない。あと何回、気持ち良くなりたい?」
「もう…意地悪」
そう言いながらも、私は最高の瞬間を何度も迎え、ベッドに入ってから、この人とひとつになり、そして…
夢のような時間は終わりを告げた。
全く余韻を味わう暇もなく、シャワーさえも浴びず、お互いにサッと着替えを済ませ、髪を整え、バッグを持った。
「最後の思い出だね、ありがとう」
「ああ、最初で最後。こっちこそありがとう。必ず、誰かと幸せになれよ」
「う、うん。あなたも…ね」
そんなやり取りをして、私達は笑顔で別れた。
豪華な調度品に囲まれたホテルのロビー。
大理石の床に響くハイヒールの音。
普段は滅多に履かないけど、今日だけは頑張ってオシャレした。
ただ、その音が今、どうしようもなく虚しく聞こえるのはなぜだろう?
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説
大富豪とシンデレラ ~おひとりさま生活を満喫していたら、大企業の御曹司に拾われました。でも、溺愛されすぎて、毎日ドキドキしています~
一ノ瀬 彩音
恋愛
ある日、残業続きで疲れ切っていた美羽は電車の中で倒れてしまう。
しかし、そこへ現れたイケメンが、なんと彼女が勤めている会社の親会社の御曹司だった!
お金持ちで優しくて、仕事もできて、そのうえ、超美形!
そんな彼にいきなりお持ち帰りされ、強引にキスされた美羽は
そのまま彼のマンションへと連れていかれてしまい、
もう、彼なしでは生きていけない身体にされてしまい――!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
結婚なんてお断りです! ─強引御曹司のとろあま溺愛包囲網─
立花 吉野
恋愛
25歳の瀬村花純(せむら かすみ)は、ある日、母に強引にお見合いに連れて行かれてしまう。数時間後に大切な約束のある花純は「行かない!」と断るが、母に頼まれてしぶしぶ顔だけ出すことに。
お見合い相手は、有名企業の次男坊、舘入利一。イケメンだけど彼の性格は最悪!
遅刻したうえに人の話を聞かない利一に、花純はきつく言い返してお見合いを切り上げ、大切な『彼』との待ち合わせに向かった。
『彼』は、SNSで知り合った『reach731』。映画鑑賞が趣味の花純は、『jimiko』というハンドルネームでSNSに映画の感想をアップしていて、共通の趣味を持つ『reach731』と親しくなった。大人な印象のreach731と会えるのを楽しみにしていた花純だったが、約束の時間、なぜかやって来たのはさっきの御曹司、舘入利一で──?
出逢った翌日には同棲開始! 強引で人の話を聞かない御曹司から、甘く愛される毎日がはじまって──……
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
花室 芽苳
恋愛
【本編完結/番外編追加します】
幼い頃から匡介に苦手意識を持つ杏凛。しかし親同士の付き合いで、顔を合わす事も少なくなかった。
彼女が彼を苦手な事はみんなが知っている事だったが、そんな時……尊敬する祖父の会社が経営難に!?いったいどうすればと悩む杏里。
「杏凛、俺と契約結婚をしなさい。そうすれば君を助けてやる事も出来る」
いきなり現れた匡介から契約結婚を持ち掛けられる。驚く杏凛に匡介は……
「3年間だけでいい、その間に君の祖父の会社を立て直してみせるから」
「そんな言葉で私がすんなりあなたに嫁ぐとでも?」
しかしこのままでは祖父も会社も救う事が出来ない、ついに杏凛は決意する。
「私に必要以上に構わなくていいのです。こんな強情な契約妻は放っておいて匡介さんは好きな事をしてください」
「夫が妻に構う事の何が悪い?俺は杏凛を放っておいてまでしたい事なんて無い」
杏凛は自分をどんどん甘やかし過保護になっていく匡介に戸惑う。
(昔の彼は私に冷たい眼差しを向けるだけだったのに。今の彼にどういう態度をとればいいのか分からない――――)
妻への過保護な愛情と嫉妬心に振り回される夫、匡介 190㎝ 35歳
夫への苦手意識から冷たい態度しかとれない妻、杏凛 169㎝ 29歳
ドS上司の溺愛と執着 〜お酒の勢いで憧れの人に『抱いて』と言ってみたら離してくれなくなった〜
Adria
恋愛
熱心に仕事に打ち込んでいた私はある日、父にお見合いを持ちかけられ、大好きな仕事を辞めろと言われてしまう。そのことに自暴自棄になり、お酒に溺れた翌日、私は処女を失っていた。そしてその相手は憧れていた勤務先の上司で……。
戸惑う反面、「酒を理由になかったことになんてさせない」と言われ、彼は私を離してくれない。彼の強すぎる愛情表現と一緒に過ごす時間があまりにも心地よくてどんどん堕ちていく。
表紙絵/灰田様
クールな御曹司の溺愛ペットになりました
あさの紅茶
恋愛
旧題:クールな御曹司の溺愛ペット
やばい、やばい、やばい。
非常にやばい。
片山千咲(22)
大学を卒業後、未だ就職決まらず。
「もー、夏菜の会社で雇ってよぉ」
親友の夏菜に泣きつくも、呆れられるばかり。
なのに……。
「就職先が決まらないらしいな。だったら俺の手伝いをしないか?」
塚本一成(27)
夏菜のお兄さんからのまさかの打診。
高校生の時、一成さんに告白して玉砕している私。
いや、それはちょっと……と遠慮していたんだけど、親からのプレッシャーに負けて働くことに。
とっくに気持ちの整理はできているはずだったのに、一成さんの大人の魅力にあてられてドキドキが止まらない……。
**********
このお話は他のサイトにも掲載しています
新米社長の蕩けるような愛~もう貴方しか見えない~
一ノ瀬 彩音
恋愛
地方都市にある小さな印刷会社。
そこで働く入社三年目の谷垣咲良はある日、社長に呼び出される。
そこには、まだ二十代前半の若々しい社長の姿があって……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件
百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。
そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。
いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。)
それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる!
いいんだけど触りすぎ。
お母様も呆れからの憎しみも・・・
溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。
デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。
アリサはの気持ちは・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる