円城寺家のイケメン探偵～脅迫状に込められた思い～

暴かれた悲しい真実

3

『凛音…佐々木先生と山口先生だったよ。このペアのネックレスをして笑ってた。だけど…突然…映像がぐちゃぐちゃに…』


『ありがとう、紬。それで十分だよ』


いつもこうして励ましてくれて、それを信じてくれる。


私は、そんな凛音にまた感謝した。


『何をわけのわからないことを言ってるんですか？だいたい、その写真とかも無いじゃないですか』


と、山口先生。


『…きっと、あなたが隠してしまったんでしょう。それとも、もう捨ててしまってこの世には無いのかも知れない』


『いい加減にして！どうして私がそんなことをしなくちゃいけないんですか？』


山口先生のすごい形相にちょっと驚いた。


目が血走ってる…


『あの日…中島さんは、佐々木先生に呼ばれています。そして…あなたは…その光景を見たんじゃないですか？』


『…』


そう質問されて、先生の息が荒くなっていく…


『もちろん、これは証拠もない、私の想像ではあります。ですが、あなたと佐々木先生の仲は「ただの同僚ではなかった」。そのことはわかります。そのネックレス、それに紬の「感覚」…』


『…感覚？』


『まあ、それはおいておいて…あなたは、中島さんと佐々木先生のやり取りを見てしまったんじゃないですか？おそらく偶然に…』


山口先生は、ハッと目を見開いた。


『そして…突然キスされそうになった中島さんを助けるために、佐々木先生の携帯を鳴らした。逃げた中島さんが帰った後、あなたは佐々木先生と話をしたはずです。当然、ケンカになったでしょう。その先、どんなことを話したのかは…山口先生、あなたの口から話してもらえませんか？』


『…中島さんが…佐々木先生を突き落としたんじゃないんですか？』


『中島さんは、先生の脅迫から逃げたくて…必死の思いで脅迫状を書いたんです。そんな彼女の気持ちを考えて下さい。中島さんは…あなたの大切な教え子ですよね』