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演劇部に届いた脅迫状
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赤田さんは、カバンから封筒を取り出して凛音に渡した。
すぐに手袋をしてそれを受け取った凛音は、まず封筒をじっくりと見た。
『消印は3日前。割とここから近い郵便局だね。宛名は優愛高校演劇部、赤田部長様』
『はい。学校に届いた手紙を先生が私に渡してくれて…でも、中身が…』
不安気な表情を浮かべる赤田さん。
『見てもいいかな?』
『はい…お願いします』
凛音は、封筒から中身を取り出した。
私もすぐ横に行って手紙を覗き込む。
「文化祭の劇を中止しないと災いがおこる」
『これって…!!脅迫状!?』
思わず大きな声を出してしまった。
白い便箋に定規で書いたような文字。
そして…
下の方に小さく描かれた「花」のイラスト…
自分を名乗るような言葉は…無かった。
『そうなんです。私…びっくりして、すぐに教頭先生に相談しました。その時に、初音さんのお兄様のことを教えてもらって』
『このこと、教頭先生以外に知ってる人は?』
凛音が尋ねた。
『いえ。他の人にはまだ話してません』
『いい判断だね。君は口が固いようだ』
『凛音様…私…これからどうすればいいんでしょうか?』
赤田さんは、うるうるした瞳で凛音を真っ直ぐ見つめた。
寒さに凍える子猫みたいに…
『まずは僕らが学校に行ってみる。いろいろ探ってみたいからね。赤田さんには協力を頼むよ。探偵だとバレないように…』
『でも凛音、どうやって入り込むの?』
『…そうだな。優愛高校演劇部の取材とか…地元新聞と名乗れば怪しまれないか…』
って、簡単にいうけど、そのイケメンぶりでは目立たない?
兄弟だから、どことなく初音ちゃんと顔や雰囲気も似てるし…
バレないのかな…
ちょっと心配。
『ありがとうございます…凛音様。どうかこの脅迫状の送り主を探して下さい。誰が何のためにこんな物を送ってきたのか…みんな頑張って練習してるので、やっぱり…今さら劇を中止に出来ないし。でも…私、怖くて』
すぐに手袋をしてそれを受け取った凛音は、まず封筒をじっくりと見た。
『消印は3日前。割とここから近い郵便局だね。宛名は優愛高校演劇部、赤田部長様』
『はい。学校に届いた手紙を先生が私に渡してくれて…でも、中身が…』
不安気な表情を浮かべる赤田さん。
『見てもいいかな?』
『はい…お願いします』
凛音は、封筒から中身を取り出した。
私もすぐ横に行って手紙を覗き込む。
「文化祭の劇を中止しないと災いがおこる」
『これって…!!脅迫状!?』
思わず大きな声を出してしまった。
白い便箋に定規で書いたような文字。
そして…
下の方に小さく描かれた「花」のイラスト…
自分を名乗るような言葉は…無かった。
『そうなんです。私…びっくりして、すぐに教頭先生に相談しました。その時に、初音さんのお兄様のことを教えてもらって』
『このこと、教頭先生以外に知ってる人は?』
凛音が尋ねた。
『いえ。他の人にはまだ話してません』
『いい判断だね。君は口が固いようだ』
『凛音様…私…これからどうすればいいんでしょうか?』
赤田さんは、うるうるした瞳で凛音を真っ直ぐ見つめた。
寒さに凍える子猫みたいに…
『まずは僕らが学校に行ってみる。いろいろ探ってみたいからね。赤田さんには協力を頼むよ。探偵だとバレないように…』
『でも凛音、どうやって入り込むの?』
『…そうだな。優愛高校演劇部の取材とか…地元新聞と名乗れば怪しまれないか…』
って、簡単にいうけど、そのイケメンぶりでは目立たない?
兄弟だから、どことなく初音ちゃんと顔や雰囲気も似てるし…
バレないのかな…
ちょっと心配。
『ありがとうございます…凛音様。どうかこの脅迫状の送り主を探して下さい。誰が何のためにこんな物を送ってきたのか…みんな頑張って練習してるので、やっぱり…今さら劇を中止に出来ないし。でも…私、怖くて』
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