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演劇部に届いた脅迫状

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ある日曜の午後。


窓から射し込む暖かな日差しが気持ちよく、揺れる椅子に座って新刊の探偵小説を読んでいたら少し眠くなってきた。


『凛音お兄様!』


ドアのノックとほぼ同時に、そう言って初音ちゃんが入ってきた。


一瞬で眠気が吹っ飛ぶ。


『どうした?初音が僕の部屋に来るなんて珍しいね』


ノックしたら、返事があるまでちょっとは待たない?


せっかちな初音ちゃんらしいけど、一応は年頃の男女がいる部屋なんだから…


って、今まで1度も何かがあった試しはないんだけどね。


『「大学生探偵」に会いたいっていう友達が来てるんです。会ってもらえますか?』


『それって…仕事の依頼?』


助手としての質問をした。


『あら、当たり前です。依頼でもなければわざわざ凛音お兄様に会いに来る人はいないです。湊音お兄様ならわかりますけど』


かなりの毒舌にちょっとヒヤッとする。


初音ちゃんには、いったい凛音はどう映ってるんだろ?


こんなイケメンなのに…


『依頼なら大歓迎だよ。入ってもらって』


初音ちゃんに言われたことなんか気にも止めず、凛音は優しく言った。


『失礼します』


ゆっくりと中に入ってきたその彼女は、少し恥ずかしそうにしてる。


背が小さくて、ちょっとぽっちゃりした高校生らしい可愛らしい女の子だ。


『は、初めまして…赤田 菜摘(あかだ なつみ)です。優愛高校の演劇部の部長をしています』


『こんにちは。よく来てくれたね。僕が探偵だってことは誰から?』


『あ、はい。初音さんのお兄様が探偵をしてらっしゃることは、教頭先生に伺いました。前に学校で起きた難事件を解決されたとかで…でもまさか、こんなに素敵な方が探偵さんだなんて…驚きました』


思わず、頬を赤らめる赤田さん。


『まあ、菜摘さん。凛音お兄様が素敵ですって?凛音お兄様は女性に興味がなくて、未だに彼女もいないんです。どこが素敵に見えるんですか?』
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