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30. 告られた夏希
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「すみません。でも私、結構放課後…っていうか夕方は忙しいんです」
金曜日。週の中でも、この日は夕方の再放送枠が学園モノ、サッカー少年のアニメやってるから急いで帰らなくても大丈夫な日。
だから体育祭のリレー練習してたんだけど、こんな事なら、とっとと帰ればよかったかなぁ。
練習中に、2年生ながら野球部のエースで4番って評判の新木先輩に声掛けられて。
「よかったら、この後時間ある?」
八重歯が煌めく爽やかイケメンだぁー!
流石の私も、思わず胸キュンしたー‼︎
いや、勿論靡かないけど。
坊主頭なのに、爽やかイケメン。やっぱ、持ってる人は持ってるよね。一般論として新木先輩がモテる事、私も全力で肯定するよ。
だが、断る!
「そろそろ帰る時間なので」
更衣室横のシャワー室へ向かう。流石は私立。設備は至れり尽くせりなんだよね。
「いや、少しの間でいいんだ。俺の気持ちを知って欲しくって」
「私が所帯持ちって、先輩は聞いてらっしゃらないですかー?」
1学期過ぎて、私とアキラのリア充振りはそこそこ学校内に広まってきたと思うんだけど。
「そうなのか?あ、でも…」
「失礼しまーす」
被り気味。悪いけど、返事聞く気も無いし。
悠木夏希が新木先輩を振った事。
学校中に激震となって広まったらしいです。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
勿論、俺は夏希から事の次第を聞いてた。翌日以降の大事なんて想像も出来ずに。
「新木先輩をね。いいのか?俺なんかよりよっぽど…」
「ね、私、アナタにはじめてもあげたんだけど。これ以上、何をあげれば私の気持ちがわかるのかなぁ」
いや、気持ちは十二分に分かってるよ。
「もらい過ぎてるし、何より、俺じゃ分不相応って思える程の相手になったしさ」
「ふーん」
上目遣いに覗き込むな。
「ま、とりあえず夕飯の支度するね」
また、際どいカッコしてないか?
「分かってるよ」
後ろから抱き締めて。
「…アキラ」
「来週は、どうなってるだろ?」
「大騒ぎ?修羅場かな?」
「にはならないと。ウチのクラスじゃ俺ら熟年夫婦扱いだし。新木先輩の横ヤリとしか」
「だよねーって、ちょっと?掴むな…って、ねぇ、バカ、こら」
せっかくだし。
しょっちゅう擦り付けてくるから。大きさ、重み、柔らかさを充分堪能させてもらって。
「外してるヤツが悪い」
「だって暑かったから…」
文句言う割には無抵抗だし。
「フフ、熟年夫婦だから、ね、私達」
土日。
まぁ、ワンクッション置けたってのは、取り敢えず良かったって思う今日この頃、だったりする。
月曜日。
マジで難儀な1日だったんだよ。
「なっちゃん!新木先輩、振ったってホント?」
登校した俺達に、クラス中から開口一番聞かれた訳で。
「何?私に『アキラと別れろ』とか『二股やっちゃえー』とか言ってる訳?」
憮然とする夏希に、
「まぁ、言われてみればそうなんだけど」
肯定するクラスメイト達。
「なっちゃんじゃないと新木先輩1択だよね、この場合」
俺が振られるとか、二股掛けられるとか。
流石に皆んな、そうは思わないって事だ。
「よかったねー、星宮君」
「幼馴染に甘えちゃダメだよー」
皆んなの中では、やっぱ俺と新木先輩とじゃ比較の対象にならないって事ね。
確かに、片手の俺は様々なハンデあるしね。
「気を付けるよ」
苦笑して、肩をすくめて応える俺に、
「羨ましいよなぁ」
「幼馴染のアドバンテージ。こんなのが現実に有りなんてなぁ」
野郎共からも声が上がる。
そんなこんなで、それでもクラスは俺達の事は肯定的だったんだ。
他クラス、他学年になると、そうもいかないみたいで。
幼馴染にすがり、超絶美少女を拘束する最悪男。
そういう誤解も広まったらしい。
特に2年の中では…。
やれやれだね。
金曜日。週の中でも、この日は夕方の再放送枠が学園モノ、サッカー少年のアニメやってるから急いで帰らなくても大丈夫な日。
だから体育祭のリレー練習してたんだけど、こんな事なら、とっとと帰ればよかったかなぁ。
練習中に、2年生ながら野球部のエースで4番って評判の新木先輩に声掛けられて。
「よかったら、この後時間ある?」
八重歯が煌めく爽やかイケメンだぁー!
流石の私も、思わず胸キュンしたー‼︎
いや、勿論靡かないけど。
坊主頭なのに、爽やかイケメン。やっぱ、持ってる人は持ってるよね。一般論として新木先輩がモテる事、私も全力で肯定するよ。
だが、断る!
「そろそろ帰る時間なので」
更衣室横のシャワー室へ向かう。流石は私立。設備は至れり尽くせりなんだよね。
「いや、少しの間でいいんだ。俺の気持ちを知って欲しくって」
「私が所帯持ちって、先輩は聞いてらっしゃらないですかー?」
1学期過ぎて、私とアキラのリア充振りはそこそこ学校内に広まってきたと思うんだけど。
「そうなのか?あ、でも…」
「失礼しまーす」
被り気味。悪いけど、返事聞く気も無いし。
悠木夏希が新木先輩を振った事。
学校中に激震となって広まったらしいです。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
勿論、俺は夏希から事の次第を聞いてた。翌日以降の大事なんて想像も出来ずに。
「新木先輩をね。いいのか?俺なんかよりよっぽど…」
「ね、私、アナタにはじめてもあげたんだけど。これ以上、何をあげれば私の気持ちがわかるのかなぁ」
いや、気持ちは十二分に分かってるよ。
「もらい過ぎてるし、何より、俺じゃ分不相応って思える程の相手になったしさ」
「ふーん」
上目遣いに覗き込むな。
「ま、とりあえず夕飯の支度するね」
また、際どいカッコしてないか?
「分かってるよ」
後ろから抱き締めて。
「…アキラ」
「来週は、どうなってるだろ?」
「大騒ぎ?修羅場かな?」
「にはならないと。ウチのクラスじゃ俺ら熟年夫婦扱いだし。新木先輩の横ヤリとしか」
「だよねーって、ちょっと?掴むな…って、ねぇ、バカ、こら」
せっかくだし。
しょっちゅう擦り付けてくるから。大きさ、重み、柔らかさを充分堪能させてもらって。
「外してるヤツが悪い」
「だって暑かったから…」
文句言う割には無抵抗だし。
「フフ、熟年夫婦だから、ね、私達」
土日。
まぁ、ワンクッション置けたってのは、取り敢えず良かったって思う今日この頃、だったりする。
月曜日。
マジで難儀な1日だったんだよ。
「なっちゃん!新木先輩、振ったってホント?」
登校した俺達に、クラス中から開口一番聞かれた訳で。
「何?私に『アキラと別れろ』とか『二股やっちゃえー』とか言ってる訳?」
憮然とする夏希に、
「まぁ、言われてみればそうなんだけど」
肯定するクラスメイト達。
「なっちゃんじゃないと新木先輩1択だよね、この場合」
俺が振られるとか、二股掛けられるとか。
流石に皆んな、そうは思わないって事だ。
「よかったねー、星宮君」
「幼馴染に甘えちゃダメだよー」
皆んなの中では、やっぱ俺と新木先輩とじゃ比較の対象にならないって事ね。
確かに、片手の俺は様々なハンデあるしね。
「気を付けるよ」
苦笑して、肩をすくめて応える俺に、
「羨ましいよなぁ」
「幼馴染のアドバンテージ。こんなのが現実に有りなんてなぁ」
野郎共からも声が上がる。
そんなこんなで、それでもクラスは俺達の事は肯定的だったんだ。
他クラス、他学年になると、そうもいかないみたいで。
幼馴染にすがり、超絶美少女を拘束する最悪男。
そういう誤解も広まったらしい。
特に2年の中では…。
やれやれだね。
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