45 / 55
夏期休暇頑張る
45. 王宮からの依頼
しおりを挟む
翌日の昼食。
ボア肉の味付けに使った触媒は、料理長に勿論の事、騎士達にも大好評だったのー!
「信じられない。此奴は魔物避けとしか考えていませんでした」
「それが普通です。匂いが凄いし。後口残ります。もしデートとかが控えてるならば、香玉を含んでください」
「まぁ若い奴なら必要かもしれませんが」
見た目球根。しかも強烈な匂いがある。
この匂いを嫌う魔物は多く、しかもそういう魔物は大概嗅覚が鋭く発達してる。擦り潰してゲル状にし布に染み込ませると、それだけで簡易的な魔物避けとなる。
旅のお供としても安価だから、薬屋触媒販売店だけでなく道具屋なんかでも売ってる品。
コレを薄切にして香辛料である黒胡椒と混ぜて軽く炒め、ソースに混ぜ込んでボア肉を焼くの。
するとボア肉特有の臭みが無くなり、黒胡椒の風味と共にとっても美味しくなるんだ。
息が魔物避け臭になっちゃうけど。
「この匂いが苦手って場合は、昨日の保温触媒薬草を少しソースに入れて焼くといいと思います」
「それはいい。ボア肉は量も確保出来るし腹も満ちる食材なんだが、いかんせん、あの独特の臭みを嫌う者が多くてね。それが消えるだけで有り難いってのに、中々食欲をそそる匂いになる。擦り潰しじゃなくて薄切でいいのも助かる」
「それでも一手間増えますけど」
「こんなものは手間とは言わんよ。世の中には見映えだけの為に切込を入れる飾包丁もあるのだから」
ニヤリと笑う料理長。
まぁ、レパートリーが増えて何よりです。
そんな楽しい毎日は…、唐突に終わりを告げたんだー。
「王宮へ召喚?何があったのですか?」
「悪いが聞かされておらぬ」
「ただ、かなり急いでおられる様でね。悪いけど迎えに来たよ、ミルキィ」
ジャックセンセーがケインズシティまで来てた。
特大の転送魔法を使ったっだって。手持ちなかったから、直ぐに魔力回復薬を錬成して渡した。
「有り難い、いただくよ。うん、本当に飲み易いね。他のポーションが飲めなくなるって評判がわかるよ」
ジャックセンセーの魔力も結構多い。
そう言えば人種的にはエルフMIXって言ってたな。
「ミルキィ…」
「ごめんなさい、クラリス。でも此処での夏期休暇はホントに楽しかったー!」
王宮の呼び出し。多分何かの依頼。
となると、おそらく夏期休暇中にはケインズシティに戻っては来れないかも。
荷物を纏めた私は、ジャックセンセーと共に移送魔法陣へ。
今度は王宮転送の間への移動なんだって。
だからセンセーの転送魔法じゃなく、移送魔法陣を起動する魔力だけで済むみたい。どうしても起点を作らないといけないから、クラリスや私の持つ学院生証を目印に、先ずは自分が跳んだんだとか。
凄いねー、ジャックセンセー。
「「また学院で」」
もっと色々素材集めもしたかったし、錬成生成したかった。残念ー!
一瞬で王宮へ跳んだ私達。
控えの間に、私の制服が届けられてた。
直ぐに着替えて、呼び出されるまで控えに待つ。
「ミルキィ嬢、陛下達がお待ちです。このまま応接室へお越しください」
応接室?謁見の間ではなくて?
入ると、既に陛下と宰相がいた。
は?2人だけ?
コレは陛下からの直接にして極秘裏の依頼?
入り次第、私は跪き。
「陛下におかれてはご機嫌麗しく、学院生錬金術科ミルキィ、お召しによりまかり越しました」
確か、こんな挨拶で良かったよね?
違った?失礼だった?
咎められないからセーフ。
「よく来てくれた、ミルキィ。こんな急な召喚した事を先ずは詫びる。済まぬ」
玉座からとは言え、陛下が頭を下げた?
「これからの事は他言無用。恥を忍んで其方の力を借りたいのだ、錬金術師ミルキィ」
宰相も、何?この雰囲気。
「実は、先に現れた魔将が未だ王都で暗躍しておるのだ」
魔将?と言うと、魔将ライガス?
「相手が魔将とは言え、あまりにも裏をかかれっぱなしなのでな。どうも王都…考えたくないが王宮に魔将の内通者がいるとしか思えぬ」
内通者の炙り出し?
「ある程度の目処がたっているのですね?では私への依頼は『自白剤』の錬成でしょうか?」
「君という子供を巻き込む事。必要悪とも言える薬を作らせる事。我々の未熟故の過ちでしかない。が、それでも其方に頼まざるを得ない」
王宮の者に自白剤を使用する?
そんな大人の裏を初年度学院生に依頼するの?
コレ、聞いたからには断れないし、もし断ったらひょっとして私、消される?
「よく考えて、納得してくれたらでいい。断っても構わないが…」
黙るべき秘密。
が突飛過ぎて、子供の私が話しても大人はマトモに取り合わない。そー言う事か。
「返事は後日、また…」
「いえ、陛下、宰相閣下。錬金術科学院生ミルキィ、謹んで承ります」
中身は元魔族。大魔王の娘。
権謀詐術の世界、知らない訳じゃ無い。
世間知らずのガキじゃないんだから!
「…感謝する、ミルキィ」
頭下げ過ぎだよ、陛下。
ボア肉の味付けに使った触媒は、料理長に勿論の事、騎士達にも大好評だったのー!
「信じられない。此奴は魔物避けとしか考えていませんでした」
「それが普通です。匂いが凄いし。後口残ります。もしデートとかが控えてるならば、香玉を含んでください」
「まぁ若い奴なら必要かもしれませんが」
見た目球根。しかも強烈な匂いがある。
この匂いを嫌う魔物は多く、しかもそういう魔物は大概嗅覚が鋭く発達してる。擦り潰してゲル状にし布に染み込ませると、それだけで簡易的な魔物避けとなる。
旅のお供としても安価だから、薬屋触媒販売店だけでなく道具屋なんかでも売ってる品。
コレを薄切にして香辛料である黒胡椒と混ぜて軽く炒め、ソースに混ぜ込んでボア肉を焼くの。
するとボア肉特有の臭みが無くなり、黒胡椒の風味と共にとっても美味しくなるんだ。
息が魔物避け臭になっちゃうけど。
「この匂いが苦手って場合は、昨日の保温触媒薬草を少しソースに入れて焼くといいと思います」
「それはいい。ボア肉は量も確保出来るし腹も満ちる食材なんだが、いかんせん、あの独特の臭みを嫌う者が多くてね。それが消えるだけで有り難いってのに、中々食欲をそそる匂いになる。擦り潰しじゃなくて薄切でいいのも助かる」
「それでも一手間増えますけど」
「こんなものは手間とは言わんよ。世の中には見映えだけの為に切込を入れる飾包丁もあるのだから」
ニヤリと笑う料理長。
まぁ、レパートリーが増えて何よりです。
そんな楽しい毎日は…、唐突に終わりを告げたんだー。
「王宮へ召喚?何があったのですか?」
「悪いが聞かされておらぬ」
「ただ、かなり急いでおられる様でね。悪いけど迎えに来たよ、ミルキィ」
ジャックセンセーがケインズシティまで来てた。
特大の転送魔法を使ったっだって。手持ちなかったから、直ぐに魔力回復薬を錬成して渡した。
「有り難い、いただくよ。うん、本当に飲み易いね。他のポーションが飲めなくなるって評判がわかるよ」
ジャックセンセーの魔力も結構多い。
そう言えば人種的にはエルフMIXって言ってたな。
「ミルキィ…」
「ごめんなさい、クラリス。でも此処での夏期休暇はホントに楽しかったー!」
王宮の呼び出し。多分何かの依頼。
となると、おそらく夏期休暇中にはケインズシティに戻っては来れないかも。
荷物を纏めた私は、ジャックセンセーと共に移送魔法陣へ。
今度は王宮転送の間への移動なんだって。
だからセンセーの転送魔法じゃなく、移送魔法陣を起動する魔力だけで済むみたい。どうしても起点を作らないといけないから、クラリスや私の持つ学院生証を目印に、先ずは自分が跳んだんだとか。
凄いねー、ジャックセンセー。
「「また学院で」」
もっと色々素材集めもしたかったし、錬成生成したかった。残念ー!
一瞬で王宮へ跳んだ私達。
控えの間に、私の制服が届けられてた。
直ぐに着替えて、呼び出されるまで控えに待つ。
「ミルキィ嬢、陛下達がお待ちです。このまま応接室へお越しください」
応接室?謁見の間ではなくて?
入ると、既に陛下と宰相がいた。
は?2人だけ?
コレは陛下からの直接にして極秘裏の依頼?
入り次第、私は跪き。
「陛下におかれてはご機嫌麗しく、学院生錬金術科ミルキィ、お召しによりまかり越しました」
確か、こんな挨拶で良かったよね?
違った?失礼だった?
咎められないからセーフ。
「よく来てくれた、ミルキィ。こんな急な召喚した事を先ずは詫びる。済まぬ」
玉座からとは言え、陛下が頭を下げた?
「これからの事は他言無用。恥を忍んで其方の力を借りたいのだ、錬金術師ミルキィ」
宰相も、何?この雰囲気。
「実は、先に現れた魔将が未だ王都で暗躍しておるのだ」
魔将?と言うと、魔将ライガス?
「相手が魔将とは言え、あまりにも裏をかかれっぱなしなのでな。どうも王都…考えたくないが王宮に魔将の内通者がいるとしか思えぬ」
内通者の炙り出し?
「ある程度の目処がたっているのですね?では私への依頼は『自白剤』の錬成でしょうか?」
「君という子供を巻き込む事。必要悪とも言える薬を作らせる事。我々の未熟故の過ちでしかない。が、それでも其方に頼まざるを得ない」
王宮の者に自白剤を使用する?
そんな大人の裏を初年度学院生に依頼するの?
コレ、聞いたからには断れないし、もし断ったらひょっとして私、消される?
「よく考えて、納得してくれたらでいい。断っても構わないが…」
黙るべき秘密。
が突飛過ぎて、子供の私が話しても大人はマトモに取り合わない。そー言う事か。
「返事は後日、また…」
「いえ、陛下、宰相閣下。錬金術科学院生ミルキィ、謹んで承ります」
中身は元魔族。大魔王の娘。
権謀詐術の世界、知らない訳じゃ無い。
世間知らずのガキじゃないんだから!
「…感謝する、ミルキィ」
頭下げ過ぎだよ、陛下。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【10/23コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【第2巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
悪役令嬢の騎士
コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。
異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。
少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。
そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。
少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる