ミルキィにおまかせ!

ノデミチ

文字の大きさ
上 下
39 / 55
夏期休暇頑張る

39. クラリスの実家へ②

しおりを挟む
 ケイン辺境伯領都ケインズシティ。

 ね。辺境って片田舎じゃないの?
 なんか、王都より人居ない?

 クラリス達に連れられて、馬車に揺られる6日間。ミルキィ従魔タラちゃんなら2日で来れる距離だけど。
 夏期休暇に入り、私はクラリスに誘われて休暇の殆どをケイン辺境伯領で過ごす事にした。

 国境守備の要の役割も担う辺境伯近衛師団は、王国最強の異名を持つ程で、現辺境伯のモーガン=ケイン卿は『剣聖』の才を持つ『最も勇者に近い男』って呼ばれたんだってー。
 只の『戦士』ジオの強さは、此処で幼少期から半端ない鍛錬シゴキがあったからって聞くとねー。魔界にケンカ売った訳だし、鍛えて貰おうって秘めたる野望もあったりする。

 いや、クラリスの前では言ってないけど。
 何せ前回の魔将との単独戦闘タイマン、クラリスの絶唱って言える位の説教だったしー。

 戦闘力学院TOPなんだよー。
 それも歴代首席含めて、過去サイコーの。

 クラリスの目には、ちっこい童女にしか見えんらしい。まぁ、ちっこいのは否定しないけど。
 …残念ながら。

 それはさておき。
 何?この人の多さ?

 王宮へ行く時の車窓風景より人多いよ?
 それを訊ねてみると。
「車窓って、学院も王宮の端にある敷地内だからなぁ。連絡馬車が人混みの中を走るワケないだろ?」
「は?でも花壇とか人居たよ」
「衛士とか庭師だよ。王宮の警備や庭なんかの維持管理に配置されてるんだ」
「通行人じゃなかったの?だって村の大通りよりいっぱい人居たよ?」

 どうしても基準が住んでいた村だ。
 村の総人口より王宮使用人の方が人数多いなんて私は思いもよらなかったのー!

 そんな辺鄙な過疎村だったのか?アソコ。
 同世代がいない筈だわ。

 クラリスの実家って、お城って言うか城塞…だよねー、コレ。街の防壁も凄かったけど、コレも中々。
「お帰りなさいませ、お嬢様。それに、ようこそ、ケインズシティへ。ミルキィ様」
 亜人平民だけど、どうやら賓客扱いだよー。

 応接間へ通される私達。
「ようこそ、錬金術師ミルキィ。それにおかえり、クラリス。ジオもご苦労」

「ただいま戻りました」
「御意」
「初めまして。しばらくお世話になります、ケイン辺境伯様」

 しばらく歓談した後、私達は近衛師団詰所へ。
 クラリスは兎も角、私とジオは、割と乗り気で鍛錬場へ向かう。
 うん、王宮にも負けてないよ、此処。

「ようこそ、近衛師団へ。ジオ!少しは強くなったか?」
 出迎えてくれたのは、辺境伯家近衛師団長でジオの父君ズオウ=ヤザン准男爵。

「勿論です、父上」
 うん、何せジオは騎士科初年度生徒最強。
 『魔法戦士』に勝つ『戦士』として名を馳せてるし。
「ですが、彼女には及ばす。父上、彼女が錬金術師ミルキィ。今年度処か、古今最強学院生です」

 ちょ?何て紹介するのー?
 美少女錬金術師でいいじゃん。

「あー、まー、嘘は言ってねーし」
 あれ?スルー?「誰か美少女だよ」ってツッコミは?

 それはさておき。
 やっぱり模擬戦!
 私は、辺境伯家近衛師団の面々を叩きのめして。
 とうとう、ジオの父上団長と相対してる。
 確か…団長さんも『魔法戦士』だったよね。
 特に雷属性が凄いって話。マトモに喰らうとヤバい、から…。

 先ずは正統チャンバラ!
 うん、私の剣技なんて児戯レベルな訳だ。いなされてる?全く通用してない。
 ではパワー押しファイト
 これもいなされる、か。こーいう受け流し方があるんだー。勉強になるなー。

 あ、剣が煌めいて…、コレは雷鳴剣サンダージャッジメント

 パチン。

「成る程。それが解析消去マテリアルキャンセルか」

 魔将ダームとの戦い。
 コレを使った事、担任ジャックセンセーは分かったみたいとは、薄々勘付いてたけど。私の事、王国の上層部に知れ渡ってる?

「私の事、どれだけ聞き及んでますかー?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる
ファンタジー
【10/23コミカライズ開始!】 『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました! 颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。 【第2巻が発売されました!】 今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです! 素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。 【ストーリー紹介】 幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。 そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。 養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。 だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。 『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。 貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。 『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。 『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。 どん底だった主人公が一発逆転する物語です。 ※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~

結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は 気が付くと真っ白い空間にいた 自称神という男性によると 部下によるミスが原因だった 元の世界に戻れないので 異世界に行って生きる事を決めました! 異世界に行って、自由気ままに、生きていきます ~☆~☆~☆~☆~☆ 誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります! また、感想を頂けると大喜びします 気が向いたら書き込んでやって下さい ~☆~☆~☆~☆~☆ カクヨム・小説家になろうでも公開しています もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~> もし、よろしければ読んであげて下さい

処理中です...