ミルキィにおまかせ!

ノデミチ

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王女襲来!

27. 国王陛下は感嘆した

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「ほう。それ程か」
「はい。本当に凄いですよ、彼女ミルキィ
「私もそう思いますわ、お父様」
「我が眼すら信じられぬ想いです。魔人族が人族に与する魔族の末裔だと言う事の有り難味を実感致します、父上」

 留学初日。
 王女リアンナは実際、自身が剣を交え。
 王太子アロンと弟王子アライズは、リアンナ並びに騎士団の者との模擬戦を観て。

 王宮に帰って来た子供達は、興奮冷めやらぬ程で口々に今年度学院首席の錬金術師ミルキィの凄さを国王アレックスに語り始めた。

 後程、詳細を尋ねた騎士団団長バージルは「面目次第もございません」と、先ずは陳謝してきおった。

あの魔人族ミルキィが扮する4つ脚魔物相手に騎士団はほぼ壊滅の憂き目に合いました。腰や腿に喰らいつかれ、魔物の餌となるは必定と思われる状況。我等の鍛錬方法、そして何より実戦方式として魔物討伐を増やしていかねばと強く感じる次第でございます」

 大陸統一も今一歩なのだが。
 大魔王復活も噂されている現状、国同士が相争う場合でもあるまい。騎士団の仮想敵を隣国騎士から魔物へシフトせざるを得ない。

「いつ魔王が攻め込んで来るやらしれたものではないからな」

 それにしても騎士団を壊滅状態まで追い詰めるとは?子供とはいえ、流石は魔人族という事か。

 そんな騎士団長バージルの言を噛み締めつつ、先刻の子供達との会話を思い出していた。

「リアンナが防戦一方なんて初めてみたよ」
「同感だな。騎士相手でも上手く立ち回り、そろそろ敵なしか、と思っていたんだがな」

 アロンやアライズも、思っていた以上のミルキィの実力に驚きを隠せぬ様じゃ。

「実際、剣を交えてどうじゃ、リアンナ」
「はい、お父様。残念ながら全く敵わなかったです。最初に渾身の一撃を与えたのですが、真っ向から受け止められてしまいました」
「あれは驚いた。彼女は敢えて受け止めて見せた、私には、そう思える」

 ほう。アロンはそう観たか。
 ならば、間違いあるまい。
 子供達に、その様に思われるとは…。

 この邂逅こそが一時留学の目的。
 良き縁になって欲しいものじゃ。

「でも、騎士科はその意味ではキツそうです。ウィルバルトはかなり彼女を意識しているようだし」

 フム。アライズの…、確か幼馴染と言えるドゥーハン公爵家の嫡男じゃな。

「いつもならば、間違いなく彼が首席だ。『魔法戦士』として騎士科でもTOP近いの成績をだしていると言うのに」
「はい。上に3人いる。決してウィルが手を抜いている訳でもなく精進しているのに」

 ドゥーハン公爵は、その事で息子を責める事はない。その意味では、彼は息子の実力と特Aクラス首席の実力を客観的に見ているようじゃ。寧ろ悲観的に鍛錬を繰り返す嫡男を心配すらしておったな。

「次席のクラリスは戦闘力は有りません。ですが聖女としての能力は、既に『北の聖母』と呼ばれたマリーディア殿を超えているでしょうし、座学では学院史に残る天才とも評判ですから。ただ、ミルキィは、座学の成績もクラリスに負けてはいないんです」

 ほう。
 アライズは色々と聞き出しているようじゃ。

 それにしても座学もTOP。それで戦闘力は既に騎士をも超える熟練冒険者並み。

 よくもまぁ、我が王国に生まれてくれたものよ。
 女神サンディアに感謝じゃな。

 
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