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12.その名は滅亡
邪神
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モルド視点
「くくく、けけけけけけけけけけけけ!」
最後の封印を前に、笑いが止まらないですね。この先に、あのザラードがいる。世界を滅ぼそうとした邪神。こいつを解放すれば、世界がどうなるか? あの娘は、どう挑む?
この封印は…、成る程、壊せばいいだけですね。最後は………、生贄ですか? くくくっ!
バキッ!
ここまで来るものはいないと考えているのでしょうかね。実に簡単! 単純な封印です。
ゴゴゴゴゴ…。
「我を起こすのは誰か?」
「ザラード! 蘇る時が来ました。その力を存分に!」
ゴゴゴ、バキバキッ!!
「バカ目! まずはキサマが滅びるのだ!」
「そう! 我の魔力! 怨念を喰って世界を滅ぼすのです! 」
ザラードを復活させる目的は只一つ。
世界の滅亡!
我も含めて、全てを滅ぼすのです! ザラード!!
ベキ、バリバリ! ボリ、ゴクン!!
「滅びよ、滅びよ! 滅びよ!! くくくっ! さぁ、世界の全てよ、滅びるのです!けけけけけけけけけ!」
我は、ザラード! 世界を滅ぼす邪神!!
翌日、私リスティアは、改めて闇教会へ。
魔王レベッカから聞いたところ、蘇ったザラードは『滅びの力』を解放しながら移動しているとの事。
大地は、魔力も生命力もない砂に、水は枯れ果て、生けるものは全て塩となりて消え失せている、と!
風にサラサラ舞うものがあるだけの世界。
死の世界。
「魔族が、連邦が滅んだのは、そのせい? もう手遅れかもしれない? でも!」
レベッカから事情を聞き、私は魔族領へ行くことにしました。
「魔王レベッカと先に行きます! 司祭様、この事を王城に伝えてください」
「お一人で行かれるおつもりですか? 今少し準備や…」
「一刻を争います。既に手遅れになりかかっています」
「じゃが、ザラードは飛べぬ。只歩くしかない。海底だろうが何だろうが。海の移動中なら被害も少なくて済む」
「ありがとうレベッカ。それじゃ、行きましょうか?」
「何故? 魔族領等、そなたには関係ない」
「貴女は『助けて』って言ったわ。私、そう言われたら『任せて!』って言っちゃうんだ」
笑顔の私に絶句してる二人。
結構突っ込まれるけど、私、変えるつもりはない。
困ってる人がいたら、笑顔で『任せて』って。今までそうしてきたし、これからもそうする。それが私だから。
「行きます! あ、『光神竜姫』は飛んで行ったと伝えて! このゲートは内緒にしてください」
「しかし!」
「これを知ったら、ルーク様が直ぐに来ちゃう。船で準備を掛けさせてください。そして伝えて」
「リスティア様?」
「私はルーク様の元へ、必ず帰って来ます!」
私はレベッカと二人、ゲートの中へ。
魔族領。邪神。とても怖いです。でも!
女神様、光神銀竜様。私にご加護を。
ルーク様、行ってきます!
ルーク視点
「必ず帰って来ますって…、何故一人で? リスティア?」
焦りと怒りと、あぁ、どうすれば?
「とにかく船の準備を! 後、邪神の進路の確認だ」
ヴォルコニア竜帝国のミューク皇太子に連絡をとる。
「飛竜騎士が確認している。まだ、北魔大陸の中頃だ!魔族が抵抗しているんだ」
「大陸を出ていないんだな? 助かる」
「本調子じゃないのだろう? それに魔族の魔法は我々人族とは段違いだ。抵抗も激しいし、…? 待て? 新しい情報だ! 今、飛竜騎士からの連絡が入った。うん、は? 何? 間違いないのだな!? …、あぁ、すまない、ルーク王子」
「何があった? 新しい展開があったんだな?」
「魔王レベッカが戻った! 魔族の抵抗が組織的になりそうだと。後、『光神竜姫』が来たと!」
「リスティア? 北魔大陸に着いたと? 馬鹿な? 今朝出たのではないのか?」
「移動魔法だろう。魔王も『光神竜姫』も魔力が桁違いだ。多分『テレポート』。補助魔法Lv7だ。長距離だが、あの二人なら」
本当に無茶する…、リスティア…。
「ですが殿下、使用魔力が 単純計算でも三万は必要です。いくらリスティア嬢とはいえ」
王城の側近が不思議がる。
「ロザリー様、この距離は『テレポート』では無理では?」
宮廷魔術師として意見を求められたロザリーは、私を見て言いにくそうに
「殿下? リスティア嬢は確か?」
「今、魔力十五万って言ってた。座標さえ分かれば問題外だ。多分魔王が座標軸を指定したんだろう」
連絡水晶球の向こうでもざわめきが聞こえる。
「ルーク王子! 我々も準備出来次第向かう!飛竜騎士軍団は先行出来る。サーモンド王国も魔導帆船を出すようだ! 四国同盟はこんな時の為にある。リスティア嬢だけを戦わせたりしない!」
「感謝する! ミューク皇太子」
リスティア、君が作った同盟、世界は一つになりつつある。私も、今度こそ君と共に…。
ゲートを通って、初めて来た魔族領。
ここはまだ、死の世界にはなっていません。
「レベッカ? 皆は? 生き残りは?」
「うむ、うん! 向こうだ。飛べるか?」
「うん! 竜変身『ドラゴン・チェンジ』」
輝く甲冑に身を包む『光神竜姫』戦闘バージョン。
「本当に、竜の姫戦士…。感謝するぞ、リスティア」
飛んでいくと、いた!
禍禍しい邪神。直立する黒い竜?蜥蜴?
確かに羽根は無い。歩みも遅い。
「あれがザラード?」
「光神銀竜か? いや、竜の姫戦士? この時代も……、くくくっ! 『光神竜姫』、やはり来た! 滅びよ! 滅びよ! くくくっ! 来ましたね?『光神竜姫リスティア』けけけけけけけけけけ!」
「モルド? 貴方まさか邪神と融合して? いや?邪神を乗っ取った? 」
「そう! 私が勝てば世界は滅びる。負ければ世界は一つになる。くくくっ! 楽しいとは思いませんか?」
「世界を滅ぼす? そんなに、そんなに世界が憎いの?何がそこまで?」
「くくくっ! 理由など、もうどうでもいい事。さあ!私を滅さなければ、世界は滅びるのですよ? 言っておきますが私は邪神に喰われました。私と邪神は別物と思わない事です」
「モルド? 貴方は? ドリスティア、ごめん! もう、貴女のお父様を救えない。邪神ザラード! あなたを止めます!!」
「我は行く。どうする? 女神グランガイア?」
「世界を維持して、ザラードの存在を抑えます。私はこの神界から動けません」
「わかった。ここから祈れ。女神の祈りが、我々に味方するはず」
「頼みます、我が友ゼルメイド」
「フム、我だけではないようだ。暗黒竜ボスコーン」
「ゼルメイドか? フン、まぁ良い。事情が事情だ。此度は手を貸す」
「光神竜と暗黒竜。光と闇の、世界を守護する者。お願いします。ディロスガイア! ボスコーンを遣わしてくれてありがとう」
「世界は滅ぼさせない! あの娘のお陰で、世界は変わった。より良く動き始めた」
女神の祈り。
感謝します。女神グランガイア! ディロスガイア!
世界を守る! ルーク様の元へ帰る為にも!
「くくく、けけけけけけけけけけけけ!」
最後の封印を前に、笑いが止まらないですね。この先に、あのザラードがいる。世界を滅ぼそうとした邪神。こいつを解放すれば、世界がどうなるか? あの娘は、どう挑む?
この封印は…、成る程、壊せばいいだけですね。最後は………、生贄ですか? くくくっ!
バキッ!
ここまで来るものはいないと考えているのでしょうかね。実に簡単! 単純な封印です。
ゴゴゴゴゴ…。
「我を起こすのは誰か?」
「ザラード! 蘇る時が来ました。その力を存分に!」
ゴゴゴ、バキバキッ!!
「バカ目! まずはキサマが滅びるのだ!」
「そう! 我の魔力! 怨念を喰って世界を滅ぼすのです! 」
ザラードを復活させる目的は只一つ。
世界の滅亡!
我も含めて、全てを滅ぼすのです! ザラード!!
ベキ、バリバリ! ボリ、ゴクン!!
「滅びよ、滅びよ! 滅びよ!! くくくっ! さぁ、世界の全てよ、滅びるのです!けけけけけけけけけ!」
我は、ザラード! 世界を滅ぼす邪神!!
翌日、私リスティアは、改めて闇教会へ。
魔王レベッカから聞いたところ、蘇ったザラードは『滅びの力』を解放しながら移動しているとの事。
大地は、魔力も生命力もない砂に、水は枯れ果て、生けるものは全て塩となりて消え失せている、と!
風にサラサラ舞うものがあるだけの世界。
死の世界。
「魔族が、連邦が滅んだのは、そのせい? もう手遅れかもしれない? でも!」
レベッカから事情を聞き、私は魔族領へ行くことにしました。
「魔王レベッカと先に行きます! 司祭様、この事を王城に伝えてください」
「お一人で行かれるおつもりですか? 今少し準備や…」
「一刻を争います。既に手遅れになりかかっています」
「じゃが、ザラードは飛べぬ。只歩くしかない。海底だろうが何だろうが。海の移動中なら被害も少なくて済む」
「ありがとうレベッカ。それじゃ、行きましょうか?」
「何故? 魔族領等、そなたには関係ない」
「貴女は『助けて』って言ったわ。私、そう言われたら『任せて!』って言っちゃうんだ」
笑顔の私に絶句してる二人。
結構突っ込まれるけど、私、変えるつもりはない。
困ってる人がいたら、笑顔で『任せて』って。今までそうしてきたし、これからもそうする。それが私だから。
「行きます! あ、『光神竜姫』は飛んで行ったと伝えて! このゲートは内緒にしてください」
「しかし!」
「これを知ったら、ルーク様が直ぐに来ちゃう。船で準備を掛けさせてください。そして伝えて」
「リスティア様?」
「私はルーク様の元へ、必ず帰って来ます!」
私はレベッカと二人、ゲートの中へ。
魔族領。邪神。とても怖いです。でも!
女神様、光神銀竜様。私にご加護を。
ルーク様、行ってきます!
ルーク視点
「必ず帰って来ますって…、何故一人で? リスティア?」
焦りと怒りと、あぁ、どうすれば?
「とにかく船の準備を! 後、邪神の進路の確認だ」
ヴォルコニア竜帝国のミューク皇太子に連絡をとる。
「飛竜騎士が確認している。まだ、北魔大陸の中頃だ!魔族が抵抗しているんだ」
「大陸を出ていないんだな? 助かる」
「本調子じゃないのだろう? それに魔族の魔法は我々人族とは段違いだ。抵抗も激しいし、…? 待て? 新しい情報だ! 今、飛竜騎士からの連絡が入った。うん、は? 何? 間違いないのだな!? …、あぁ、すまない、ルーク王子」
「何があった? 新しい展開があったんだな?」
「魔王レベッカが戻った! 魔族の抵抗が組織的になりそうだと。後、『光神竜姫』が来たと!」
「リスティア? 北魔大陸に着いたと? 馬鹿な? 今朝出たのではないのか?」
「移動魔法だろう。魔王も『光神竜姫』も魔力が桁違いだ。多分『テレポート』。補助魔法Lv7だ。長距離だが、あの二人なら」
本当に無茶する…、リスティア…。
「ですが殿下、使用魔力が 単純計算でも三万は必要です。いくらリスティア嬢とはいえ」
王城の側近が不思議がる。
「ロザリー様、この距離は『テレポート』では無理では?」
宮廷魔術師として意見を求められたロザリーは、私を見て言いにくそうに
「殿下? リスティア嬢は確か?」
「今、魔力十五万って言ってた。座標さえ分かれば問題外だ。多分魔王が座標軸を指定したんだろう」
連絡水晶球の向こうでもざわめきが聞こえる。
「ルーク王子! 我々も準備出来次第向かう!飛竜騎士軍団は先行出来る。サーモンド王国も魔導帆船を出すようだ! 四国同盟はこんな時の為にある。リスティア嬢だけを戦わせたりしない!」
「感謝する! ミューク皇太子」
リスティア、君が作った同盟、世界は一つになりつつある。私も、今度こそ君と共に…。
ゲートを通って、初めて来た魔族領。
ここはまだ、死の世界にはなっていません。
「レベッカ? 皆は? 生き残りは?」
「うむ、うん! 向こうだ。飛べるか?」
「うん! 竜変身『ドラゴン・チェンジ』」
輝く甲冑に身を包む『光神竜姫』戦闘バージョン。
「本当に、竜の姫戦士…。感謝するぞ、リスティア」
飛んでいくと、いた!
禍禍しい邪神。直立する黒い竜?蜥蜴?
確かに羽根は無い。歩みも遅い。
「あれがザラード?」
「光神銀竜か? いや、竜の姫戦士? この時代も……、くくくっ! 『光神竜姫』、やはり来た! 滅びよ! 滅びよ! くくくっ! 来ましたね?『光神竜姫リスティア』けけけけけけけけけけ!」
「モルド? 貴方まさか邪神と融合して? いや?邪神を乗っ取った? 」
「そう! 私が勝てば世界は滅びる。負ければ世界は一つになる。くくくっ! 楽しいとは思いませんか?」
「世界を滅ぼす? そんなに、そんなに世界が憎いの?何がそこまで?」
「くくくっ! 理由など、もうどうでもいい事。さあ!私を滅さなければ、世界は滅びるのですよ? 言っておきますが私は邪神に喰われました。私と邪神は別物と思わない事です」
「モルド? 貴方は? ドリスティア、ごめん! もう、貴女のお父様を救えない。邪神ザラード! あなたを止めます!!」
「我は行く。どうする? 女神グランガイア?」
「世界を維持して、ザラードの存在を抑えます。私はこの神界から動けません」
「わかった。ここから祈れ。女神の祈りが、我々に味方するはず」
「頼みます、我が友ゼルメイド」
「フム、我だけではないようだ。暗黒竜ボスコーン」
「ゼルメイドか? フン、まぁ良い。事情が事情だ。此度は手を貸す」
「光神竜と暗黒竜。光と闇の、世界を守護する者。お願いします。ディロスガイア! ボスコーンを遣わしてくれてありがとう」
「世界は滅ぼさせない! あの娘のお陰で、世界は変わった。より良く動き始めた」
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