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11.王太子妃 (ほぼ確定) の日常
祖母
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王妃様と談笑している老婦人。
国王陛下のお母様、アリステア王太后様。ゆくゆくは私の義祖母になられるお方です。
「お久しぶりです、アリステア王太后様」
「久しぶりね、リスティア嬢。此度は貴女に会えるのを楽しみに出てきたわ」
「光栄です、王太后様」
「あら? まだ『お祖母様』ではないのですね。そう呼んでも構わないのですよ?」
ふわぁーん!王妃様とダブル攻撃?
王妃様も笑いを堪えてますね? ってお母様も?
「あら? アイラ? 貴女もいらっしゃいな」
「喜んで、妃殿下。王太后様、お久しぶりです」
逃げ道ないのは気のせいでしょうか?頑張れ、私。
でも、いつの間にか私と王太后様とのお話になってました。向こうで王妃様にお母様、ロザリー様にダイアナ様が談笑中。
王太后様の興味も、やっぱり竜語魔法。光神銀竜様の声に導かれて誓約を果たした事。何か新しい力が涌き出てきた事をお話しました。
「そう、本当に『神竜の愛娘』なのですね」
「光神銀竜様のお導き、御慈愛に感謝です」
「そうね、その気持ちを忘れない貴女だからこそ、光神銀竜様の御慈愛があるのでしょう。ともすれば、自分の才能、特別の存在と思いがちになるわ。リスティア嬢、貴女は貴女のままで。そのままの貴女でいて欲しい。うん、今更ね」
そう、微笑まれる王太后様に、私は、本当にお祖母様とお話している気分でした。
…かなり注目を集めてたみたいですけど。
ローラが言うには、
「王太后様が出てこられる事が珍しいですし、お話出来る栄誉たるや。しかも二人っきり。リスティア様の名に、また一つ箔がついたのですわ」
「もとよりリスティア様とお近づきになりたいと思う令嬢や夫人が、あの場は殆どだったのですよ?」
「クラスメイトってだけで付き合えてる私なんか幸運過ぎて! こんな時だとホント思う…思いますの」
シャーロットやサリアまで。
「フフ、サリア?無理に敬語使わなくても、私は私だよ?」
「学内なら兎も角、ここでは下手すれば不敬罪に問われますわ、リスティア様。私とシャーロットが離れない事で、サリアに慣れてもらっているのですよ」
「特にあの方から、ね」
シャーロットの視線の先は…、フィリップ先輩? ルーク様と歓談中ですが…。成る程、先輩とても頭固かったもんなぁ。と、あれ? 先輩がこっちに気付いて? 来る?
「ごきげん麗しゅう、リスティア様。シャーロット嬢やローラ嬢、サリア嬢も」
「そちらこそ、フィリップ様。善き御令嬢がおられましたか?」
「私の見合いの席ではありません、リスティア様」
これだけ選り取り見取の状況で? あれ? サリアを見てる?
「残念ながらラッキーは来ていない。このまま頑張れば、卒業後の騎士叙勲は間違いない。ラッキー家とも家格は合うはずだ」
うわぁ、爆弾発言だ! え~と、マーク=ラッキー先輩だよね? 宰相家の騎士団長の嫡男の。
そうかぁ、うん、頑張れ! サリア!! って、あれ?
「まさか知らなかったのですか? リスティア様」
「ふぇ? ローラ様もシャーロット様もご存知?」
「今更ですが、リスティア様? お幸せ過ぎて周りを見てらっしゃらないのでは?」
「ローラ様? リスティア様は人一倍お忙しい方ですので」
シャーロット? 地味にキツいよ? って、私鈍いの?ヘコむわ、コレ。
「それでは、失礼」
フィリップ先輩は去って行きました。
おっと? ルーク様? 目が合った…、手招き?
「ごめんなさい。ちょっと失礼」
ルーク様の隣へ急ぎます。
「ホント、お忙しい方だ」
「あれは、パルマー商会のパルスト夫人? 王家御用達の貿易商の奥様よね」
「王太子妃に売り込み? 流石はやり手の商人」
ルーク様と歓談されていたパルスト夫人に、お礼を言われました。
「殿下や妃殿下のお蔭で、ヴォルコニアとも貿易出来るようになりました。主人に成り代わり御礼申し上げます」
「これで互いに富み潤います。パルマー商会のお働き、王家も感謝しています」
必殺の微笑み返し! 妃殿下が気になりますが、やってる事は確かに『王太子妃』の立場です。慣れませんが、やるっきゃない!ルーク様の隣に立つのは、そういう事なのですから。
その様子を見て、王太后様が微笑まれていたそうです。
「ルークは本当にいい嫁を貰うわね。魔法の才能を除いても、是非とも妃にしたい娘だわ」
「勿体無い御言葉です、王太后様」
「アイラ、私もそう思うの。王家ですら勿体無いと思える令嬢よ、貴女の娘は」
「ありがとうございます、妃殿下。令嬢らしからぬ価値観を持っていますし、幼少の折りはどうしようかと思った事もありますわ」
「その辺りは、今も変わらない見たいですけど? アイラ様、施薬院は助かりますけど」
「ダイアナ様、でも、それがあの娘ですわ」
「やっぱり残念です。次の宮廷魔術師に、と最初は思っていたのですが」
「ローラ嬢も充分任せられると思いますよ? ロザリー様」
「上には上がいる。しかも手が届かない程上に。ローラの頑張りはわかっているのですけど」
「私達ですら叶わなかった竜語魔法の修得。持って生まれた運命…。世界を変える、導く力」
「それを持ってなお、普通に生きていける強さ。よくぞこの国に生まれてくれた。アイラ、よくぞ産んでくれた。女神様、光神銀竜様とともに貴女にも感謝ね」
「本当に勿体無い御言葉です、王太后様」
お母様や王妃様、王太后様の慈愛を一身に受けて、本当に幸せなのだと、後から聞いて思えたのでした。
国王陛下のお母様、アリステア王太后様。ゆくゆくは私の義祖母になられるお方です。
「お久しぶりです、アリステア王太后様」
「久しぶりね、リスティア嬢。此度は貴女に会えるのを楽しみに出てきたわ」
「光栄です、王太后様」
「あら? まだ『お祖母様』ではないのですね。そう呼んでも構わないのですよ?」
ふわぁーん!王妃様とダブル攻撃?
王妃様も笑いを堪えてますね? ってお母様も?
「あら? アイラ? 貴女もいらっしゃいな」
「喜んで、妃殿下。王太后様、お久しぶりです」
逃げ道ないのは気のせいでしょうか?頑張れ、私。
でも、いつの間にか私と王太后様とのお話になってました。向こうで王妃様にお母様、ロザリー様にダイアナ様が談笑中。
王太后様の興味も、やっぱり竜語魔法。光神銀竜様の声に導かれて誓約を果たした事。何か新しい力が涌き出てきた事をお話しました。
「そう、本当に『神竜の愛娘』なのですね」
「光神銀竜様のお導き、御慈愛に感謝です」
「そうね、その気持ちを忘れない貴女だからこそ、光神銀竜様の御慈愛があるのでしょう。ともすれば、自分の才能、特別の存在と思いがちになるわ。リスティア嬢、貴女は貴女のままで。そのままの貴女でいて欲しい。うん、今更ね」
そう、微笑まれる王太后様に、私は、本当にお祖母様とお話している気分でした。
…かなり注目を集めてたみたいですけど。
ローラが言うには、
「王太后様が出てこられる事が珍しいですし、お話出来る栄誉たるや。しかも二人っきり。リスティア様の名に、また一つ箔がついたのですわ」
「もとよりリスティア様とお近づきになりたいと思う令嬢や夫人が、あの場は殆どだったのですよ?」
「クラスメイトってだけで付き合えてる私なんか幸運過ぎて! こんな時だとホント思う…思いますの」
シャーロットやサリアまで。
「フフ、サリア?無理に敬語使わなくても、私は私だよ?」
「学内なら兎も角、ここでは下手すれば不敬罪に問われますわ、リスティア様。私とシャーロットが離れない事で、サリアに慣れてもらっているのですよ」
「特にあの方から、ね」
シャーロットの視線の先は…、フィリップ先輩? ルーク様と歓談中ですが…。成る程、先輩とても頭固かったもんなぁ。と、あれ? 先輩がこっちに気付いて? 来る?
「ごきげん麗しゅう、リスティア様。シャーロット嬢やローラ嬢、サリア嬢も」
「そちらこそ、フィリップ様。善き御令嬢がおられましたか?」
「私の見合いの席ではありません、リスティア様」
これだけ選り取り見取の状況で? あれ? サリアを見てる?
「残念ながらラッキーは来ていない。このまま頑張れば、卒業後の騎士叙勲は間違いない。ラッキー家とも家格は合うはずだ」
うわぁ、爆弾発言だ! え~と、マーク=ラッキー先輩だよね? 宰相家の騎士団長の嫡男の。
そうかぁ、うん、頑張れ! サリア!! って、あれ?
「まさか知らなかったのですか? リスティア様」
「ふぇ? ローラ様もシャーロット様もご存知?」
「今更ですが、リスティア様? お幸せ過ぎて周りを見てらっしゃらないのでは?」
「ローラ様? リスティア様は人一倍お忙しい方ですので」
シャーロット? 地味にキツいよ? って、私鈍いの?ヘコむわ、コレ。
「それでは、失礼」
フィリップ先輩は去って行きました。
おっと? ルーク様? 目が合った…、手招き?
「ごめんなさい。ちょっと失礼」
ルーク様の隣へ急ぎます。
「ホント、お忙しい方だ」
「あれは、パルマー商会のパルスト夫人? 王家御用達の貿易商の奥様よね」
「王太子妃に売り込み? 流石はやり手の商人」
ルーク様と歓談されていたパルスト夫人に、お礼を言われました。
「殿下や妃殿下のお蔭で、ヴォルコニアとも貿易出来るようになりました。主人に成り代わり御礼申し上げます」
「これで互いに富み潤います。パルマー商会のお働き、王家も感謝しています」
必殺の微笑み返し! 妃殿下が気になりますが、やってる事は確かに『王太子妃』の立場です。慣れませんが、やるっきゃない!ルーク様の隣に立つのは、そういう事なのですから。
その様子を見て、王太后様が微笑まれていたそうです。
「ルークは本当にいい嫁を貰うわね。魔法の才能を除いても、是非とも妃にしたい娘だわ」
「勿体無い御言葉です、王太后様」
「アイラ、私もそう思うの。王家ですら勿体無いと思える令嬢よ、貴女の娘は」
「ありがとうございます、妃殿下。令嬢らしからぬ価値観を持っていますし、幼少の折りはどうしようかと思った事もありますわ」
「その辺りは、今も変わらない見たいですけど? アイラ様、施薬院は助かりますけど」
「ダイアナ様、でも、それがあの娘ですわ」
「やっぱり残念です。次の宮廷魔術師に、と最初は思っていたのですが」
「ローラ嬢も充分任せられると思いますよ? ロザリー様」
「上には上がいる。しかも手が届かない程上に。ローラの頑張りはわかっているのですけど」
「私達ですら叶わなかった竜語魔法の修得。持って生まれた運命…。世界を変える、導く力」
「それを持ってなお、普通に生きていける強さ。よくぞこの国に生まれてくれた。アイラ、よくぞ産んでくれた。女神様、光神銀竜様とともに貴女にも感謝ね」
「本当に勿体無い御言葉です、王太后様」
お母様や王妃様、王太后様の慈愛を一身に受けて、本当に幸せなのだと、後から聞いて思えたのでした。
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