55 / 90
9.神竜伝説の始まり
誓約
しおりを挟む
聞こえてくる声? 誓約?
確か? そう! 竜語魔法は女神様に使える資格を問われる? なら? 私は…資格がありますか?
四年前、学校で。
「誓約? ですか?」
「そうです。竜語魔法はある意味特別です。あの最強生物たるドラゴンの力を魔法として使うわけですから」
神聖魔法を初めて使った後この魔法の話になったんです。
「なので使う者の資質が問われます。女神様に誓い、認められて初めて使えるようになるのが竜語魔法なのです」
魔術の授業。ルーパー先生の講義。
「リスティア嬢、あなたもゆくゆく誓約を唱える機会がくると思いますよ?」
私が? でも?
「お嬢!なら大丈夫‼︎」
「お嬢様、私もカイルと同意見です」
「リスティア様ならお出来になりますわ」
カイル、チェレン、ローラも私に出来るって信じてるみたいです。自信ないなぁ?
お母様もロザリー様にも出来なかった魔法だよ?
誓約自体は簡単な文言。
でも資格の無い者は言えない。最後まで言い切れない。何故か言葉が詰まるらしいです。
だから学問魔法とも言われたりする。呪文も使用魔力もわかってる。教本には載っているし。でも使える者がいない。
伝説上の竜騎将とか使える方の話もある。架空ではなく、ちゃんと実在してたのは確認されているそうです。とは言え数百年使える者がいない魔法です。
「もし使えるようになれば歴史が変わりますわ、リスティア様」
「面白がってない?シャーロット様。ローラも他人事?」
「私達は神聖魔法処か回復魔法も使えませんもの。まだまだ先。っていうか、何時になることやら」
「何度も言いますがお嬢様が規格外なのです。シャーロット様もローラ様も初等部一年としては破格の修得スピードなんですよ?」
「チェレン? いい加減規格外って言うの止めてくれる?」
それにしても誓約を唱える機会…か…。
暗黒竜と対峙しながら、つい思い出してしまっていた。かなり無理してる。圧されてる。でも何とか五歩でこれてる。
…唯決め手がない。ならば、この誓約に掛けてみる。
「我は願い、ここに誓う!今、神竜の審判を仰がん!」
「リスティア? まさか?」
「何だ? 何をする気だ?」
「あれは?まさか?」
「ほう? やってみるか?『神竜の愛娘』よ‼︎」
ルーク様、ロディマス様、ミューク様、そしてダインの見守る中私は誓約を唱えます。
「我、竜の力求める者。今我は、神竜と共にありて、その光、我の心照らす。我は竜と共にありて共に歩む! ならばこそ我は竜の力、具現せし者とならん‼︎」
「言い切った?リスティア!」
「今のってまさか?伝説の⁉︎」
「誓約がなされた! 今、誓約がなされた‼︎」
「フム。 流石は『神竜の愛娘』!」
「誓約はなされた!リスティアよ。今こそ、そなたの体内にある我が半身を解放しよう!」
光神銀竜ゼルメイド様の声。私の体内にゼルメイド様の半身?まさか? 私のステータスが人外なのって?
私の身体から白銀の光が輝き始めました。
「『ゼルメイド』、やはり小娘の中に!」
暗黒竜の怒りの声! 今なら出来る! 戦える!
行っくぞー‼︎
「我、竜の力得たり! 今、御身の姿になりて神竜の力行使せん! 竜変身!『ドラゴン・チェンジ』」
輝きが強くなる!
あれは?神竜の鎧?
銀色に輝く甲冑が、私の胸、腕、腰、脛、脚に装着されていく。
リング型の兜が頭に装着され、そこから竜の角が伸びる。
右手に光神竜剣、左手には神竜の盾が装着される。
背中に白銀に輝く二枚の翼!
光が収まった時、私は神竜の戦士たる姿に変わっていました。
「リスティア!遂に竜語魔法を!」
「あれは?あのお姿は! 竜の姫!伝説の姫戦士? あの『光神竜姫』が降臨された! 皆聞け!今ここに『光神竜姫』様が居られる!我々の元に、だ!我等こそ正義! ダイン!これで貴様の野望、終わったと知れ‼︎」
竜帝国の伝説にある竜の姫戦士。光神銀竜ゼルメイド様の力を具現化した姿。それが今の私!
戦場の平原は意外に王都に近く輝く私の姿は王城からも見えていました。なので王城も大騒ぎだったそうです。
「あれは? あの輝く姿は?」
「竜の姫戦士?」
「報告!リンドガイア王国、王太子が婚約者リスティア=ミリュー公女が竜語魔法を唱え『光神竜姫』のお姿になられました」
「何と?」
窓からシャーロットやセシリア王女もその姿を見ていたそうです。
「リスティア様、やっぱり使えましたわね。今、魔法の歴史が変わりましたわ」
「本当に凄い、素晴らしい娘だわ。リスティア=ミリュー公女」
「暗黒竜『ボスコーン』、あなたの世界に帰ってもらいます!」
光神竜剣を構え、暗黒竜と対峙する私。
「おのれ!『ゼルメイド』‼︎」
神竜の戦いが、始まります。
確か? そう! 竜語魔法は女神様に使える資格を問われる? なら? 私は…資格がありますか?
四年前、学校で。
「誓約? ですか?」
「そうです。竜語魔法はある意味特別です。あの最強生物たるドラゴンの力を魔法として使うわけですから」
神聖魔法を初めて使った後この魔法の話になったんです。
「なので使う者の資質が問われます。女神様に誓い、認められて初めて使えるようになるのが竜語魔法なのです」
魔術の授業。ルーパー先生の講義。
「リスティア嬢、あなたもゆくゆく誓約を唱える機会がくると思いますよ?」
私が? でも?
「お嬢!なら大丈夫‼︎」
「お嬢様、私もカイルと同意見です」
「リスティア様ならお出来になりますわ」
カイル、チェレン、ローラも私に出来るって信じてるみたいです。自信ないなぁ?
お母様もロザリー様にも出来なかった魔法だよ?
誓約自体は簡単な文言。
でも資格の無い者は言えない。最後まで言い切れない。何故か言葉が詰まるらしいです。
だから学問魔法とも言われたりする。呪文も使用魔力もわかってる。教本には載っているし。でも使える者がいない。
伝説上の竜騎将とか使える方の話もある。架空ではなく、ちゃんと実在してたのは確認されているそうです。とは言え数百年使える者がいない魔法です。
「もし使えるようになれば歴史が変わりますわ、リスティア様」
「面白がってない?シャーロット様。ローラも他人事?」
「私達は神聖魔法処か回復魔法も使えませんもの。まだまだ先。っていうか、何時になることやら」
「何度も言いますがお嬢様が規格外なのです。シャーロット様もローラ様も初等部一年としては破格の修得スピードなんですよ?」
「チェレン? いい加減規格外って言うの止めてくれる?」
それにしても誓約を唱える機会…か…。
暗黒竜と対峙しながら、つい思い出してしまっていた。かなり無理してる。圧されてる。でも何とか五歩でこれてる。
…唯決め手がない。ならば、この誓約に掛けてみる。
「我は願い、ここに誓う!今、神竜の審判を仰がん!」
「リスティア? まさか?」
「何だ? 何をする気だ?」
「あれは?まさか?」
「ほう? やってみるか?『神竜の愛娘』よ‼︎」
ルーク様、ロディマス様、ミューク様、そしてダインの見守る中私は誓約を唱えます。
「我、竜の力求める者。今我は、神竜と共にありて、その光、我の心照らす。我は竜と共にありて共に歩む! ならばこそ我は竜の力、具現せし者とならん‼︎」
「言い切った?リスティア!」
「今のってまさか?伝説の⁉︎」
「誓約がなされた! 今、誓約がなされた‼︎」
「フム。 流石は『神竜の愛娘』!」
「誓約はなされた!リスティアよ。今こそ、そなたの体内にある我が半身を解放しよう!」
光神銀竜ゼルメイド様の声。私の体内にゼルメイド様の半身?まさか? 私のステータスが人外なのって?
私の身体から白銀の光が輝き始めました。
「『ゼルメイド』、やはり小娘の中に!」
暗黒竜の怒りの声! 今なら出来る! 戦える!
行っくぞー‼︎
「我、竜の力得たり! 今、御身の姿になりて神竜の力行使せん! 竜変身!『ドラゴン・チェンジ』」
輝きが強くなる!
あれは?神竜の鎧?
銀色に輝く甲冑が、私の胸、腕、腰、脛、脚に装着されていく。
リング型の兜が頭に装着され、そこから竜の角が伸びる。
右手に光神竜剣、左手には神竜の盾が装着される。
背中に白銀に輝く二枚の翼!
光が収まった時、私は神竜の戦士たる姿に変わっていました。
「リスティア!遂に竜語魔法を!」
「あれは?あのお姿は! 竜の姫!伝説の姫戦士? あの『光神竜姫』が降臨された! 皆聞け!今ここに『光神竜姫』様が居られる!我々の元に、だ!我等こそ正義! ダイン!これで貴様の野望、終わったと知れ‼︎」
竜帝国の伝説にある竜の姫戦士。光神銀竜ゼルメイド様の力を具現化した姿。それが今の私!
戦場の平原は意外に王都に近く輝く私の姿は王城からも見えていました。なので王城も大騒ぎだったそうです。
「あれは? あの輝く姿は?」
「竜の姫戦士?」
「報告!リンドガイア王国、王太子が婚約者リスティア=ミリュー公女が竜語魔法を唱え『光神竜姫』のお姿になられました」
「何と?」
窓からシャーロットやセシリア王女もその姿を見ていたそうです。
「リスティア様、やっぱり使えましたわね。今、魔法の歴史が変わりましたわ」
「本当に凄い、素晴らしい娘だわ。リスティア=ミリュー公女」
「暗黒竜『ボスコーン』、あなたの世界に帰ってもらいます!」
光神竜剣を構え、暗黒竜と対峙する私。
「おのれ!『ゼルメイド』‼︎」
神竜の戦いが、始まります。
0
お気に入りに追加
1,896
あなたにおすすめの小説
【完結】よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
無関係だった私があなたの子どもを生んだ訳
キムラましゅろう
恋愛
わたし、ハノン=ルーセル(22)は術式を基に魔法で薬を
精製する魔法薬剤師。
地方都市ハイレンで西方騎士団の専属薬剤師として勤めている。
そんなわたしには命よりも大切な一人息子のルシアン(3)がいた。
そしてわたしはシングルマザーだ。
ルシアンの父親はたった一夜の思い出にと抱かれた相手、
フェリックス=ワイズ(23)。
彼は何を隠そうわたしの命の恩人だった。侯爵家の次男であり、
栄誉ある近衛騎士でもある彼には2人の婚約者候補がいた。
わたし?わたしはもちろん全くの無関係な部外者。
そんなわたしがなぜ彼の子を密かに生んだのか……それは絶対に
知られてはいけないわたしだけの秘密なのだ。
向こうはわたしの事なんて知らないし、あの夜の事だって覚えているのかもわからない。だからこのまま息子と二人、
穏やかに暮らしていけると思ったのに……!?
いつもながらの完全ご都合主義、
完全ノーリアリティーのお話です。
性描写はありませんがそれを匂わすワードは出てきます。
苦手な方はご注意ください。
小説家になろうさんの方でも同時に投稿します。
私が産まれる前に消えた父親が、隣国の皇帝陛下だなんて聞いてない
丙 あかり
ファンタジー
ハミルトン侯爵家のアリスはレノワール王国でも有数の優秀な魔法士で、王立学園卒業後には婚約者である王太子との結婚が決まっていた。
しかし、王立学園の卒業記念パーティーの日、アリスは王太子から婚約破棄を言い渡される。
王太子が寵愛する伯爵令嬢にアリスが嫌がらせをし、さらに魔法士としては禁忌である『魔法を使用した通貨偽造』という理由で。
身に覚えがないと言うアリスの言葉に王太子は耳を貸さず、国外追放を言い渡す。
翌日、アリスは実父を頼って隣国・グランディエ帝国へ出発。
パーティーでアリスを助けてくれた帝国の貴族・エリックも何故か同行することに。
祖父のハミルトン侯爵は爵位を返上して王都から姿を消した。
アリスを追い出せたと喜ぶ王太子だが、激怒した国王に吹っ飛ばされた。
「この馬鹿息子が!お前は帝国を敵にまわすつもりか!!」
一方、帝国で仰々しく迎えられて困惑するアリスは告げられるのだった。
「さあ、貴女のお父君ーー皇帝陛下のもとへお連れ致しますよ、お姫様」と。
******
週3日更新です。
私と離婚して、貴方が王太子のままでいれるとでも?
光子
恋愛
「お前なんかと結婚したことが俺様の人生の最大の汚点だ!」
――それはこちらの台詞ですけど?
グレゴリー国の第一王子であり、現王太子であるアシュレイ殿下。そんなお方が、私の夫。そして私は彼の妻で王太子妃。
アシュレイ殿下の母君……第一王妃様に頼み込まれ、この男と結婚して丁度一年目の結婚記念日。まさかこんな仕打ちを受けるとは思っていませんでした。
「クイナが俺様の子を妊娠したんだ。しかも、男の子だ!グレゴリー王家の跡継ぎを宿したんだ!これでお前は用なしだ!さっさとこの王城から出て行け!」
夫の隣には、見知らぬ若い女の姿。
舐めてんの?誰のおかげで王太子になれたか分かっていないのね。
追い出せるものなら追い出してみれば?
国の頭脳、国を支えている支柱である私を追い出せるものなら――どうぞお好きになさって下さい。
どんな手を使っても……貴方なんかを王太子のままにはいさせませんよ。
不定期更新。
この作品は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる