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9.神竜伝説の始まり
竜将
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王都の港で私達は『使徒モルド』と対決しました。
ですが私達は敗れ港の崩壊を招き、レベッカとドウンを喪ってしまったのです。
そしてモルドは暗黒竜『ボスコーン』とともに騎竜軍団と合流すべく去って行ったのでした。
「ルーク様」
「あぁ、モルドを追う!皆大丈夫か?」
「何とか。リスティア様の『シールド』のお蔭です。ありがとうございます」
良かった。後、治療もします。
「私の仲間の傷を癒してください!『エブリイ・ヒール』」
回復魔法Lv6。完治とまではいかなくても傷と体力をほぼ癒す呪文。
「流石は聖女様。助かります!」
「本当に百人力です!」
騎士全体の士気も高い。何とか頑張るしかない。
レベッカ、ドウン!見ていてください!
港から王城へ戻ります。状況の確認。
ヴォルコニアの追討軍が到着したそうです。騎竜軍団の足並みが止まりました。
指揮を執るのは竜帝国皇太子ミューク=ヴォルコニア様。
「皇太子が?」
ルーク様の声。穏健派のトップが皇太子と聞いて、ちょっとびっくりです。
「あぁ。ミュークとは何度も語り合った。遅くとも俺達の代には両国は和平を結べると」
ロディマス王太子も悔しそう。
「成る程。その焦りをモルドにつけこまれたんだ。『ドラゴン・マスター』ダインは好戦派の急先鋒。大陸処か世界を攻め落とすのが持論だ」
「そんな人が? どうして? 力のある方が力に頼ってはいけないのに」
「力に溺れる。呑み込まれる。陥り易いんだ。だからこそ私は君の事を強いと思うし、誇りに思うよ、リスティア」
そんな? 私は唯みんなの、ルーク様のお役に立ちたいだけですから。
「よし、行こう!」
ルーク様の意思は固くロディマス様も遂に折れました。
リンドガイア王太子の参戦。その意味は大きく、一歩間違えば世界大戦です。それでもなお参戦表明の手をルーク様は取りました。
「我々の敵はあくまでも『使徒モルド』だ!それを内外に発信する。ヴォルコニアも罠に嵌められた事、サーモンドではなくリンドガイアが主張する事に意義がある」
ルーク様は実践しました。
騎竜軍団に暗黒竜が合流した事。
ヴォルコニアからの討伐軍が来た事による均衡をすぐに破りました。
一方的な虐殺になってしまったのです。
「くっ!ダイン? 本当に世界を敵にまわすつもりか?ヴォルコニアを悪鬼羅刹の国家とするのか?」
「世界を一つにまとめるだけだ!我々にはその力がある‼︎」
「かっての英雄も地に堕ちたか」
「貴様が軟弱なだけだ!それでも竜帝国の皇太子か?」
空中、飛竜の上でダインとミューク皇太子が怒鳴りあってます。そこに私達も合流しました。
「ミューク!」
「ロディマス?来たのか? と、そっちは?」
「ルーク=リンドガイア。私がここにいる意味、わかって欲しいですね、『ドラゴン・マスター』ダイン」
「リンドガイアの王太子? ダイン! もう世界の公敵になったな!竜帝国の皇太子としてお前を断罪する!」
「どのみち世界を我手に落とすのだ!次は中央大陸だな‼︎」
目付きが本気?
「ルーク様、あの方が『言の葉』に落ちているとは思えません。多分、敢えて載っています」
「尚悪いな、それ。って?リスティア?」
「私、話してきます!」
『フライト』一直線にダインの元へ。
ダインとミューク皇太子の間に割り込みます。
「な、なんだ?」
「ほう? 察するに『神竜の愛娘』かな?」
「はい、はじめまして。リスティア=ミリューです」
やっぱり強い意思の輝く瞳。決意の表れ。まさか?
「我が意を呑んだようだな?ミリュー公女。ならばもはや話は不要! 私を止めてみよ!『神竜の愛娘』よ‼︎」
ダイン? 確かに、もう無理。でも…。
一旦、ルーク様の所に戻ります。
「話にならなかった…か?」
「はい」
「おいおい?あんな無茶は咎めないのか?幾らなんでも?」
ロディマス様がびっくりされてます。
「何せドラゴンとタイマン張ってるし? 我が国最強の魔法使いなんだよ?」
あれ? ルーク様?
「もしかして匙投げてます?」
「君を信じて見守ってるのさ」
ず、ズルイ! 赤くなるじゃないですか?
「ダインもだが暗黒竜が厄介だな? どっちに主力をまわす?」
「暗黒竜を抑えます。ダインに主力を!」
え? 私、おかしな事言ってます?
「ルーク?」
「時間稼ぎか?どれくらい抑えられる?」
「数時間は。でも」
「ダインを下げられるか? 取り敢えず今日をもたせるか?向こうも短期決戦を望んでいるはずだ」
やっぱりロディマス様がびっくりされてます。
「暗黒竜を数時間抑えられる? マジで?」
「『ホーリー』使える私は暗黒竜が無視できない存在です。モルドが指示してるようにも見えませんし」
「暗黒竜が本能で向かってくる? 確かに神聖魔法の使い手は天敵と言っていい」
「いきます」
再び『フライト』で、暗黒竜の前に。
「『ゼルメイド』! 再び我の邪魔をするか?」
暗黒竜の声? この呼び掛けのせいで、私が光神銀竜様の加護を得ている事、皆に伝わったみたいです。
「『神竜の愛娘』、あれが?」
「消えろ!『ゼルメイド』、グァアアア!」
暗黒竜の雷撃?それくらいなら!
「『リフレクト・シールド』早々負けませんよ?」
雷撃を受け止め跳ね返します。次はこっち!
「『ホーリー』、あなたにはこれが効くはず!」
暗黒竜は自分の雷撃を喰らった後、弱点属性の『ホーリー』を受ける!
ギャアアアア!
初めてと言っていい暗黒竜の苦痛の叫び声!
「本当に暗黒竜と互角なのか?」
「流石は『神竜の愛娘』。なんという神々しいお姿」
見守るルーク様。
「でも無茶するなよ、リスティア」
「いや、あれ充分無茶だろ?」
本陣で唯驚くロディマス様。
やっぱり、流石は暗黒竜。実は互角じゃありません。こっちはかなり無理してます。
でも? なんでしょう?声?
「誓約を唱えよ! リスティア=ミリュー」
私を導く声。光神銀竜ゼルメイド様?
ですが私達は敗れ港の崩壊を招き、レベッカとドウンを喪ってしまったのです。
そしてモルドは暗黒竜『ボスコーン』とともに騎竜軍団と合流すべく去って行ったのでした。
「ルーク様」
「あぁ、モルドを追う!皆大丈夫か?」
「何とか。リスティア様の『シールド』のお蔭です。ありがとうございます」
良かった。後、治療もします。
「私の仲間の傷を癒してください!『エブリイ・ヒール』」
回復魔法Lv6。完治とまではいかなくても傷と体力をほぼ癒す呪文。
「流石は聖女様。助かります!」
「本当に百人力です!」
騎士全体の士気も高い。何とか頑張るしかない。
レベッカ、ドウン!見ていてください!
港から王城へ戻ります。状況の確認。
ヴォルコニアの追討軍が到着したそうです。騎竜軍団の足並みが止まりました。
指揮を執るのは竜帝国皇太子ミューク=ヴォルコニア様。
「皇太子が?」
ルーク様の声。穏健派のトップが皇太子と聞いて、ちょっとびっくりです。
「あぁ。ミュークとは何度も語り合った。遅くとも俺達の代には両国は和平を結べると」
ロディマス王太子も悔しそう。
「成る程。その焦りをモルドにつけこまれたんだ。『ドラゴン・マスター』ダインは好戦派の急先鋒。大陸処か世界を攻め落とすのが持論だ」
「そんな人が? どうして? 力のある方が力に頼ってはいけないのに」
「力に溺れる。呑み込まれる。陥り易いんだ。だからこそ私は君の事を強いと思うし、誇りに思うよ、リスティア」
そんな? 私は唯みんなの、ルーク様のお役に立ちたいだけですから。
「よし、行こう!」
ルーク様の意思は固くロディマス様も遂に折れました。
リンドガイア王太子の参戦。その意味は大きく、一歩間違えば世界大戦です。それでもなお参戦表明の手をルーク様は取りました。
「我々の敵はあくまでも『使徒モルド』だ!それを内外に発信する。ヴォルコニアも罠に嵌められた事、サーモンドではなくリンドガイアが主張する事に意義がある」
ルーク様は実践しました。
騎竜軍団に暗黒竜が合流した事。
ヴォルコニアからの討伐軍が来た事による均衡をすぐに破りました。
一方的な虐殺になってしまったのです。
「くっ!ダイン? 本当に世界を敵にまわすつもりか?ヴォルコニアを悪鬼羅刹の国家とするのか?」
「世界を一つにまとめるだけだ!我々にはその力がある‼︎」
「かっての英雄も地に堕ちたか」
「貴様が軟弱なだけだ!それでも竜帝国の皇太子か?」
空中、飛竜の上でダインとミューク皇太子が怒鳴りあってます。そこに私達も合流しました。
「ミューク!」
「ロディマス?来たのか? と、そっちは?」
「ルーク=リンドガイア。私がここにいる意味、わかって欲しいですね、『ドラゴン・マスター』ダイン」
「リンドガイアの王太子? ダイン! もう世界の公敵になったな!竜帝国の皇太子としてお前を断罪する!」
「どのみち世界を我手に落とすのだ!次は中央大陸だな‼︎」
目付きが本気?
「ルーク様、あの方が『言の葉』に落ちているとは思えません。多分、敢えて載っています」
「尚悪いな、それ。って?リスティア?」
「私、話してきます!」
『フライト』一直線にダインの元へ。
ダインとミューク皇太子の間に割り込みます。
「な、なんだ?」
「ほう? 察するに『神竜の愛娘』かな?」
「はい、はじめまして。リスティア=ミリューです」
やっぱり強い意思の輝く瞳。決意の表れ。まさか?
「我が意を呑んだようだな?ミリュー公女。ならばもはや話は不要! 私を止めてみよ!『神竜の愛娘』よ‼︎」
ダイン? 確かに、もう無理。でも…。
一旦、ルーク様の所に戻ります。
「話にならなかった…か?」
「はい」
「おいおい?あんな無茶は咎めないのか?幾らなんでも?」
ロディマス様がびっくりされてます。
「何せドラゴンとタイマン張ってるし? 我が国最強の魔法使いなんだよ?」
あれ? ルーク様?
「もしかして匙投げてます?」
「君を信じて見守ってるのさ」
ず、ズルイ! 赤くなるじゃないですか?
「ダインもだが暗黒竜が厄介だな? どっちに主力をまわす?」
「暗黒竜を抑えます。ダインに主力を!」
え? 私、おかしな事言ってます?
「ルーク?」
「時間稼ぎか?どれくらい抑えられる?」
「数時間は。でも」
「ダインを下げられるか? 取り敢えず今日をもたせるか?向こうも短期決戦を望んでいるはずだ」
やっぱりロディマス様がびっくりされてます。
「暗黒竜を数時間抑えられる? マジで?」
「『ホーリー』使える私は暗黒竜が無視できない存在です。モルドが指示してるようにも見えませんし」
「暗黒竜が本能で向かってくる? 確かに神聖魔法の使い手は天敵と言っていい」
「いきます」
再び『フライト』で、暗黒竜の前に。
「『ゼルメイド』! 再び我の邪魔をするか?」
暗黒竜の声? この呼び掛けのせいで、私が光神銀竜様の加護を得ている事、皆に伝わったみたいです。
「『神竜の愛娘』、あれが?」
「消えろ!『ゼルメイド』、グァアアア!」
暗黒竜の雷撃?それくらいなら!
「『リフレクト・シールド』早々負けませんよ?」
雷撃を受け止め跳ね返します。次はこっち!
「『ホーリー』、あなたにはこれが効くはず!」
暗黒竜は自分の雷撃を喰らった後、弱点属性の『ホーリー』を受ける!
ギャアアアア!
初めてと言っていい暗黒竜の苦痛の叫び声!
「本当に暗黒竜と互角なのか?」
「流石は『神竜の愛娘』。なんという神々しいお姿」
見守るルーク様。
「でも無茶するなよ、リスティア」
「いや、あれ充分無茶だろ?」
本陣で唯驚くロディマス様。
やっぱり、流石は暗黒竜。実は互角じゃありません。こっちはかなり無理してます。
でも? なんでしょう?声?
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