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5.白き聖女の伝説
薬師
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王都。
東の外れ。もう少し馬車で走るとミリュー公爵領という場所。ここに薬師のエリック=ブライスという方がいます。薬草や薬の売買をしていて公爵家も取引してる相手です。
王立施薬院ダイアナ院長と私は、エリックさんに王立学校薬師科の講師をお願いしようとやって来ました。あ、あの家です。
「こんにちはー」
うん!薬草の匂い!苦そうだったり独特の匂いです。
「はい?何の薬をお探しですか?」
「薬師のエリックさんですか?」
現れたのは、まだ若い黄緑色の髪の毛の青年。一見笑顔に見える糸目。よく見ると青い目の穏やかな雰囲気の人。
「はい?エリックは私ですが、お嬢ちゃん?」
「私、リスティア=ミリューと言います。あ、あの、お願いがあってきました」
「え?り…、は?聖女様?」
びっくりされているけど、その呼び名、ちょっと抵抗あります。
「そうですよ。後、私、王立施薬院のダイアナ=レインと言います」
「王立?あぁ、薬師の学校を造るという王立発表の件ですか?うん!やはり私は勉強不足と言うことですかね。学校ができたら学ぶ機会もあるし」
「いえ、あの!エリックさんに講師をお願いしようと思ってきました」
何か勘違いされてる気がするので直球勝負です。
「は?こ?講師?私がですか?」
「はい!母アイラもエリックさんを推薦してます。あの!みんなが幸せになるのを手伝ってもらえないでしょうか?」
必殺!少女のうるうる攻撃!!
「は、はい。教える程の知識があるか全く自信はないのですけど」
「ありがとうございます。よろしくお願いします!」
やったー!うるうる効いた! 多分。
自分でお願いしといて何ですけど新年度まで以外に時間がありません。夏期休暇、ひたすら奉仕&医療実習やってたし。
冬の学習発表会も近いのでそのまとめもあります。私、医療実習の発表と剣術大会に出るつもり。優勝候補のカイルにどこまで挑めるか?
こないだ新入生になった気がするのに、もうすぐ十月です。速いなー!でも夢がひとつひとつ叶っていってる気がして、何か毎日充実してます。
帰り道ダイアナ院長とそんな話してた時でした。
「そうそう、あなたも講師候補なのよ、リスティア嬢。みんなが幸せになる為よろしくね」
は?私!?ちょ?は?
「どうしても魔法医療がメインだから、施薬院も教会も薬草・薬学詳しい人がいなくてね」
「私、学生?来年度、まだ二年生ですけど」
「すでに教会はもちろん施薬院スタッフよりあなたの方が物識りなのよ、リスティア嬢。お願いできる?」
「え?でも、あの?」
「よし!試しに今度やってみましょう」
試しにって、私、講義するの?
学校の先生方も乗り気になって講義枠の一コマ使い全体特別講義することになってしまいました。
単位に関係なく誰でも受けられる特別講義。薬師だし、数人位のモノならと思ってたのですけど、何故か凄い受講者数になって大講堂ですることになりました。
何故? 解せぬ。
で、当日。学生だけでなく施薬院のスタッフにダイアナ院長、先生方までいるのは何故?
学生も初等科だけじゃないよね?って、お兄様もいるけど?
ひょっとして来年度からコレやれ、と?マジで?
しょうがない、 うん!よし!やるぞ!!
「みなさん!こんにちは~!初等科一年のリスティア=ミリューです。今日は私が知ってる、薬草の事、色々お話できたらと思っています。よろしくお願いします」
うおー!大歓声です。
あ、落ち着いてきたかな?
「まずはポピュラーなところから。割りと身近な物として、毒消しのアルモンの実、体力回復のグロンの実、熱冷ましのタイフィ草があります。キャンプに限らずちょっとした山歩きとかでも常備する人多いと思います」
うん!頷いてる。この辺馴染みあるよね。
「虫や蛇、魔物や魔法の毒にも使えるアルモンの実ですが、ただ毒消しだけではなく強い消毒効果があります。キズを洗う時、綺麗な水がないときには、この実を磨り潰した果汁で洗えば殺菌消毒出来ます」
おおー!
あ、何か、凄い反応。
「但しめちゃめちゃ凍みます。カイルが我慢出来ずに飛び跳ねる位です」
ワーッハハハハハハ!
あ、受けた!
「また熱冷ましのタイフィ草は湿布に使えます。この解熱作用は打撲傷の腫れに対しても良く効くんです」
カイルの治療や子供達のお世話等の奉仕活動でやってきた事、実例挙げての薬草の使い方、上手くお話出来たと思う。
「これで終わりたいと思います。今日はありがとうございました」
ワァ~!凄い大歓声!
「知らなかった!勉強になった!」
「リスティア様!凄いです!」
うん!上手くいったかな?ホッとして控室に戻るとダイアナ院長や施薬院スタッフ、薬学の先生が来ていて私の話を大絶賛されました。
「リスティア嬢、本当に良く知ってるわ。しかも話が上手!」
ダイアナ院長、褒めすぎです。
「自信ついた?来年度からよろしくお願いね」
え?それは、ちょっと考えさせてほしいです。
そんなこんなで大にぎわいになった特別講義。施薬院スタッフ等部外者がいたため、校内に紛れ込まれても誰も気付がつかなかったのです。
「レムオン=ミリュー公子、ですね」
「君は? もしかして、噂の死霊魔法使いかな?」
「くくく、けけけけけけけけけけ!聖女の兄君も、なかなか賢いようですね」
東の外れ。もう少し馬車で走るとミリュー公爵領という場所。ここに薬師のエリック=ブライスという方がいます。薬草や薬の売買をしていて公爵家も取引してる相手です。
王立施薬院ダイアナ院長と私は、エリックさんに王立学校薬師科の講師をお願いしようとやって来ました。あ、あの家です。
「こんにちはー」
うん!薬草の匂い!苦そうだったり独特の匂いです。
「はい?何の薬をお探しですか?」
「薬師のエリックさんですか?」
現れたのは、まだ若い黄緑色の髪の毛の青年。一見笑顔に見える糸目。よく見ると青い目の穏やかな雰囲気の人。
「はい?エリックは私ですが、お嬢ちゃん?」
「私、リスティア=ミリューと言います。あ、あの、お願いがあってきました」
「え?り…、は?聖女様?」
びっくりされているけど、その呼び名、ちょっと抵抗あります。
「そうですよ。後、私、王立施薬院のダイアナ=レインと言います」
「王立?あぁ、薬師の学校を造るという王立発表の件ですか?うん!やはり私は勉強不足と言うことですかね。学校ができたら学ぶ機会もあるし」
「いえ、あの!エリックさんに講師をお願いしようと思ってきました」
何か勘違いされてる気がするので直球勝負です。
「は?こ?講師?私がですか?」
「はい!母アイラもエリックさんを推薦してます。あの!みんなが幸せになるのを手伝ってもらえないでしょうか?」
必殺!少女のうるうる攻撃!!
「は、はい。教える程の知識があるか全く自信はないのですけど」
「ありがとうございます。よろしくお願いします!」
やったー!うるうる効いた! 多分。
自分でお願いしといて何ですけど新年度まで以外に時間がありません。夏期休暇、ひたすら奉仕&医療実習やってたし。
冬の学習発表会も近いのでそのまとめもあります。私、医療実習の発表と剣術大会に出るつもり。優勝候補のカイルにどこまで挑めるか?
こないだ新入生になった気がするのに、もうすぐ十月です。速いなー!でも夢がひとつひとつ叶っていってる気がして、何か毎日充実してます。
帰り道ダイアナ院長とそんな話してた時でした。
「そうそう、あなたも講師候補なのよ、リスティア嬢。みんなが幸せになる為よろしくね」
は?私!?ちょ?は?
「どうしても魔法医療がメインだから、施薬院も教会も薬草・薬学詳しい人がいなくてね」
「私、学生?来年度、まだ二年生ですけど」
「すでに教会はもちろん施薬院スタッフよりあなたの方が物識りなのよ、リスティア嬢。お願いできる?」
「え?でも、あの?」
「よし!試しに今度やってみましょう」
試しにって、私、講義するの?
学校の先生方も乗り気になって講義枠の一コマ使い全体特別講義することになってしまいました。
単位に関係なく誰でも受けられる特別講義。薬師だし、数人位のモノならと思ってたのですけど、何故か凄い受講者数になって大講堂ですることになりました。
何故? 解せぬ。
で、当日。学生だけでなく施薬院のスタッフにダイアナ院長、先生方までいるのは何故?
学生も初等科だけじゃないよね?って、お兄様もいるけど?
ひょっとして来年度からコレやれ、と?マジで?
しょうがない、 うん!よし!やるぞ!!
「みなさん!こんにちは~!初等科一年のリスティア=ミリューです。今日は私が知ってる、薬草の事、色々お話できたらと思っています。よろしくお願いします」
うおー!大歓声です。
あ、落ち着いてきたかな?
「まずはポピュラーなところから。割りと身近な物として、毒消しのアルモンの実、体力回復のグロンの実、熱冷ましのタイフィ草があります。キャンプに限らずちょっとした山歩きとかでも常備する人多いと思います」
うん!頷いてる。この辺馴染みあるよね。
「虫や蛇、魔物や魔法の毒にも使えるアルモンの実ですが、ただ毒消しだけではなく強い消毒効果があります。キズを洗う時、綺麗な水がないときには、この実を磨り潰した果汁で洗えば殺菌消毒出来ます」
おおー!
あ、何か、凄い反応。
「但しめちゃめちゃ凍みます。カイルが我慢出来ずに飛び跳ねる位です」
ワーッハハハハハハ!
あ、受けた!
「また熱冷ましのタイフィ草は湿布に使えます。この解熱作用は打撲傷の腫れに対しても良く効くんです」
カイルの治療や子供達のお世話等の奉仕活動でやってきた事、実例挙げての薬草の使い方、上手くお話出来たと思う。
「これで終わりたいと思います。今日はありがとうございました」
ワァ~!凄い大歓声!
「知らなかった!勉強になった!」
「リスティア様!凄いです!」
うん!上手くいったかな?ホッとして控室に戻るとダイアナ院長や施薬院スタッフ、薬学の先生が来ていて私の話を大絶賛されました。
「リスティア嬢、本当に良く知ってるわ。しかも話が上手!」
ダイアナ院長、褒めすぎです。
「自信ついた?来年度からよろしくお願いね」
え?それは、ちょっと考えさせてほしいです。
そんなこんなで大にぎわいになった特別講義。施薬院スタッフ等部外者がいたため、校内に紛れ込まれても誰も気付がつかなかったのです。
「レムオン=ミリュー公子、ですね」
「君は? もしかして、噂の死霊魔法使いかな?」
「くくく、けけけけけけけけけけ!聖女の兄君も、なかなか賢いようですね」
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