25 / 90
5.白き聖女の伝説
報奨
しおりを挟む
王都の外れ、ゾリム共同墓地。
さっきまで、ここに死霊兵士アンデッド・ウォーリアが暴れていました。
一か八かで唱えた神聖魔法。発動して本当に良かった。みんなを守ることができた。
ホッとして座り込んだ私を、駆け付けてきた近衛騎士団や高位司祭と一緒にやって来たお父様が抱きしめてくれました。
「大丈夫か!リスティア?カイル!チェレン!お前達も怪我はないか?」
「大丈夫です。お館様」
「お嬢様のお陰です」
カイルとチェレンが、お父様に臣下の礼を取り報告しました。
「ミリュー公爵。リスティア嬢のお陰で皆無事だ。例のローブの男は取り逃がしたがアンデッド共を墓地から出さずに退治できた。ご息女の尽力に王太子として感謝する!ありがとう!!」
「もったいないお言葉です、王太子殿下。また殿下自ら救援に赴いて頂き本当にありがとうございます」
殿下とマゼールさんが来てくれなかったら、とてもアンデッドを止められませんでした。本当に感謝です。
その間にも、司祭が大地の浄化を行っています。
「あの『ターン』ですべて浄化出来ていると思うのですが念の為。それにしてもそのお歳で神聖魔法を使えるとは。流石は『聖女』の名高いリスティア嬢。本当に大したものです」
「いえ、女神様の加護に感謝です」
「お姉ちゃん!」
あ、クレアちゃん!幼女が私の胸に飛び込んできました。しっかり抱き止めます。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
「うん!無事で良かった」
この幼女を抱きしめる私の姿が、まさに聖女!と翌日の王宮発表に絵姿入りで出てしまうなんて、その時は夢にも思いませんでした。
「それにしても一歩間違うと王都が大混乱になるところだった。この子が行方不明になったこと、ここにリスティア嬢が来ていた事が多分あの黒いローブの男の誤算だったろうね」
「ですね、殿下。でもリスティア様が気になる、そう言って駆け出した殿下の顔は忘れられないと思います」
「な、マゼール?」
?殿下が何か言ってる?え?私を見て?え?何?
翌日。王宮発表で夜中大変な事件があり、王立学校の生徒により解決した事が発表されました。しかも絵姿入りで。お陰でまた聖女伝説が広まってしまいました。
で、王宮にて国王陛下に謁見、報奨を賜る事になってしまったのです。
王都はもちろん王立学校でも大騒ぎです。
そして私が神聖魔法を使った事に話題が集中してしまったのです。
「リスティア様、神聖魔法を使われたって」
「無我夢中で一か八か!成功するように女神様にお願いしたら…」
あれ?ローラ?
「一か八かって、普通初等科位の者が使える魔法ではないのですよ?」
え?すごい呆れてない?
「呆れるしかネェもン!お嬢!のやること」
「やる気になって実際やれてしまうのがお嬢様の『規格外』な所以です。そもそも神聖魔法と言うのは…」
「もう、竜語魔法を使えても驚きませんわ」
チェレンの話遮ってローラが溜息をつく。
いや、私もそこまではできないと思うよ。
それより来週頭の陛下との謁見!
産まれた時に抱っこはされたらしいけど、そんなの会った内じゃないです、お母様!
しかも報奨の中身がまた七歳児に与えてどうすんだ?っていうのが聴こえてきてたりして。
同じクラスのルーク王太子殿下は、何か顔を赤くして今日は話が出来ません。どうしたの?
マゼールさんは苦笑してるし?あれ?マゼールさん?何か知ってますね?
殿下が席を外した隙にマゼールさん、こっそり教えてくれたのですけど…。
「報奨って言うか、実は殿下とリスティア様の婚約の話が出ているのです」
フ~ン? !は?え?い、今何て?
殿下と婚約???
さっきまで、ここに死霊兵士アンデッド・ウォーリアが暴れていました。
一か八かで唱えた神聖魔法。発動して本当に良かった。みんなを守ることができた。
ホッとして座り込んだ私を、駆け付けてきた近衛騎士団や高位司祭と一緒にやって来たお父様が抱きしめてくれました。
「大丈夫か!リスティア?カイル!チェレン!お前達も怪我はないか?」
「大丈夫です。お館様」
「お嬢様のお陰です」
カイルとチェレンが、お父様に臣下の礼を取り報告しました。
「ミリュー公爵。リスティア嬢のお陰で皆無事だ。例のローブの男は取り逃がしたがアンデッド共を墓地から出さずに退治できた。ご息女の尽力に王太子として感謝する!ありがとう!!」
「もったいないお言葉です、王太子殿下。また殿下自ら救援に赴いて頂き本当にありがとうございます」
殿下とマゼールさんが来てくれなかったら、とてもアンデッドを止められませんでした。本当に感謝です。
その間にも、司祭が大地の浄化を行っています。
「あの『ターン』ですべて浄化出来ていると思うのですが念の為。それにしてもそのお歳で神聖魔法を使えるとは。流石は『聖女』の名高いリスティア嬢。本当に大したものです」
「いえ、女神様の加護に感謝です」
「お姉ちゃん!」
あ、クレアちゃん!幼女が私の胸に飛び込んできました。しっかり抱き止めます。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
「うん!無事で良かった」
この幼女を抱きしめる私の姿が、まさに聖女!と翌日の王宮発表に絵姿入りで出てしまうなんて、その時は夢にも思いませんでした。
「それにしても一歩間違うと王都が大混乱になるところだった。この子が行方不明になったこと、ここにリスティア嬢が来ていた事が多分あの黒いローブの男の誤算だったろうね」
「ですね、殿下。でもリスティア様が気になる、そう言って駆け出した殿下の顔は忘れられないと思います」
「な、マゼール?」
?殿下が何か言ってる?え?私を見て?え?何?
翌日。王宮発表で夜中大変な事件があり、王立学校の生徒により解決した事が発表されました。しかも絵姿入りで。お陰でまた聖女伝説が広まってしまいました。
で、王宮にて国王陛下に謁見、報奨を賜る事になってしまったのです。
王都はもちろん王立学校でも大騒ぎです。
そして私が神聖魔法を使った事に話題が集中してしまったのです。
「リスティア様、神聖魔法を使われたって」
「無我夢中で一か八か!成功するように女神様にお願いしたら…」
あれ?ローラ?
「一か八かって、普通初等科位の者が使える魔法ではないのですよ?」
え?すごい呆れてない?
「呆れるしかネェもン!お嬢!のやること」
「やる気になって実際やれてしまうのがお嬢様の『規格外』な所以です。そもそも神聖魔法と言うのは…」
「もう、竜語魔法を使えても驚きませんわ」
チェレンの話遮ってローラが溜息をつく。
いや、私もそこまではできないと思うよ。
それより来週頭の陛下との謁見!
産まれた時に抱っこはされたらしいけど、そんなの会った内じゃないです、お母様!
しかも報奨の中身がまた七歳児に与えてどうすんだ?っていうのが聴こえてきてたりして。
同じクラスのルーク王太子殿下は、何か顔を赤くして今日は話が出来ません。どうしたの?
マゼールさんは苦笑してるし?あれ?マゼールさん?何か知ってますね?
殿下が席を外した隙にマゼールさん、こっそり教えてくれたのですけど…。
「報奨って言うか、実は殿下とリスティア様の婚約の話が出ているのです」
フ~ン? !は?え?い、今何て?
殿下と婚約???
45
お気に入りに追加
2,044
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

ダラダラ異世界学校に行く
ゆぃ♫
ファンタジー
「ダラダラ異世界転生」を前編とした
平和な主婦が異世界生活から学校に行き始める中編です。
ダラダラ楽しく生活をする話です。
続きものですが、途中からでも大丈夫です。
「学校へ行く」完結まで書いてますので誤字脱字修正しながら週1投稿予定です。
拙い文章ですが前編から読んでいただけると嬉しいです。エールもあると嬉しいですよろしくお願いします。

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる