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5.白き聖女の伝説
報奨
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王都の外れ、ゾリム共同墓地。
さっきまで、ここに死霊兵士アンデッド・ウォーリアが暴れていました。
一か八かで唱えた神聖魔法。発動して本当に良かった。みんなを守ることができた。
ホッとして座り込んだ私を、駆け付けてきた近衛騎士団や高位司祭と一緒にやって来たお父様が抱きしめてくれました。
「大丈夫か!リスティア?カイル!チェレン!お前達も怪我はないか?」
「大丈夫です。お館様」
「お嬢様のお陰です」
カイルとチェレンが、お父様に臣下の礼を取り報告しました。
「ミリュー公爵。リスティア嬢のお陰で皆無事だ。例のローブの男は取り逃がしたがアンデッド共を墓地から出さずに退治できた。ご息女の尽力に王太子として感謝する!ありがとう!!」
「もったいないお言葉です、王太子殿下。また殿下自ら救援に赴いて頂き本当にありがとうございます」
殿下とマゼールさんが来てくれなかったら、とてもアンデッドを止められませんでした。本当に感謝です。
その間にも、司祭が大地の浄化を行っています。
「あの『ターン』ですべて浄化出来ていると思うのですが念の為。それにしてもそのお歳で神聖魔法を使えるとは。流石は『聖女』の名高いリスティア嬢。本当に大したものです」
「いえ、女神様の加護に感謝です」
「お姉ちゃん!」
あ、クレアちゃん!幼女が私の胸に飛び込んできました。しっかり抱き止めます。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
「うん!無事で良かった」
この幼女を抱きしめる私の姿が、まさに聖女!と翌日の王宮発表に絵姿入りで出てしまうなんて、その時は夢にも思いませんでした。
「それにしても一歩間違うと王都が大混乱になるところだった。この子が行方不明になったこと、ここにリスティア嬢が来ていた事が多分あの黒いローブの男の誤算だったろうね」
「ですね、殿下。でもリスティア様が気になる、そう言って駆け出した殿下の顔は忘れられないと思います」
「な、マゼール?」
?殿下が何か言ってる?え?私を見て?え?何?
翌日。王宮発表で夜中大変な事件があり、王立学校の生徒により解決した事が発表されました。しかも絵姿入りで。お陰でまた聖女伝説が広まってしまいました。
で、王宮にて国王陛下に謁見、報奨を賜る事になってしまったのです。
王都はもちろん王立学校でも大騒ぎです。
そして私が神聖魔法を使った事に話題が集中してしまったのです。
「リスティア様、神聖魔法を使われたって」
「無我夢中で一か八か!成功するように女神様にお願いしたら…」
あれ?ローラ?
「一か八かって、普通初等科位の者が使える魔法ではないのですよ?」
え?すごい呆れてない?
「呆れるしかネェもン!お嬢!のやること」
「やる気になって実際やれてしまうのがお嬢様の『規格外』な所以です。そもそも神聖魔法と言うのは…」
「もう、竜語魔法を使えても驚きませんわ」
チェレンの話遮ってローラが溜息をつく。
いや、私もそこまではできないと思うよ。
それより来週頭の陛下との謁見!
産まれた時に抱っこはされたらしいけど、そんなの会った内じゃないです、お母様!
しかも報奨の中身がまた七歳児に与えてどうすんだ?っていうのが聴こえてきてたりして。
同じクラスのルーク王太子殿下は、何か顔を赤くして今日は話が出来ません。どうしたの?
マゼールさんは苦笑してるし?あれ?マゼールさん?何か知ってますね?
殿下が席を外した隙にマゼールさん、こっそり教えてくれたのですけど…。
「報奨って言うか、実は殿下とリスティア様の婚約の話が出ているのです」
フ~ン? !は?え?い、今何て?
殿下と婚約???
さっきまで、ここに死霊兵士アンデッド・ウォーリアが暴れていました。
一か八かで唱えた神聖魔法。発動して本当に良かった。みんなを守ることができた。
ホッとして座り込んだ私を、駆け付けてきた近衛騎士団や高位司祭と一緒にやって来たお父様が抱きしめてくれました。
「大丈夫か!リスティア?カイル!チェレン!お前達も怪我はないか?」
「大丈夫です。お館様」
「お嬢様のお陰です」
カイルとチェレンが、お父様に臣下の礼を取り報告しました。
「ミリュー公爵。リスティア嬢のお陰で皆無事だ。例のローブの男は取り逃がしたがアンデッド共を墓地から出さずに退治できた。ご息女の尽力に王太子として感謝する!ありがとう!!」
「もったいないお言葉です、王太子殿下。また殿下自ら救援に赴いて頂き本当にありがとうございます」
殿下とマゼールさんが来てくれなかったら、とてもアンデッドを止められませんでした。本当に感謝です。
その間にも、司祭が大地の浄化を行っています。
「あの『ターン』ですべて浄化出来ていると思うのですが念の為。それにしてもそのお歳で神聖魔法を使えるとは。流石は『聖女』の名高いリスティア嬢。本当に大したものです」
「いえ、女神様の加護に感謝です」
「お姉ちゃん!」
あ、クレアちゃん!幼女が私の胸に飛び込んできました。しっかり抱き止めます。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
「うん!無事で良かった」
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「それにしても一歩間違うと王都が大混乱になるところだった。この子が行方不明になったこと、ここにリスティア嬢が来ていた事が多分あの黒いローブの男の誤算だったろうね」
「ですね、殿下。でもリスティア様が気になる、そう言って駆け出した殿下の顔は忘れられないと思います」
「な、マゼール?」
?殿下が何か言ってる?え?私を見て?え?何?
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王都はもちろん王立学校でも大騒ぎです。
そして私が神聖魔法を使った事に話題が集中してしまったのです。
「リスティア様、神聖魔法を使われたって」
「無我夢中で一か八か!成功するように女神様にお願いしたら…」
あれ?ローラ?
「一か八かって、普通初等科位の者が使える魔法ではないのですよ?」
え?すごい呆れてない?
「呆れるしかネェもン!お嬢!のやること」
「やる気になって実際やれてしまうのがお嬢様の『規格外』な所以です。そもそも神聖魔法と言うのは…」
「もう、竜語魔法を使えても驚きませんわ」
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いや、私もそこまではできないと思うよ。
それより来週頭の陛下との謁見!
産まれた時に抱っこはされたらしいけど、そんなの会った内じゃないです、お母様!
しかも報奨の中身がまた七歳児に与えてどうすんだ?っていうのが聴こえてきてたりして。
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マゼールさんは苦笑してるし?あれ?マゼールさん?何か知ってますね?
殿下が席を外した隙にマゼールさん、こっそり教えてくれたのですけど…。
「報奨って言うか、実は殿下とリスティア様の婚約の話が出ているのです」
フ~ン? !は?え?い、今何て?
殿下と婚約???
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