【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ

文字の大きさ
上 下
13 / 90
3.新年度、学校で

入学

しおりを挟む
 もうすぐ年明け、新年度です。

 学校に通うため王都別宅に身の回りのものを持ち込んでます。

 「片付いてないか、まだ」

 レムオンお兄様の声。
 初等科を修了し今年度より中等科です。あ、今までどこにいたとか、影が薄いとか言われてましたが学校に通うため王都にいました。

 今度から一緒です。もちろんカイルとチェレンも。お兄様がいて執事やメイドが揃っているので、引っ越しは身の回りのものだけです。

 「にぎやかになるな。何せ子供は僕しかいなかったのでね」

 笑顔のお兄様。だよね。私はカイルとチェレンがいて本当に良かったって思う。いつだって一緒にいる三人。これからもね。

  そんなある日、公爵家別宅にお客様です。
  ローラ=リムル男爵令嬢をエスコートするようにして来たルーク=リンドガイア王太子殿下。

 で、で、殿下です!
 レムオンお兄様が、お父様ミリュー公爵の名代として殿下をお迎えします。

 「ようこそ、ルーク王太子殿下。公爵家一同歓迎いたします。ローラ嬢もようこそ」
 「急にすまないな、レムオン公子」
 「では、どうぞ」

 大広間に案内します。急とは言え王太子殿下の来訪。王宮より連絡が事前にあったのですが、もう少し準備の時間が欲しかったです。

 「たいした用事ではないんだ。私も新年度から王立学校初等科に通うものだから、その前にローラ嬢とリスティア嬢に会いたくなってね」
 「すみませんね、リスティア様。私も母から先日 殿下が同級生と聞いたものですから」

 ローラもすまなそうに、でも何か表情緩めです。

 「まぁ、では同じ学び舎ですか?うれしく思いますわ、王太子殿下」

 歓談中メイド達がお茶や菓子を並べていきます。

 「そちらの二人もだろう?学内ではただの同級生だ。臣下の礼は不用だ。むろんレディ達もね」

 その言葉にカイルとチェレンが顔を見合わせました。上級とは言え騎士爵位にそれは厳しいですよ、殿下?私やお兄様でも臣下の礼はとるでしょうし。
 第一カイルとチェレンは今着座さえしていません。後ろに立って控えています。
 殿下と同席なんて、公爵家の人間でもすごいプレッシャーなのですよ?

 「ご好意は嬉しいのですが難しいと思います、殿下」

 お兄様がちょっと困った表情です。うん。お兄様にしか言えないな、これ。

 「ふむ、追々慣れてもらうしかないか」

 頷く王太子殿下に慣れるなんてムリ!突っ込みたい私。

 歓談も終わり、また学内でと爽やかな笑顔で殿下は帰られました。
 緊張したねぇ。カイル座り込んじゃった。チェレンも深呼吸。って、お兄様も?

 「うん、リスティアが来たらなかなか刺激的な毎日になってきたね」
 「ちょ?お兄様? 私、トラブルメーカーなの?」
 だから何頷くの?そこの二人!


 そして入学式。
 新入生代表としてルーク王太子殿下が決意表明されました。
 例年入試の優秀者が行うのですが、今年度は仕様がない。でもトップの人かわいそうと思っていたら私だったそうです。は?私三位? 何で? 
 一位が実技カイル、筆記ローラ。二位がそれぞれ別の方。この四人、一方の科目だけ良かったらしく両方とも三位の私が実は総合トップ! 聞いてびっくりです。あ、ローラは実技も五位だったそうですけど。

 「流石はリスティア様。でも私負けませんわよ?」

 またローラに宣言されました。うん、私あまり勝ち負けは気にしないんだけどな。

 さぁ、学校生活始まります。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

ダラダラ異世界学校に行く

ゆぃ♫
ファンタジー
「ダラダラ異世界転生」を前編とした 平和な主婦が異世界生活から学校に行き始める中編です。 ダラダラ楽しく生活をする話です。 続きものですが、途中からでも大丈夫です。 「学校へ行く」完結まで書いてますので誤字脱字修正しながら週1投稿予定です。 拙い文章ですが前編から読んでいただけると嬉しいです。エールもあると嬉しいですよろしくお願いします。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~

にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。 「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。 主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

処理中です...