9 / 90
2.天下無敵の子供達
節介
しおりを挟む
その後も何度か見回りについていきました。
そうそう魔獣に出会うことはありません。なので普通に見学とお手伝いしてます。
「お嬢!これ、ここでいいんだよね?」
「うん、O.K.だよ!」
畑仕事のお手伝い。これはこれでちょっとあったけど…。
カイルやチェレンならともかく私が畑仕事やるのはみんなすごい抵抗があるみたい。
「当たり前だろ、お嬢!も少し公爵令嬢の立場考えろ」
呆れたようにカイルが言う。そういうあなたも全然公爵令嬢って思ってないよね。最近タメ口ですよ。
「後、薬草パルダインの実と葉も」
「パルダイン?って」
ここぞとばかりチェレンが説明します。
「いいですか?パルダインは………、」
何か色々言い出しました。カイルと顔、見合せます。
「といった特徴があるのですが、エェと聞いてました?」
「聞いてたけど、あぁ、えぇ、うー」
「向こうの丘にある、トゲトゲ葉っぱの黄色い花の草!下の方に茶色い実があるから」
私が簡単に説明する。
「成る程、ってチェレン!!今お嬢が言ったのをあんな長々と言ってたの?」
「お嬢様のは大雑把過ぎなんです!今のだとミルカット草と区別つきません!」
確かにそうなんだけど、チェレン。
「ミルカット草は、もっと山に行かないと見つかんないよ。ほら、回りの大人達も笑ってる」
「お嬢様達は本当にお詳しいのですね」
村長のお母さん、つまりこの村の大ババ様が微笑みながら言う。大体、どこの村もこんな長老様が薬を煎じて作る。昔からの暮らしの知恵。
その知恵を体系化し職にしたのが薬師。
体系化したので学問として習得できるけどあんま人気ない。だって治療は魔法が一般的。回復魔法があるし手っ取り早い。でも回復魔法を使える魔法使いは意外に少ない。教会も魔道具使ってというところもある。
六歳児の私が使えるからピンとこないけど。
そう言ったら、
「いや、お嬢!魔法習得、異常だから」
「カイル!言い方あるでしょう?ってチェレンも頷かない!!」
「そもそも魔法習得って、結構時間がかかるんです。いくらアイラ様が教えるからって、云々…」
また話長い。
聞き流して丘の方に移動。うん、一杯ある。
「さ、摘み取りましょ!」
これで今日のお手伝いは終了。
「って、見回りじゃなかったのかよ?」
「お嬢様が任せてって言うから」
「困ってたみたいだったし。いいじゃない。見てるだけってつまんないよ!」
村を見回って思った。若者がいない。子供は一杯いるのに。成人式(十六歳)以降の特に男の人が少ない。
私達が手伝っても大したことないかもしれないけど。つい言っちゃうんだ。
私達に任せて!って。
カイルやチェレンがする分には、なにも言われない。でも私が加わるとみんな大騒ぎ。公爵令嬢って見てるだけしかできないの?
お手伝いしようとして迷惑掛けてる?
モヤモヤが残る見回りだったのです。
そうそう魔獣に出会うことはありません。なので普通に見学とお手伝いしてます。
「お嬢!これ、ここでいいんだよね?」
「うん、O.K.だよ!」
畑仕事のお手伝い。これはこれでちょっとあったけど…。
カイルやチェレンならともかく私が畑仕事やるのはみんなすごい抵抗があるみたい。
「当たり前だろ、お嬢!も少し公爵令嬢の立場考えろ」
呆れたようにカイルが言う。そういうあなたも全然公爵令嬢って思ってないよね。最近タメ口ですよ。
「後、薬草パルダインの実と葉も」
「パルダイン?って」
ここぞとばかりチェレンが説明します。
「いいですか?パルダインは………、」
何か色々言い出しました。カイルと顔、見合せます。
「といった特徴があるのですが、エェと聞いてました?」
「聞いてたけど、あぁ、えぇ、うー」
「向こうの丘にある、トゲトゲ葉っぱの黄色い花の草!下の方に茶色い実があるから」
私が簡単に説明する。
「成る程、ってチェレン!!今お嬢が言ったのをあんな長々と言ってたの?」
「お嬢様のは大雑把過ぎなんです!今のだとミルカット草と区別つきません!」
確かにそうなんだけど、チェレン。
「ミルカット草は、もっと山に行かないと見つかんないよ。ほら、回りの大人達も笑ってる」
「お嬢様達は本当にお詳しいのですね」
村長のお母さん、つまりこの村の大ババ様が微笑みながら言う。大体、どこの村もこんな長老様が薬を煎じて作る。昔からの暮らしの知恵。
その知恵を体系化し職にしたのが薬師。
体系化したので学問として習得できるけどあんま人気ない。だって治療は魔法が一般的。回復魔法があるし手っ取り早い。でも回復魔法を使える魔法使いは意外に少ない。教会も魔道具使ってというところもある。
六歳児の私が使えるからピンとこないけど。
そう言ったら、
「いや、お嬢!魔法習得、異常だから」
「カイル!言い方あるでしょう?ってチェレンも頷かない!!」
「そもそも魔法習得って、結構時間がかかるんです。いくらアイラ様が教えるからって、云々…」
また話長い。
聞き流して丘の方に移動。うん、一杯ある。
「さ、摘み取りましょ!」
これで今日のお手伝いは終了。
「って、見回りじゃなかったのかよ?」
「お嬢様が任せてって言うから」
「困ってたみたいだったし。いいじゃない。見てるだけってつまんないよ!」
村を見回って思った。若者がいない。子供は一杯いるのに。成人式(十六歳)以降の特に男の人が少ない。
私達が手伝っても大したことないかもしれないけど。つい言っちゃうんだ。
私達に任せて!って。
カイルやチェレンがする分には、なにも言われない。でも私が加わるとみんな大騒ぎ。公爵令嬢って見てるだけしかできないの?
お手伝いしようとして迷惑掛けてる?
モヤモヤが残る見回りだったのです。
58
お気に入りに追加
2,044
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています

ダラダラ異世界学校に行く
ゆぃ♫
ファンタジー
「ダラダラ異世界転生」を前編とした
平和な主婦が異世界生活から学校に行き始める中編です。
ダラダラ楽しく生活をする話です。
続きものですが、途中からでも大丈夫です。
「学校へ行く」完結まで書いてますので誤字脱字修正しながら週1投稿予定です。
拙い文章ですが前編から読んでいただけると嬉しいです。エールもあると嬉しいですよろしくお願いします。
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる