5 / 90
1.とある公爵令嬢の話
決意
しおりを挟む
私のステータス、見てびっくりです。
筋力はカイルに匹敵、わずかに負けてました。体力、知力、魔力は測定不能の文字。は?測定不能? 私ドラゴン? 適性は何でもO.K.って、女神様?何コレ?
「う~ん、成る程、風邪もケガも無い訳だ」
お母様、そんな見も蓋もない言い方…。
「剣士でも魔法使いでも何でもO.K.みたいよ。どうする?何になる?」
ロザリー様まで溜息つきながら。えー?何でもO.K.? ほんとに?
あの時、女神様は私に言ってくださった。
「気負わないで。あなたは、あなたの思うままに。あなたは、女神にだって大魔王にだってなれるのですから」
いや、大魔王薦めちゃ不味いでしょ、女神様。
今はまだ何がしたいのか、何すればいいのかわかんないけど。後日お母様に、そう言ったら「学校行く頃には決められるかな?」って。だよね。女神様、三歳児に何決めさせる気だったんだろ?
何か疲れました。
その夜は早く寝ました。
次の日、カイルは早速剣技の訓練にはいりました。相変わらずの素振りと型の稽古。そして組み手。最初は嬉しそうに。だんだんきつそうに。
私はずっと見学してました。ステータス見た限りでは多分訓練をこなせると。でもせめて五歳から始めましょう、とお父様お母様が決めました。気負わず慌てず。女神様もそう言ってます。多分。
そんな日常が続いて、いよいよ今日は五歳の誕生日です。皆に祝福され私幸せです。
次の日から、私は剣技、体術、魔法を習い始めました。一日一つずつの訓練です。
楽しいのは魔法かな?自分の手から火や風の刄が出るなんて、とても楽しい。しかも麗しの魔法剣士と言われたお母様の直伝。瞑想や魔力循環といった基本から、攻撃魔法ぶっ飛ばしまでテンション上がります。
体術と剣技はカイルと一緒です。三歳から始めているカイルは、もう熟練の兵士です。
体術に至っては受け人形になってもらっています。さすがはカイル。受け身も完璧。
レベル差もあり、私の技は基本的に無効です。攻撃力より防御力が大きい為、当たっても「痛ッテー」だけで赤くもならないのです。おかげで何の遠慮も入りません!
もちろん、恨みもストレス解消もありません。お互い真面目です。私は純粋に楽しいですし、カイルは従者として当然という態度です。ただ「お嬢様」と言ってたのが「お嬢!」になったのは何故でしょう?
訓練が終わり、お茶の時間。
チェレンも合流し三人でワイワイ。
私とカイルは訓練の反省もあり技がどうしたとかの話になるのですが、珠にチェレンも話に加わります。チェレンも知識として技の名や種類を知っているのです。ウンチクもかなり…。
「ヤバ…」
そう。チェレンはウンチク語り出すと止まんない時があるのです。
私もだし、カイルは完全に身体で覚え感覚で動いてます。理屈じゃないのです。
「お嬢、どうすんだ?」
「聞き流す!」
五分程語っているチェレンを無視して(笑)、私はお茶を飲むことに専念したのでした。
こうして訓練は続きました。もう普通の公爵令嬢のレベルは超えてる気がしてるのですが、この力、何に使うか、ある決意が生まれてきていました。
筋力はカイルに匹敵、わずかに負けてました。体力、知力、魔力は測定不能の文字。は?測定不能? 私ドラゴン? 適性は何でもO.K.って、女神様?何コレ?
「う~ん、成る程、風邪もケガも無い訳だ」
お母様、そんな見も蓋もない言い方…。
「剣士でも魔法使いでも何でもO.K.みたいよ。どうする?何になる?」
ロザリー様まで溜息つきながら。えー?何でもO.K.? ほんとに?
あの時、女神様は私に言ってくださった。
「気負わないで。あなたは、あなたの思うままに。あなたは、女神にだって大魔王にだってなれるのですから」
いや、大魔王薦めちゃ不味いでしょ、女神様。
今はまだ何がしたいのか、何すればいいのかわかんないけど。後日お母様に、そう言ったら「学校行く頃には決められるかな?」って。だよね。女神様、三歳児に何決めさせる気だったんだろ?
何か疲れました。
その夜は早く寝ました。
次の日、カイルは早速剣技の訓練にはいりました。相変わらずの素振りと型の稽古。そして組み手。最初は嬉しそうに。だんだんきつそうに。
私はずっと見学してました。ステータス見た限りでは多分訓練をこなせると。でもせめて五歳から始めましょう、とお父様お母様が決めました。気負わず慌てず。女神様もそう言ってます。多分。
そんな日常が続いて、いよいよ今日は五歳の誕生日です。皆に祝福され私幸せです。
次の日から、私は剣技、体術、魔法を習い始めました。一日一つずつの訓練です。
楽しいのは魔法かな?自分の手から火や風の刄が出るなんて、とても楽しい。しかも麗しの魔法剣士と言われたお母様の直伝。瞑想や魔力循環といった基本から、攻撃魔法ぶっ飛ばしまでテンション上がります。
体術と剣技はカイルと一緒です。三歳から始めているカイルは、もう熟練の兵士です。
体術に至っては受け人形になってもらっています。さすがはカイル。受け身も完璧。
レベル差もあり、私の技は基本的に無効です。攻撃力より防御力が大きい為、当たっても「痛ッテー」だけで赤くもならないのです。おかげで何の遠慮も入りません!
もちろん、恨みもストレス解消もありません。お互い真面目です。私は純粋に楽しいですし、カイルは従者として当然という態度です。ただ「お嬢様」と言ってたのが「お嬢!」になったのは何故でしょう?
訓練が終わり、お茶の時間。
チェレンも合流し三人でワイワイ。
私とカイルは訓練の反省もあり技がどうしたとかの話になるのですが、珠にチェレンも話に加わります。チェレンも知識として技の名や種類を知っているのです。ウンチクもかなり…。
「ヤバ…」
そう。チェレンはウンチク語り出すと止まんない時があるのです。
私もだし、カイルは完全に身体で覚え感覚で動いてます。理屈じゃないのです。
「お嬢、どうすんだ?」
「聞き流す!」
五分程語っているチェレンを無視して(笑)、私はお茶を飲むことに専念したのでした。
こうして訓練は続きました。もう普通の公爵令嬢のレベルは超えてる気がしてるのですが、この力、何に使うか、ある決意が生まれてきていました。
0
お気に入りに追加
1,896
あなたにおすすめの小説
【完結】よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
無関係だった私があなたの子どもを生んだ訳
キムラましゅろう
恋愛
わたし、ハノン=ルーセル(22)は術式を基に魔法で薬を
精製する魔法薬剤師。
地方都市ハイレンで西方騎士団の専属薬剤師として勤めている。
そんなわたしには命よりも大切な一人息子のルシアン(3)がいた。
そしてわたしはシングルマザーだ。
ルシアンの父親はたった一夜の思い出にと抱かれた相手、
フェリックス=ワイズ(23)。
彼は何を隠そうわたしの命の恩人だった。侯爵家の次男であり、
栄誉ある近衛騎士でもある彼には2人の婚約者候補がいた。
わたし?わたしはもちろん全くの無関係な部外者。
そんなわたしがなぜ彼の子を密かに生んだのか……それは絶対に
知られてはいけないわたしだけの秘密なのだ。
向こうはわたしの事なんて知らないし、あの夜の事だって覚えているのかもわからない。だからこのまま息子と二人、
穏やかに暮らしていけると思ったのに……!?
いつもながらの完全ご都合主義、
完全ノーリアリティーのお話です。
性描写はありませんがそれを匂わすワードは出てきます。
苦手な方はご注意ください。
小説家になろうさんの方でも同時に投稿します。
私が産まれる前に消えた父親が、隣国の皇帝陛下だなんて聞いてない
丙 あかり
ファンタジー
ハミルトン侯爵家のアリスはレノワール王国でも有数の優秀な魔法士で、王立学園卒業後には婚約者である王太子との結婚が決まっていた。
しかし、王立学園の卒業記念パーティーの日、アリスは王太子から婚約破棄を言い渡される。
王太子が寵愛する伯爵令嬢にアリスが嫌がらせをし、さらに魔法士としては禁忌である『魔法を使用した通貨偽造』という理由で。
身に覚えがないと言うアリスの言葉に王太子は耳を貸さず、国外追放を言い渡す。
翌日、アリスは実父を頼って隣国・グランディエ帝国へ出発。
パーティーでアリスを助けてくれた帝国の貴族・エリックも何故か同行することに。
祖父のハミルトン侯爵は爵位を返上して王都から姿を消した。
アリスを追い出せたと喜ぶ王太子だが、激怒した国王に吹っ飛ばされた。
「この馬鹿息子が!お前は帝国を敵にまわすつもりか!!」
一方、帝国で仰々しく迎えられて困惑するアリスは告げられるのだった。
「さあ、貴女のお父君ーー皇帝陛下のもとへお連れ致しますよ、お姫様」と。
******
週3日更新です。
私と離婚して、貴方が王太子のままでいれるとでも?
光子
恋愛
「お前なんかと結婚したことが俺様の人生の最大の汚点だ!」
――それはこちらの台詞ですけど?
グレゴリー国の第一王子であり、現王太子であるアシュレイ殿下。そんなお方が、私の夫。そして私は彼の妻で王太子妃。
アシュレイ殿下の母君……第一王妃様に頼み込まれ、この男と結婚して丁度一年目の結婚記念日。まさかこんな仕打ちを受けるとは思っていませんでした。
「クイナが俺様の子を妊娠したんだ。しかも、男の子だ!グレゴリー王家の跡継ぎを宿したんだ!これでお前は用なしだ!さっさとこの王城から出て行け!」
夫の隣には、見知らぬ若い女の姿。
舐めてんの?誰のおかげで王太子になれたか分かっていないのね。
追い出せるものなら追い出してみれば?
国の頭脳、国を支えている支柱である私を追い出せるものなら――どうぞお好きになさって下さい。
どんな手を使っても……貴方なんかを王太子のままにはいさせませんよ。
不定期更新。
この作品は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる