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第三章 強大な敵
第18話 絶対に諦めない!!
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「うわああああ!!!!」
絶叫と共にガバッと上体を起こし目を覚ましたツバサ。
「…はぁはぁ…ここは…私の部屋…?」
周りを見回すととても見慣れた情景…自分の部屋であった。
ちゃんとパジャマに着替えている上にベッドで横になっている。
「…大丈夫かい?ツバサ…」
「…おばあちゃん…?」
何故かベッドの横にはツバサの祖母のノドカがおり心配そうに顔を覗き込んでいる。
「どうしておばあちゃんが私の部屋に?」
「おや…この子は…何も憶えて無いのかい?お前は部屋で気を失っていて三日間も眠り続けていたんだよ?」
「…三日も…!!」
ツバサはその三日前の事を思い出そうとしてみた…
「チヒロちゃ~~~ん!!」
爆発の中に消えた『虚飾の姫君』を助けようと手を伸ばす。
「ダメだツバサ!!今戻ったら危険だ!!」
「でも…でもぉ…!!」
ユッキーの制止を振り切って戻ろうとする『果て無き銀翼』。
「…仕方ないオレもアレを使うか…」
ユッキーがそう言うと突然扉が物凄い勢いで空気を吸い込み始めた。
これは先程ダニエルが『億万女帝』を強制的に人間界に返した時に使った強制送還の術式…
当然今回の送還対象は『果て無き銀翼』だ。
グンと強烈に扉に向かって引っ張られる。
「嫌だ…!!チヒロちゃんを助けるんだ…!!うわあああ!!!」
尚も抵抗を続ける『果て無き銀翼』であったが強制術式には抗えず扉に吸い込まれて行った。
「よし!!お前たちもここに入れ!!」
「おうよ!!」
「………」
ユッキーの呼びかけに反応したのはダニエルだけ…ピグは黙ったままだ。
「どうしたピグ…」
「私は行かない…やっぱりチヒロを置いて逃げるなんて出来ない…」
「お前!!チヒロの行為を無駄にするのか!?ここは一旦オレたちと退け!!大丈夫だ…必ず助けに戻って来よう!!その時には力を貸すから…!!」
「…分かったよ…」
ピグは完全に納得はしていない様だが逃げる事に同意してくれた。
「ほら!!旦那方早く!!」
扉前でダニエルが腕を振り回して急かす。
「うおおお…!!そのまま突っ込め~!!」
マスコット達は全員扉に飛び込み、その後すぐに閉じて消滅した。
「うぐっ…!!」
「「「うわああ!!」」」
ツバサの部屋に扉が出現、半ば放り出されるように部屋に転がり込む一同。
ツバサも変身が解けてしまった。
「ユッキー!!今すぐお姫ちゃんの所に戻ろう…!!このままじゃ…」
泣きじゃくりながら懇願するツバサ。
「…ダメだ…」
「どうして!?どうしてそんな意地悪ばっかり…」
「意地悪じゃない…扉の強制送還術式を使うと暫くの間プラクティス時空への入場が制限されるんだ」
「そんな…!!」
ガクリと崩れ落ちるツバサ…涙が頬を伝い次々としたたり落ちる。
マスコット達もうなだれ誰一人口を開こうとはしなかった。
程なくしてユッキーがとある異変に気付く。
「…おいピグ…お前…!!」
「…ああっ…!!ピグの旦那!!」
「きゃあ!!」
何が起こっているのか分からない一同。
何とピグの身体の輪郭が粒子化してまるで炭酸水の泡の様に上に向かって放出されているのだ。
身体全体が光を放ち徐々にその輝きを増していく。
「ああ…こんな日が来るとは…チヒロ…頑張ったね…」
涙ぐむピグ…しかし表情はとても穏やかだ。
「ユッキー!!これはどう言う事…!?ピグさんに何が起こっているの?!」
物凄い剣幕でユッキーに詰め寄るツバサ。
「…これからピグの身体は消えてしまう…実際マスコットが消える所に立ち会うのはオレも初めてだ…」
今迄に無い位落ち込んでいるユッキー。
「…皆さん…短い間でしたがチヒロと私がお世話になりました…」
皆に向かってペコリとお辞儀をするピグ、もう身体は腹の辺りが消滅している。
「ピグ…」
「旦那ぁ~」
「えっ!?えっ!?どうして?!」
既に何が起きているか悟ったマスコット達をよそに一人狼狽えるツバサ。
「あなた方に出会えて本当に良かった…後は頼みます…」
とうとう顔の半分くらいが消えていく…
『…ありがとう…』
そう言い残しピグの姿はこの場から完全に消失した。
「くっ…!!」
強く目を瞑り拳を握りしめるユッキー。
「…そんな…ピグさんが消えるなんて…どうして…」
全身が小刻みに震え、胸の鼓動が早くなる。
嫌がおうにも守銭奴ラゴン討伐時にユッキーが語った魔法少女とマスコットの関係性の話がツバサの脳裏を過る…
「マスコットが…消える理由はただ一つ…」
ユッキーはツバサから目を背けつつ呟く様に…
「…パートナーの魔法少女が死んだ時だ…」
一瞬にして体中の血液が凍り付いてしまったかの様な嫌悪感に襲われるツバサ。
「うっ…嘘よ…そんな…お姫ちゃん…嫌っ…嫌っ…」
うわ言の様に呟き…
「嫌ああああああああ!!!!!!!お姫ちゃ~~~~ん!!!!ああああああああ!!!!!!!」
頭を両手で挟み絶叫したツバサは膝をつき、そのまま気を失い前のめりに床に倒れ込んだ。
「ツバサ!!」
「ツバサさん!!」
突然の事に慌てふためくユッキーとダニエル。
介抱しようにも彼らの小さな身体ではベッドの上にツバサを引っ張り上げる事もままならない。
「どうしたのツバサ?今の大声と大きな音は…」
何事かと一階からツバサの母親が急ぎ足で階段を駆け上がって来る。
あれだけの大声と倒れた時の物音だ、様子を見に来るのは当然であろう。
「ダニエル!!すぐぬいぐるみのフリだ!!人間が来るぞ!!」
「分かったぜ!!」
二匹はゴロンと床に転がりぬいぐるみのフリを決め込む。
その直後に部屋のドアが開け放たれ、入って来た母親はツバサが倒れているのを発見して仰天した。
「ちょっと!!どうしたのツバサ!?…ツバサ!!…ツバサ!!」
上体を抱え上げ頬を叩いてみても反応が無い。
「お母様…!!すぐ来てください!!ツバサが…ツバサが…!!」
薄れゆく意識の中で泣き叫ぶ母の声を聴きながらツバサの心は暗闇に沈んでいった…
「…思い出した…」
ツバサの布団を握りしめる手が震えだす、あれは夢では無く紛れも無い現実だったのだ。
「うっ…ううううっ…うわああ…!」
あの出来事を思い出しまた涙腺が崩壊してしまった。
「ツバサ…?大丈夫かい…?」
ツバサの只ならぬ様子を見て心配になるノドカ。
寄り添う様にベッドの上のツバサの横に腰かける。
「おばあちゃん…!!お姫ちゃんが…お姫ちゃんが…!!うわああん!!」
「おやおや…どうしたんだいツバサ」
ツバサは勢いよくノドカにしがみ付くと堰が切れた様に泣きじゃくった。
その後、ノドカは断片的にだが友達が行方不明になってしまった事、もしかしたら死んでしまったかもしれない事をツバサから聞き出した。
魔法少女の事は話す訳にはいかない…無論ツバサもそれは弁えていて、それを濁してノドカに話していた。多少不自然な話になっていようとも…
しかしノドカはその辺には触れずただただツバサの話を熱心に聞いてくれたのだ。
「そうかい…そんな事があったのかい…それはさぞ心配した事だろうね…」
「うん…」
ひとしきり泣きじゃくって発散したツバサはある程度の落ち着きを取り戻していた。
しかしまだ少ししゃくり上げていて、油断をするとまた感情を押さえられなくなりそうではある。
「でもねツバサ…物事は悪い方ばかりに考えちゃいけないよ?
悪い方にばかり考えてると…本当にそうなってしまうんだ…」
「えっ…それは嫌だな…」
「そうだろう?だから気持ちを楽にして友達を信じて待っていればいい…
ほら…笑って笑って!」
ノドカはツバサの頬っぺたの両端を人差し指で軽く押し上げ口角を上げた。
「やだおばあちゃん…くすぐったいよ」
思わず笑みがこぼれる。
「そうそう…ツバサはそれでいいんだよ…」
ノドカは満面の笑みをツバサに向けた。
翌日…
「決めた!!私はお姫ちゃんを探しにファンタージョンに行くよ!!」
すっかりいつもの調子を取り戻したツバサはユッキーに向かってそう宣言する。
拳を握りしめ気合十分だ。
「前にも言ったが…ピグが消えてしまった以上それは…」
とても言いにくそうに話を切り出すユッキー。
「私決めたの…最後の最後まで絶対に諦めないって…たとえそれがどんな結末になろうとも…」
しばしの沈黙…
「そうか…分かった!!オレもとことん付き合うぜ!!」
ツバサのしっかりとした眼差しを見てユッキーはそれ以上否定的な意見を言うのを止める事にした。
それ程までにツバサから意志の強さと覚悟が感じられたからだ。
「それで…あの…ユッキー?」
「なんだ?」
「悪いんだけどいつもの「ありんす」って言うしゃべり方に戻ってもらってもいいかな?」
「ん?…別に構わないが…でありんすが…」
「えへへ…ありがとう」
素性を明かしてしまった以上もうマスコットっぽさは出さなくてもいいと思っていただけにその提案に戸惑うユッキーであったが、ツバサの笑顔を見ていたらそれを問う気にはなれなかった。
「よ~し!!まずは金ちゃんに連絡を取って作戦会議よ!!」
そしてツバサはカードリーダーを懐から取り出し変身の準備を整えた。
絶叫と共にガバッと上体を起こし目を覚ましたツバサ。
「…はぁはぁ…ここは…私の部屋…?」
周りを見回すととても見慣れた情景…自分の部屋であった。
ちゃんとパジャマに着替えている上にベッドで横になっている。
「…大丈夫かい?ツバサ…」
「…おばあちゃん…?」
何故かベッドの横にはツバサの祖母のノドカがおり心配そうに顔を覗き込んでいる。
「どうしておばあちゃんが私の部屋に?」
「おや…この子は…何も憶えて無いのかい?お前は部屋で気を失っていて三日間も眠り続けていたんだよ?」
「…三日も…!!」
ツバサはその三日前の事を思い出そうとしてみた…
「チヒロちゃ~~~ん!!」
爆発の中に消えた『虚飾の姫君』を助けようと手を伸ばす。
「ダメだツバサ!!今戻ったら危険だ!!」
「でも…でもぉ…!!」
ユッキーの制止を振り切って戻ろうとする『果て無き銀翼』。
「…仕方ないオレもアレを使うか…」
ユッキーがそう言うと突然扉が物凄い勢いで空気を吸い込み始めた。
これは先程ダニエルが『億万女帝』を強制的に人間界に返した時に使った強制送還の術式…
当然今回の送還対象は『果て無き銀翼』だ。
グンと強烈に扉に向かって引っ張られる。
「嫌だ…!!チヒロちゃんを助けるんだ…!!うわあああ!!!」
尚も抵抗を続ける『果て無き銀翼』であったが強制術式には抗えず扉に吸い込まれて行った。
「よし!!お前たちもここに入れ!!」
「おうよ!!」
「………」
ユッキーの呼びかけに反応したのはダニエルだけ…ピグは黙ったままだ。
「どうしたピグ…」
「私は行かない…やっぱりチヒロを置いて逃げるなんて出来ない…」
「お前!!チヒロの行為を無駄にするのか!?ここは一旦オレたちと退け!!大丈夫だ…必ず助けに戻って来よう!!その時には力を貸すから…!!」
「…分かったよ…」
ピグは完全に納得はしていない様だが逃げる事に同意してくれた。
「ほら!!旦那方早く!!」
扉前でダニエルが腕を振り回して急かす。
「うおおお…!!そのまま突っ込め~!!」
マスコット達は全員扉に飛び込み、その後すぐに閉じて消滅した。
「うぐっ…!!」
「「「うわああ!!」」」
ツバサの部屋に扉が出現、半ば放り出されるように部屋に転がり込む一同。
ツバサも変身が解けてしまった。
「ユッキー!!今すぐお姫ちゃんの所に戻ろう…!!このままじゃ…」
泣きじゃくりながら懇願するツバサ。
「…ダメだ…」
「どうして!?どうしてそんな意地悪ばっかり…」
「意地悪じゃない…扉の強制送還術式を使うと暫くの間プラクティス時空への入場が制限されるんだ」
「そんな…!!」
ガクリと崩れ落ちるツバサ…涙が頬を伝い次々としたたり落ちる。
マスコット達もうなだれ誰一人口を開こうとはしなかった。
程なくしてユッキーがとある異変に気付く。
「…おいピグ…お前…!!」
「…ああっ…!!ピグの旦那!!」
「きゃあ!!」
何が起こっているのか分からない一同。
何とピグの身体の輪郭が粒子化してまるで炭酸水の泡の様に上に向かって放出されているのだ。
身体全体が光を放ち徐々にその輝きを増していく。
「ああ…こんな日が来るとは…チヒロ…頑張ったね…」
涙ぐむピグ…しかし表情はとても穏やかだ。
「ユッキー!!これはどう言う事…!?ピグさんに何が起こっているの?!」
物凄い剣幕でユッキーに詰め寄るツバサ。
「…これからピグの身体は消えてしまう…実際マスコットが消える所に立ち会うのはオレも初めてだ…」
今迄に無い位落ち込んでいるユッキー。
「…皆さん…短い間でしたがチヒロと私がお世話になりました…」
皆に向かってペコリとお辞儀をするピグ、もう身体は腹の辺りが消滅している。
「ピグ…」
「旦那ぁ~」
「えっ!?えっ!?どうして?!」
既に何が起きているか悟ったマスコット達をよそに一人狼狽えるツバサ。
「あなた方に出会えて本当に良かった…後は頼みます…」
とうとう顔の半分くらいが消えていく…
『…ありがとう…』
そう言い残しピグの姿はこの場から完全に消失した。
「くっ…!!」
強く目を瞑り拳を握りしめるユッキー。
「…そんな…ピグさんが消えるなんて…どうして…」
全身が小刻みに震え、胸の鼓動が早くなる。
嫌がおうにも守銭奴ラゴン討伐時にユッキーが語った魔法少女とマスコットの関係性の話がツバサの脳裏を過る…
「マスコットが…消える理由はただ一つ…」
ユッキーはツバサから目を背けつつ呟く様に…
「…パートナーの魔法少女が死んだ時だ…」
一瞬にして体中の血液が凍り付いてしまったかの様な嫌悪感に襲われるツバサ。
「うっ…嘘よ…そんな…お姫ちゃん…嫌っ…嫌っ…」
うわ言の様に呟き…
「嫌ああああああああ!!!!!!!お姫ちゃ~~~~ん!!!!ああああああああ!!!!!!!」
頭を両手で挟み絶叫したツバサは膝をつき、そのまま気を失い前のめりに床に倒れ込んだ。
「ツバサ!!」
「ツバサさん!!」
突然の事に慌てふためくユッキーとダニエル。
介抱しようにも彼らの小さな身体ではベッドの上にツバサを引っ張り上げる事もままならない。
「どうしたのツバサ?今の大声と大きな音は…」
何事かと一階からツバサの母親が急ぎ足で階段を駆け上がって来る。
あれだけの大声と倒れた時の物音だ、様子を見に来るのは当然であろう。
「ダニエル!!すぐぬいぐるみのフリだ!!人間が来るぞ!!」
「分かったぜ!!」
二匹はゴロンと床に転がりぬいぐるみのフリを決め込む。
その直後に部屋のドアが開け放たれ、入って来た母親はツバサが倒れているのを発見して仰天した。
「ちょっと!!どうしたのツバサ!?…ツバサ!!…ツバサ!!」
上体を抱え上げ頬を叩いてみても反応が無い。
「お母様…!!すぐ来てください!!ツバサが…ツバサが…!!」
薄れゆく意識の中で泣き叫ぶ母の声を聴きながらツバサの心は暗闇に沈んでいった…
「…思い出した…」
ツバサの布団を握りしめる手が震えだす、あれは夢では無く紛れも無い現実だったのだ。
「うっ…ううううっ…うわああ…!」
あの出来事を思い出しまた涙腺が崩壊してしまった。
「ツバサ…?大丈夫かい…?」
ツバサの只ならぬ様子を見て心配になるノドカ。
寄り添う様にベッドの上のツバサの横に腰かける。
「おばあちゃん…!!お姫ちゃんが…お姫ちゃんが…!!うわああん!!」
「おやおや…どうしたんだいツバサ」
ツバサは勢いよくノドカにしがみ付くと堰が切れた様に泣きじゃくった。
その後、ノドカは断片的にだが友達が行方不明になってしまった事、もしかしたら死んでしまったかもしれない事をツバサから聞き出した。
魔法少女の事は話す訳にはいかない…無論ツバサもそれは弁えていて、それを濁してノドカに話していた。多少不自然な話になっていようとも…
しかしノドカはその辺には触れずただただツバサの話を熱心に聞いてくれたのだ。
「そうかい…そんな事があったのかい…それはさぞ心配した事だろうね…」
「うん…」
ひとしきり泣きじゃくって発散したツバサはある程度の落ち着きを取り戻していた。
しかしまだ少ししゃくり上げていて、油断をするとまた感情を押さえられなくなりそうではある。
「でもねツバサ…物事は悪い方ばかりに考えちゃいけないよ?
悪い方にばかり考えてると…本当にそうなってしまうんだ…」
「えっ…それは嫌だな…」
「そうだろう?だから気持ちを楽にして友達を信じて待っていればいい…
ほら…笑って笑って!」
ノドカはツバサの頬っぺたの両端を人差し指で軽く押し上げ口角を上げた。
「やだおばあちゃん…くすぐったいよ」
思わず笑みがこぼれる。
「そうそう…ツバサはそれでいいんだよ…」
ノドカは満面の笑みをツバサに向けた。
翌日…
「決めた!!私はお姫ちゃんを探しにファンタージョンに行くよ!!」
すっかりいつもの調子を取り戻したツバサはユッキーに向かってそう宣言する。
拳を握りしめ気合十分だ。
「前にも言ったが…ピグが消えてしまった以上それは…」
とても言いにくそうに話を切り出すユッキー。
「私決めたの…最後の最後まで絶対に諦めないって…たとえそれがどんな結末になろうとも…」
しばしの沈黙…
「そうか…分かった!!オレもとことん付き合うぜ!!」
ツバサのしっかりとした眼差しを見てユッキーはそれ以上否定的な意見を言うのを止める事にした。
それ程までにツバサから意志の強さと覚悟が感じられたからだ。
「それで…あの…ユッキー?」
「なんだ?」
「悪いんだけどいつもの「ありんす」って言うしゃべり方に戻ってもらってもいいかな?」
「ん?…別に構わないが…でありんすが…」
「えへへ…ありがとう」
素性を明かしてしまった以上もうマスコットっぽさは出さなくてもいいと思っていただけにその提案に戸惑うユッキーであったが、ツバサの笑顔を見ていたらそれを問う気にはなれなかった。
「よ~し!!まずは金ちゃんに連絡を取って作戦会議よ!!」
そしてツバサはカードリーダーを懐から取り出し変身の準備を整えた。
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