大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

用事と勇者

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 丸二日かけて行なう予定のこの拷問……もとい治療だが、《雷光》の慣れの速度によってはもっと早くなるだろうとアーネから聞いていた。
 それはつまり、裏を返すと「上手くいかなかったら延長も有り得る」という事である。
 「思ったより上手くいかないですわね」
 料理当番交代のタイミングでアーネが俺にそう伝える。位置的には丁度《雷光》から死角になる位置だ。
 「と言うと?」
 「魔力の生成自体は相当な勢いで進んでますし、生成量も増えてはいますわ。けれど、魔力生成にまだ結構な無駄がありますの」
 「治療が進んではいるけど、ペースが悪いってことか」
 アーネが頷く。
 治療を始めてほぼ一日。時間で言うと十二時間ぶっ続けでの食事。運動はトイレとの往復のみ。
 何度も言うがこれは治療だ。拷問では無い。
 「どうする。一回休ませようか」
 「ですわね。不眠不休でする事も出来ますけれど、今は精神的に参られる方が悪いですし……」
 思ったように進んでいないのなら、一度区切りをつける方がいい。どうせ時間がかかるのだし。
 「折角だし《雷光》を風呂に入れて部屋まで連れてってくれるか?俺は今から報告に行ってくる」
 「分かりましたわ」
 という訳で、《雷光》に今日の分は終わったので、明日また迎えに行くと伝えると、《雷光》から思っていなかった言葉が出てきた。
『いや、続けてくれ』
 ドロドロの粥を掬う手を止めず、左手を一瞬マキナに触れさせ、流した魔力でそう言う《雷光》。
『まだ行ける。腹はほぼ膨れないし、咀嚼もほぼ不要だから顎も痛まない。不具合が何かあれば《緋翼》が治してくれる。睡魔に耐えるのは慣れている。何の問題も無い』
 「………。」
 「………。」
 どうするよ?とアーネに目で問い。
 どうしましょう?と逆に返された。
 しばらく考え、アーネの反応から休まなくてはならない訳では無さそうだという事を察す。
 ならもう、好きにやらせといた方が今は楽と判断し、アーネに「ちょっと出てくる。ソイツ任せた」と言って部屋を出る。
 行先は二つ。保健室と学長室。あと、もし開いていれば食堂に寄って食材の追加だな。

 ─── ─── ─── ─── ───

 「───ってな状況なんだけど」
 「なるほどねぇ。治療が進んではいるんだけれども、あまり良くは無い、と……」
 保健の先生が何やらメモをしつつ俺の話を聞く。
 「つーか俺魔力とか全然わかんねぇんだけどさ、本当にそれで良くなるんだよな?」
 「なるわよ。理屈も実績もあるもの。それでも全く知られてないのは、魔力量自体は大きいけれど、生成量が少ないという人はほぼ居ないという事と、治療が非常に大変だと言うこと、多少魔力量が多いぐらいなら他の魔導具とかで対処出来るしそっちの方が楽で安価な事、とかが挙げられるわ」
 「欠陥が多すぎねぇか?」
 「一度出来るようになりさえすれば、一生それを維持できるのよ?言い方を変えるなら、これは自分の意思で身体を作り変えてるのと同じよ。欠陥が多いのではなく、努力が必要なだけ」
 そう言われればまぁ……理解は出来るか。
 「ところで今、《雷光》の魔力生成量はどのぐらいなの?」
 「確かアーネが今やっと二十ぐらいだって言ってたっけな」
 「《雷光》の元の数値、知ってるかしら?」
 「?、そういや知らねぇな。十ぐらいか?」
 一般人で二十なら、少ないと言われていた《雷光》で半分。大体当たりだろ。
 「七よ。魔力量で言うなら、一般人の平均の半分も無かったのよ」
 どのぐらい少ないか、俺には全く分からない。先生が具体例として、相当する魔力量なら下二級の魔法を二、三発撃てばほぼ空になるような魔力量だと補足してくれた。
 「なのに《雷光》が使う魔法は雷系統だからね。魔力消費が他の属性より多いのよ。一回撃てればいい方じゃないかしら。これじゃあ天下の《シラヌイの雷法》もほとんどが使えないわ」
 「……ナニソレ?」
 「あぁ、ごめんなさい。若い子はあまり知らないかもね。シラヌイと言えば、魔戦技で名の知れた名家だったのよ。あとはちょっと変わった風習も有名だったわね」
 「魔戦技?それは技術体系としての名前か?戦技アーツとは違うのか?」
 「どうかしらね。門外不出の技術だから、見たのを類推するしかないのよ。私も見た人から聞いただけだから詳しくは知らないんだけれど、その剣技は魔法であり、その動きは技術。とかなんとか。よく分からないんだけど、シラヌイの本質は魔法使いに近いんだとか」
 「???」
 よく分からん。ユーリアみたいな感じか?中遠距離なら魔法、近距離なら双剣と魔法みたいな。
 それを体系化してるなら相当凄いが……そんなのが耳長種エルフ以外にできるのか?
 「ま、もうそれも昔の話。今はなんか身内の裏切り者探しで躍起になってるらしいわよ」
 「へぇ。そいつのせいでダメになったのか?」
 「って噂よ。名前はシデン・シラヌイ。色々あって、殺しちゃいけない人を殺して逃げたんだって」
 なるほど。何となくだが分かった。
 「とりあえず報告はそんなもんだ。なんか指示はあるか?」
 「はいこれ」
 そう言って渡されたのはまた紙。開くのは後からにしよう。
 「先生からは?」
 「無いわよ。順調と言えば順調みたいだしね」
 先生からしたら、治療が進んでいる時点で順調なのだろう。事実、元の生成量の倍以上に改善しているのだから、順調なのはその通り。
 「そんじゃ明日、また来るな」
 「異変があったら明日じゃなくてもすぐに来なさいよ」
 そう言って保健室を出ると、丁度保健室に入る生徒とすれ違う。顔に見覚えがないので、きっと西学の生徒だろう。
 大怪我をしていた様子はなかったが、どこかでまた聖学と西学のトラブルがあったのだろうか。
 今度ユーリアに「二つ名持ちが三人も欠けて悪かった」と謝りに行こう。いや、表向きは《雷光》と俺達に関係は無いので、二人として言いに行った方がいいか。
 何にせよ、代価としてそれなりの無理を言われそうだ。

 ─── ─── ─── ─── ───

 保健室から出て、学校長にも報告して、行けそうだったので食堂で追加分貰って。
 そんで帰り際にトラブルも貰う。あぁ、涙が出るほど最悪のタイミングだ。
 案の定、トラブルの内容は聖学と西学の衝突。それの立ち会い。
 部屋に荷物を置いてくるから三分待てと言い、食材と先生から貰った紙をアーネに渡して戻ってくると、既にトラブった奴らが訓練所に向かったとか。血気盛んが過ぎる。
 そんな事が当たり前のように発生して、解決して、ついでになんか色々巻き込まれて。
 諸々終わったのが深夜十一時。
 アーネにメッセージを飛ばすと、指示に変更があったらしく、一回《雷光》を部屋に返したと言う。細かい話はよく分からないが、とりあえず再開が明日の八時からというのは分かった。
 「んじゃちょっと片付けてから戻るわ。お前は先寝とけ。朝弱いんだから。……大丈夫だよ。ついでに身体動かして帰るだけだ。シャワーは使えるだろ?……うん、おやすみ」
 メッセージを切り、軽く息を吐いて呼びかける。
 「シャル、シャルー?」
 返事は無い。
 しばらく時間を置き、もう一度。
 「シャル、いるか?」
 やはり返事は無い。
 ここ最近、やけに静かだと思っていた。寝てるのか黙ってるのかは分からないが、言うことも無いんだろう。
 だが。
 「シャルレーゼ姉さんならこっちだよ。もうそっちにはいない」
 そう言われて振り返ると、もう一人の《勇者》がいた。
 聖学に来てからずっと、妙に会わないと思っていたらこんなタイミングで会う。普段はどこでどうしているのやら。
 「前々から、かなりこっちにいる時間が多かったんだけどな。もうほとんどパスが繋がらないんだと」
 「……それってつまり」
 「あぁ。兄さんが完全に《勇者私達》から独立したって事だな」
 そう言われ、自身の服の腕を捲り、やけに白い肌を見つめる。
 「第二血界──《血呪》」
 その言葉と共に、《勇者》の力を呼び起こす。
 戦技アーツと同じような感覚で発動したそれは、いつものように自身の身体に赤い紋様を刻み込む。
 「……問題は無いようだが?」
 「そりゃそうだろ。俺達とは違う《勇者》ってだけで、種族としては《勇者》なのは間違いないんだから。ただ、前も言ったと思うけど、何かが混ざってるだろうから、純粋な《勇者》とは言えないんだけどな」
 何かが俺に混ざっている。もっと言ってしまえば──
 「半端者、って事か」
 「オルドから生まれた正規の《勇者》が?冗談。そりゃ借り物の力に出来損ないの神の力を入れた俺達の方だろ」
 「混ぜ物をしてあってもか?」
 「混ぜ物をしたんじゃない。改良したんだろ」
 解釈の違いだ。そう《勇者》は言う。
 「なんでオルドがアンタを作ったのか、ようやく分かった気がする。あぁそうだ。きっとこうだろうよ」
 「あん?」
 「なぁ、お兄ちゃん。アンタ、義手とか作るんだよな。しかもカラクリ仕込みの」
 「まぁ。それがどうした?」
 イラつきの籠った声。けれどそれの向きは俺ではない。きっとその矛先はオルドの方へ。
 「もしも、去年作った義手よりも、今作った義手の方が性能のいい奴が出来たとするなら、試しに比べたりしないか?」
 「……まさか」
 「そういう事だろ。だってオルドは言ったんだよな?『手遊びだ』って」
 遊びで俺を作った。何故?何時でもできたはずのそれを、何故今?
 「新しく作り直した自分の《勇者》と、前の型の三神の《勇者》を競わせて、どっちが強いかで遊んでんだよ。アイツ」
 何故今なのか。
 ───グルーマルとの取引で得た機神の力を使うため。
 「今現在、俺の力は歴代《勇者》の中でもかなり強めだ。だが、初代《勇者》には遠く及ばない。ならばきっと、オルドはヴェナムの神力を全てグルーマルに返した訳じゃない。そうして手元に残った一部のヴェナムと、新しく得た機神の力。それらを混ぜ合わせ、自分の《勇者》として送り込んだ」
 いや、理屈としては理解出来る。力の総量もおよそ計算が合う。
 だが何故そんなことを?
 その言葉を口にするより先に、向こうが説明を続けた。
 「キッカケは多分、暇だったからとかそんなもんだろうよ。だって《聖女》が生まれ、戦争が膠着状態になっちまったんだからな。だから状況をまた動かすため、アンタが作られ、送り込まれた。それを見たグルーマルは、アンタを止めるために慌てて温存していた《勇者》を作った」
 辻褄が合う。とりあえずは。
 だが僅かに納得がいかない。
 「なら何故お前は俺を殺しにかからない?」
 「単純だ。今それをやるメリットがない」
 「俺を殺すために作られたのだろう?」
 「あぁ。でもメリットがねぇんだよ。今はな」
 出来る出来ない、やるやらないではなく、
 「………確認しよう。グルーマルはどうなっている?」
 「知らねぇ。だが、俺達を作る時に無理をしたんだろうな。こんな事してても呼び出しが一回も無い」
 「───。」
 ヴェナムはとっくの昔に死に滅び、システナは半身を捥がれて下界に堕とされ、最後の神であるグルーマルはどうなっているか全くの不明?
 こっちの陣営はもうズタボロじゃねぇか。
 いや、だがそのお陰で《勇者》と共同戦線を貼れる可能性があるのか。
 「だがな、いつまでこれが続くか分からねぇ。ひょっとしたらグルーマルは死んでるかもしれねぇし、ちょっと寝てるだけかもしれない。なんなら気が変わって全てを知った上でスルーしてんのかもしれねぇ。けどよ、今しかねぇんだ。アンタと手を組んで、《勇者》二人で《魔王》を討てるチャンスってのは」
 そう言って《勇者》が寄ってくる。
 「なぁ、教えてくれよ。俺はいつまで待てばいい?」
 その表情はどう形容したものか。
 悲愴と焦り。あと僅かな喜びもか?
 だがそれに答えることは出来ない。
 「悪いね。そいつはまだ教えらんねぇな。今言ったら俺をとっ捕まえてそこに行くだろ」
 その言葉に《勇者》は顔を顰める。
 「そっちに行ったんだろ?シャルが。そいつが黙ってるのが答えでもある。まだ待ってな」
 「……そうかよ」
 《勇者》はそう言って踵を返す。
 「気が変わったらいつでも呼んでくれ。俺にはきっと、アンタの声が届く」
 その後ろ姿は酷く小さく見えた。
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