大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

休戦と共闘

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数で負けていて、先手を取られていて、既に手の内の殆どを知られている上に負傷までしている状況で、仲間すら居ないような状況。
だから俺は賭けた。これから状況が悪くなるとしても、状況が動かないという詰みの状況から変動が起こるのなら、その隙に俺の側に流れを持ち込む事も出来るはず。
状況を整理しよう。
このままだと聖女サマが死ぬ。そうなると、能力の後継が出来ない《聖女》の力はシステナに還り、結界の維持が出来なくなる。
だから教会の爺さん及び《勇者》が結託し、《聖女》の力を俺の持つ理に封する事で管理をしようとした。爺さんの目的は《聖女》の力を教会が保持し続ける事で、《勇者》の目的は結界の維持。この二人の目的は相反しないし、《勇者》は誰がどう《聖女》の力を持とうと気にしない。
そしてシステナは自身が元に戻るため、足りない力を戻すため、《聖女》の力を欲している。
具体的にはフライナ・シグナリムが死にさえすれば、《聖女》の力は行き場を失い、システナに還ってくる。なので放置しておけば目的は達成出来たはず──なのだが、俺と教会の介入でそうはなりそうも無い。
つまり、システナはこの状況ならフライナ・シグナリムから力を移そうとする教会と敵対する。
だが、ここにもフライナ・シグナリムの生存は含まれていない。
最後に俺。目的はシンプル。フライナ・シグナリムの生存と、結界の維持。最終的にはこの場の全員と敵対しているが、《聖女》の力を教会に渡したくないシステナと、《聖女》の力が渡された結果フライナが死ぬ事を阻止したい俺とは一時的に手を組める。その後どうなるかは……少なくとも今は考えたくは無い。
「テメェっ!?」
「二対一は卑怯だろ?だったらせめて助っ人ぐらい呼ばせてくれ」
俺を睨む《勇者》に、精一杯の虚勢を張る。
「お前がシステナ様だと!?嘘をつくにしてももっとマシな嘘をつけ!!神の名を騙る愚か者が!!」
「名を名乗れと言われ名乗ったにも関わらず、それを騙る愚か者とまで言うか。貴様は一応、私への信仰を集めてはいたという実績がある。動機が歪んでいたとはいえ、実績は実績。今すぐ跪けば許すぞ」
唾を飛ばし激昂する爺さんと、それを下から見上げるような格好のシステナ。こちらから表情は見えないが、その声色は酷く落胆しているように聞こえる。
「何を言って──」
「システナぁ!!」
爺さんの言葉を遮り、意識を無理矢理こちらに向けさせる。
このまま儀式が進めばフライナはほぼ確実に死ぬだろう。
だが、さっきの爺さん達の話を信じるなら、今更止める方が不味いらしい。本当かどうかはさておき、もし止めて失敗したらが一番マズイ。その場合はシステナの一人勝ち。フライナは助からないし、結界も消える。これが一番最悪のパターンと言えるだろう。
だから、俺に今必要なのは何をすべきかを判断する材料。
どうしたらフライナが生き残れるか。どうしたら結界を維持出来るか。あの《聖女》の力を剥がしにかかっている秘継ぎとかいう儀式はどういう理屈で、何をしているからフライナが苦しんでいるのか。
着地点も見えなければ、過程も分からないし、《聖女》の身に何が起こっているのかもしっかり把握出来ているとは言い難い。
そして今、それを把握出来ている者がいるとすれば、爺さんとシステナの二人ぐらいのはず。
「この爺共は何しようとしてるのか教えろ!!」
「余に命令するな。殺すぞ」
そう言った瞬間、本気の殺気が俺に飛ぶ。
それは過去会った敵で言うなら、《魔王》に並ぶかそれ以上の物。
だが、言い換えればその程度。
本物の神と一度会ったあの時の畏怖と比べれば、全くもってちっぽけなもの。
「やってみろよ。その間に儀式が終わるぜ」
そう言って長剣を《勇者》に投げ返し、自身は床に刺さった銀剣を髪で引き抜く。
敵に武器を渡すデメリットと、万が一この瞬間システナと敵対した場合のリスクを秤に掛け、後者の方がマズいと判断した。
「儀式が終われば《聖女》の力が理に封じられるらしい。そうなったらお前……どうなるんだろうな」
カマかけのような事実確認。それを言うと、システナは憎々しげに俺を睨め返し、爺さんの方に向き直った。
「とっとと教えろ。あのままだとフライナは死ぬだろ。俺はフライナが死ぬのは嫌なんだ。場合によっちゃ一時的に手を組む」
そう言った直後、《勇者》がシステナ目掛けて一気に踏み込んだ。
「チッ」
行動が早い。俺も踏み込み、マキナを展開しつつ戦闘へ。
下から掬い上げるように繰り出される長剣の一撃は尋常ではない速度。銀剣では間に合わないと判断し、剣を手放してマキナを纏った脚の側面で受け流す。代わりにさらに踏み込んで掌底を顔へ放つ。
その一連の動きに何やら光る魔法が飛んでくるが、それは俺の魔法返しで勝手に消える。
「なんっ!?」
爺さんの方から驚きの声が聞こえるが、俺と《勇者》にとっては何も驚くことも無い。
だが横槍は面倒だ。髪で縛ってやろうかと思った瞬間、どうも僅かに動きが鈍ったらしい。
顔に直撃するはずだった掌底が《勇者》の手に阻まれ、ズレる。
「んお」
そのまま密着戦。相手の方が生身のリーチがあるからこの間合いは俺に有利なだけなはずだが、互いに当てたら致命傷の《血刃》がある。
俺は触れさえすれば。相手は触れられて傷口さえ出来てしまえば、そこから血が出て刃になる。
「出せよ、第三」
「馬鹿言え。俺の方が不利だろが」
《勇者》のセリフに冷や汗をかきながら答える。
俺は自身のスキルで身体の表面を開き、傷口を作って血刃を作れるが、リーチは短い。
一方で《勇者》は自身ないしは相手によって傷を付けられないと血刃は発動出来ないが、《勇者》としての資質はあちらの方が上。
俺の短剣サイズの血刃だと、相手を負傷させるのは問題ないが、一撃で沈めるとなると心臓や頭を狙う必要がある。だが、奴の血刃なら俺の血刃を受けて開いた傷口から、長剣サイズの血刃を出して受けたダメージ以上の傷を負わせることも可能。
つまり、この距離ならこいつを傷つけてはいけないのだ。
俺は相手を傷つけられないし、相手は鎧に包まれたこちらを傷つける手段がない。
結果、僅かに膠着状態が生まれ、互いが同時に次の回答へと移った。
「「第二血界」」
身体に刻まれる黒の刻印。それが全身を覆う前に、俺と《勇者》の間に赤い壁が生まれ、互いを弾き飛ばす。
「くっ」
「なるほど、状況は凡そ分かった。いや、分かっておったがな」
俺の後方からシステナがそう言う。
「……奴の身体から《聖女》の力を千切り取っておる。貴様らとは違って《聖女》の力は後から付与される物だからな。だが、それも時を経れば同化が始まる。あの男の術式は、女の身体から女の中身と《聖女》の力を一緒くたに引っ張り出しているものだ」
「で?引っ張り出して?」
「さぁな。だが、奴らからすれば必要なのは《聖女》の力の方。器であった女の方は不要なのだから、《聖女》の力を決して無くさないようにまとめて引っこ抜いて、別の器に入れるのだろう」
…………なるほど?分かりやすく魂という言葉を使用して考える。
現在、フライナの魂と《聖女》の力が時間の経過によって、ほぼ同化して在る状態だ。
教会としては《聖女》としての力だけが欲しいのだが、それだけを剥がそうとしても、同化したフライナの魂も一緒に持っていかれる。だから死ぬ。
一方で、教会からすればフライナの魂自体は別に必要では無いはず。本当に欲しいのは《聖女》の力であり、これを損ないたくないからこそ、同化しているフライナの魂ごと剥ぎ取り、理に入れようとしている訳だ。
ならば、その二つを綺麗に切り分けれれば、フライナは生き残り、結界も残せるはず。
何をすべきか、と言うのは見えた。
つまり、必須条件としてフライナの魂と《聖女》の力を完全に分離させないとならないわけだ。
加えて、それは不可能に片足を突っ込んだような尋常ではできない話であることも理解出来た。
「手を組め。あの術式を止めるところまででいい」
「そんなもの、余一人で全て済む。手を組む必要は無い」
「良いのか?背中からバッサリ行くぞ」
そう言うと、明らかに嫌そうな顔をする。
システナも向こうも、俺の目的を理解している。だからどこまで協力出来るかを理解出来るし、同時にやはり協力は出来ないと言うことも理解している。
俺が本当に手を組むべきはこいつでは無い。
「……手を組むのでは無い。休戦協定だ」
「背中からぶち抜かれないだけマシだ。それでいい」
流石の魔法返しと言えど、絞りカスとはいえ神が放つ魔法に耐えられるとは思えない。その可能性が一時的とはいえ無くなるのは素直に有難い。
「斬られるぞ」
システナがそう言った直後、赤い血界が切り刻まれ、粒子となって消える。
第三血界《血刃》。俺のでさえ斬る事が出来たのだ。向こうの《勇者》が出来ない訳が無い。
「まずはあのおっさんを止める!!」
銀剣を双刃にして、分かりやすくそう宣言する。
システナがこの場に現れて恐らく一分程。聖女サマの体力がどれだけ持つか分からないが、明らかに死に近づいているのが遠目に分かる。
位置的には俺の後ろにシステナが居て、すぐ目の前に凄まじい形相をした《勇者》、その後ろに怯えた顔の爺さん。で、その爺さんのすぐ後ろに金剣が刺さっていて、その横でおっさんが聖女サマに例の術式を使っている状態。
室内はかなり広いが、デカい魔法等を使うと確実に全員が巻き込まれる。だが、近接戦闘をする分にはさして問題は無い。
「……よくもまぁ、こんなに無茶苦茶をしてくれたもんだな、お兄ちゃんよ」
そう言う《勇者》の真横を、第二血界を発動した脚力で通り抜けようとして、正面切って止められる。
「あ?」
マジか。振り下ろした双刃が止められた。なんでこの長剣折れねぇんだよ。
「行かせねぇよ。ヒトの未来が懸かってんだからよ」
「未来を理由に今を殺すなよ」
「救いたいを理由に盲目になるなよ。救える数には限りがある」
「知ってるよ。痛い程に。身の程知らずだって事は。でもよ」
軽く飛び上がり、空中で身を捻って双刃の峰を蹴り落とす。
ギャガァン!!と聞いた事のない凄まじい音と共に双刃が滑り、長剣の切っ先を下に向けさせ、《勇者》の体勢も崩させる。
「!」
「俺の救いたいの原動力は《聖女この人》から始まってんだよ!!」
泣いていたから止めてあげたかった。
泣いていたけど止められなかった。
戦い守る英雄になろうとしたし、心の支えになろうともした。
実際は戦い殺す勇者だったし、ただ心に寄り添おうとするのさえ困難だった。
この人を守ろうとして、けど実際はずっと結界に守られ続けていたのはどうしようもなく俺で、俺達だった。
「だからよ」
双刃を即座に解除。剣を一本だけ握り、体勢を崩した《勇者》の横っ面に、思いっきり叩きつける。
「ここで助けなきゃ、俺は俺を信じれなくなっちまうだろ!!」
非常に重く、鈍い手応え。
硬く重い金属が、頭蓋骨を真横からぶっ叩いた感触だ。
砕けるような感覚はしなかったので、多分死んではないだろう。
「どけジジイ!!」
「ひっ!」
気迫で爺さんを退かしつつ、銀剣の表面を擦り合い、解放の詠唱を始める。
「名無しの紡ぎ手が《連》を断つ楔のつるぎを呼び起こす──」
銀剣から発光。同時に、背後から殺気。
ばっ!と振り返ると、視界一杯に広がる巨大な氷の柱。人の背丈ほどもある、明らかに魔法で作られたそれが、俺の方へと目掛けて放たれていた。
「!」
不味い。超至近距離。受け流すのは不可能、回避は──そこで気づく。
俺と爺さんとおっさんが一直線に並ぶこのラインを、巨大な氷柱が貫くという事に。
腰を抜かした爺さんはこれを止められるか?
術式真っ最中のおっさんはこれを躱せるのか?
「──全てに打ち勝つ《吼破こうは》の連となりて!!」
両手で持つ双銀剣を、胸の前で×の字を描くように振る。
銀剣の質量の大半を占める銀の鞘が、ロックの解除と同時に飛び出し、氷柱に突き刺さる。
が、足りない。サイズがデカ過ぎる。それでも、勢いをほんの僅かに殺す事は出来た。
だったら。
「《始眼》っ」
発動と同時に、持っている黒剣の性能も相まって、氷柱が簡単に切断出来る、本当にただの氷の柱である事が理解出来た。
なら。
「ッッ!!」
左右の黒剣を二度ずつ、四度振る。
それだけで巨大な氷柱は氷のブロックになり、それを思い切り蹴飛ばせば、空中で蹴り砕ける。
「テメェっ、システナ!!」
「援護のつもりだ。そこの女には当てんよ」
どの口が。明らかに俺ごと全部殺すつもりだっただろ。
そして、その僅かな攻防の間に、《勇者》が起き上がる。
「やめろ!何をする気だ!!」
「《聖女》の力とフライナの魂を切り分ける。そうすりゃ問題ないだろ?」
「出来るわけないだろ!もう同化してる!それに、それで失敗すれば、不完全な力しか取り出せない!結界の維持が出来なくなるか、良くても結界の規模は大きく縮小する!一体どれだけの被害が出るか!」
「ほう、面白いことを言うな。だがそれは余の望む事では無い」
そう言って、女神を中心に、大量の魔力が渦巻き始める。
だが。
「動くなシステナ。今お前が俺を狙えば、俺はこの儀式を最後までやらせるぞ」
「嘘が下手だな《勇者》。今貴様が言っただろう?貴様自身、その女を見殺しには絶対しないと」
「あぁ言った。だから俺は俺で全力を尽くす。だが、そこの《勇者》を倒す必要も無い訳だ。協力してくれるなら、な?」
「お前っ……!?」
「二つに一つだぞ、《勇者》。俺をこの場で仕留めて、システナも仕留めるか、俺と手を組んで、システナを黙らせるか」
「……ジンディロ!」
《勇者》がそう言うと、玉のような汗を流しながら、おっさんが答える。
「もうあと一分はかかるかと……!」
「じゃあ三秒で決めろ」
いつの間にか腰にある銀の鞘に黒剣を仕舞い、いつでも抜き放ち、撫で斬りに出来るよう準備をする。
「三、二、一」
「分かったよ兄ちゃん!アンタに付く!」
あぁそうだよな。《勇者》ならそう言うしかないよな。
「よく言った。
「──は?」
と言って、くるりとシステナに背を向ける。
「ほう?舐めておるな?貴様。仮にも余は神であるぞ」
「ちょっ、お兄ちゃん!?」
「俺は今からフライナの魂と《聖女》の力を分けて斬る。ちょっと時間掛かるから、時間稼ぎ頼むな」
「嵌めたな!?」
「サポートはしてやる。勝てとは言わんが、それで時間稼ぎぐらいは出来るだろ」
と言って、マキナを《勇者》に纏わせる。
「なんっ!?は……?」
「出し惜しみはしなくていい。全部全部出し切るつもりでやれ。ただし、絶対に俺のところに何も飛ばすなよ」
「無茶苦茶言うな!?」
と言った直後、室内を焼き焦がすような大紅蓮が放たれ、《勇者》の鎖によって弾き返される。
「漫才は他所でやれ。あるいは漫才をしたまま死ね。余の邪魔をするなど不愉快極まりない」
「っっっっぶな!?」
「やれば出来るじゃねぇか。そのまま頼んだ。俺は今からそれ以上の無理難題をやろうってんだからよ」
と言って、今度こそ視線を完全に二人から外し、おっさんが持ち上げる力に視線を向ける。
「な、何を……?」
「アンタはそのまま続けてくれ。俺は俺で勝手にやるから」
そう言って、再度始眼を発動する。
無手なら手刀で斬れる物を。金属の剣ならそれで斬れる物を。全てを斬る黒剣なら、重力や風向きさえも斬ってみせるこの眼が、聖女サマの身体から浮かび上がるソレを捉える。
「────。」
見えるラインはたった一本。
一度見てすぐに気づいた。白く輝く魂と《聖女》の力の混合体、それを真っ二つにするように引かれたその線は、魂と力を切り分ける為の線では無い。
ただその魂と力を
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