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本編
戦利品と機嫌
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空が白み始めたな、と頭の隅っこで考え始めた頃には魔獣の密度が下がり、眩しいと思った頃には魔獣の方が逃げ始めていた。
『これで最後だな』
『よっ、こいせ!』
豪快に脳天から股下まで叩き切り、飛び出る内臓と血を軽く避けて辺りを見渡す。
『………くっせぇ。風呂入りてぇな』
袋から水を取り出し、二度喉を鳴らして胃袋へと水を落とす。
『マキナ、この辺りなんだよな?』
『はい・マスター・指定された座標は・ここから約三キロ離れた地点ですが・反応はありません』
ふむ、そうかそうか。
『#やっぱり外れだったかぁ__・__……』
『やっぱり?やっぱりってどういう事だ今代の』
『別に。そのままの意味だ』
んー、一応システナも拾ってきた方がいい……よな?面倒事の塊とはいえ、アレをほっといたら尚更面倒事になりそうだし。触らぬ神に祟りなしとはよく言うが、それって裏ひっくり返したら「触れたらもうアウトだから」って言葉だよな。ほっといたら本当に祟られそう。
『やれやれ……頭だの証拠になりそうな部位は……あんまり無いな』
『おい、それよりやっぱり外れってのは』
自分の雑な殺し方にやや辟易しつつ、それでもマシそうなものを拾って袋の中に入れる。初日に気づいたが、この袋の中にいくら物を入れても膨らんだり重くなったりしないようだ。便利だな。
これはダメ、これなら大丈夫か…?なんてやりながら切り進んで来た道を戻り、シャルの言葉に答えを示す。
『俺達があそこの坂の上にいた時にな、見えなかったんだよ。かなり暗かったのに』
『何がだ?』
『炎』
『炎……?』
言ってから『あっ』と声。シャルも気づいたらしい。
『アーネの魔法か』
『そ。少数対多数なら、アーネの魔法を爆発させりゃ一発で戦況が変わるだろうよ。あいつの魔法とスキルはそれが出来るし、他のメンバーも分かってるはずだ。なのにそれが見えないってのはおかしいよな?』
お、意外とタコ頭の首が綺麗に残ってた。少しぬめぬめするが、我慢して袋に詰める。
『食われた可能性は?』
『いくら魔獣でも丸呑みとかは基本的に無いよ。それに、そうなったら抵抗しただろ。手負いの魔獣がいなかったし、まさか金属製のクソデカい鎚だのクソ長い槍だのも食える奴がいるか?そう言うのも含めて転がってなかったしな』
『つまり?』
『ハメられた。完全に』
そうだ、そもそも初日に変な所に飛ばされたじゃないか。
誰が、何のためにかは分からないが──
『誰かが俺を──あるいは一班を狙っている可能性が高い』
あぁクソ、イライラする。
「貴様!遅いではないか!何時間此処で待っていたと思っておる?」
『悪かったな。掃討に時間がかかった…さて、行くぞ』
「むぅ、分かったが貴様、少々臭うぞ」
文句を言う神サマを無視して歩き始める。流石に俺が触れるのは嫌がるだろうし。
『マキナ』
『はい・何でしょうか』
『メッセージだ。今すぐ』
『これで最後だな』
『よっ、こいせ!』
豪快に脳天から股下まで叩き切り、飛び出る内臓と血を軽く避けて辺りを見渡す。
『………くっせぇ。風呂入りてぇな』
袋から水を取り出し、二度喉を鳴らして胃袋へと水を落とす。
『マキナ、この辺りなんだよな?』
『はい・マスター・指定された座標は・ここから約三キロ離れた地点ですが・反応はありません』
ふむ、そうかそうか。
『#やっぱり外れだったかぁ__・__……』
『やっぱり?やっぱりってどういう事だ今代の』
『別に。そのままの意味だ』
んー、一応システナも拾ってきた方がいい……よな?面倒事の塊とはいえ、アレをほっといたら尚更面倒事になりそうだし。触らぬ神に祟りなしとはよく言うが、それって裏ひっくり返したら「触れたらもうアウトだから」って言葉だよな。ほっといたら本当に祟られそう。
『やれやれ……頭だの証拠になりそうな部位は……あんまり無いな』
『おい、それよりやっぱり外れってのは』
自分の雑な殺し方にやや辟易しつつ、それでもマシそうなものを拾って袋の中に入れる。初日に気づいたが、この袋の中にいくら物を入れても膨らんだり重くなったりしないようだ。便利だな。
これはダメ、これなら大丈夫か…?なんてやりながら切り進んで来た道を戻り、シャルの言葉に答えを示す。
『俺達があそこの坂の上にいた時にな、見えなかったんだよ。かなり暗かったのに』
『何がだ?』
『炎』
『炎……?』
言ってから『あっ』と声。シャルも気づいたらしい。
『アーネの魔法か』
『そ。少数対多数なら、アーネの魔法を爆発させりゃ一発で戦況が変わるだろうよ。あいつの魔法とスキルはそれが出来るし、他のメンバーも分かってるはずだ。なのにそれが見えないってのはおかしいよな?』
お、意外とタコ頭の首が綺麗に残ってた。少しぬめぬめするが、我慢して袋に詰める。
『食われた可能性は?』
『いくら魔獣でも丸呑みとかは基本的に無いよ。それに、そうなったら抵抗しただろ。手負いの魔獣がいなかったし、まさか金属製のクソデカい鎚だのクソ長い槍だのも食える奴がいるか?そう言うのも含めて転がってなかったしな』
『つまり?』
『ハメられた。完全に』
そうだ、そもそも初日に変な所に飛ばされたじゃないか。
誰が、何のためにかは分からないが──
『誰かが俺を──あるいは一班を狙っている可能性が高い』
あぁクソ、イライラする。
「貴様!遅いではないか!何時間此処で待っていたと思っておる?」
『悪かったな。掃討に時間がかかった…さて、行くぞ』
「むぅ、分かったが貴様、少々臭うぞ」
文句を言う神サマを無視して歩き始める。流石に俺が触れるのは嫌がるだろうし。
『マキナ』
『はい・何でしょうか』
『メッセージだ。今すぐ』
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