大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

看護と情報

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《黒法師》に聞きたいことが山ほど出来たが、それを聞く前に先生がすっ飛んできて、悲鳴(この時は女だった)を上げた。
俺と《黒法師》をベッドの上で並べて正座させ、一時間ほど俺達の身体が今どういう状況になっているのかをじっくりとっくり聞かされ、最終的に何故か先生が泣いていた。何故だ。
《黒法師》に軽く回復魔法を使い、俺に薬を何種類か飲ませたりした後、先生から一言。
「とりあえず、リザちゃんはもう出てってもいいわよ。一日ぐらいならここにいてもいいけど、怪我そのものは大したことないわ。けどレィアくん?君は絶対ダメだからね?というかリザちゃん、私今日一日、手が離せない仕事があるのよ。監視兼看護、お願いできるかしら?一応救護班でもあったわよね?あなた。今の所、保健室には彼しかいないから…出来るかしら?」
………んえ?
「ちょいまち先生、俺をぶっ殺そうとしたおっかねぇ《死神》に看護を任せるのか?俺死ぬの?」
「あら、大丈夫よ。じゃなきゃ男の子の上に跨って息を荒らげたりはしないでしょう?」
「その言い方はやめようか。非常に危ない言い回しだ」
何だろう、何一つ間違っちゃいないが凄く危ない。
『…………分かりました。それでは今日一日、《緋眼騎士》の看護をしておきます。お仕事頑張ってください』
「ありがと。薬はここに書いてあるから、お願いね。救護班はそれなりに勝手に動かしていいわ」
「あっ、おい」
そう言って先生が保健室から出ていく。というか、救護班って先生の管理下にあったのか。そして《黒法師》が救護班にいるということは、治癒魔法が使えるか、回復魔法が高い水準で使えるのだろう。羨ましい事だ。
仕方ない、起きるには少し早いし、疲れているアイツを起こすのは少し心苦しいが、万が一があると怖い。こっそりマキナにアーネを呼んできてもらおう。
「………マキナ、アーネにメッセ」
ちょんちょん、と控えめに俺の肩に触れられ、心臓が飛び出るかと思った。
『昨晩は本当に申し訳ありませんでした』
「な、あ?え、うん、ああ。いや、うんじゃねぇや。ちょっと待て、俺も色々と混乱してるから」
主に今のちょんちょんで。
「え、何、お前も誰かから裏切り者探しネズミ狩りを依頼されたのか?」
『はい、ハウナ様に』
ハウナ………………………………………あぁ、フィール・ハウナ?入学式に喋ったアレ?
「そうか、俺は……」
あれ、俺はこれ言っていいのか?
《神剣》の爺さんと聖女サマにお願いされたが、一応内密にみたいな話じゃ無かったっけ。
まぁいいか。信用を得るためならバラしちまった方がいいだろう。
「《神剣》のヴァルクス・レムナントだよ」
『あの御仁があなたに…?……失礼しました。ともかく情報を色々と共有しませんか?』
「…まぁ、構わねぇが」
俺、何も調べてねぇんだけど。
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