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本編
条件と手紙
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次の土曜の昼頃、学校が認めるものとして俺とアンジェの決闘が開催されることとなった。
ルールはいつも通り。いつもと違うことは──学生間の私闘ではなく、学校が割と本気で手を貸しているということだろうか。
ひどく極端に言うと見世物だ。
まぁ、二つ名持ちの決闘となると、そうなることは多いのだが、見逃す者も出てくる。が、今回は学校側がそれなりに宣伝などもしたため、学校内で聞いていないものはいないだろう。
俺が勝ったら、アンジェが勝ったら、と言うものは一応ない。理由として、アンジェはどうも戦い、俺に勝つことそのものが目的であるらしいためである事、逆に俺はアンジェに要求してまで欲しいものが特にないからだ。
まぁ、代わりと言っちゃあなんだが、俺は学校長にそれなりに大きな対価を貰うつもりではあるが。内容についちゃまだ決めてないが…借りとして残しておくのも良いだろう。
今回の学校長の思惑はわかりやすい。単純に言ってしまえば《剣姫》の負けを、俺の勝ちで塗り替えてしまおうという魂胆だろう。これだけ強く宣伝すれば、そちらに興味が向けられるのは当然だろうし、これに俺が勝てればアンジェが西学に戻った時に吹聴は出来ないだろう。
──「──私が次に求めるのはっ、」
──「《緋眼騎士》ィ!!アンタの泣きっ面だ!!」
そう宣言していたんだ、恐らく《剣姫》に勝ったのは俺と再戦するために勝ったのだろう。
実際、アンジェの話を最初から聞いていたヤツらに聞いてみるとそのような事を言っていたらしいし、今朝の話でもそのような事は伺えた。
もしもアンジェが西学に戻って《剣姫》に勝った、と言う話をするならば、それとセットで《緋眼騎士》に負けたと言う話をしなければならない──そういう事を狙っているのだろう、あの学校長は。
それをクリアするためには、ただ勝つだけではダメだ。条件がある。
俺が圧倒的な力量差で勝つこと。
あるいは、アンジェの心が完膚なきまでに折れること。
向こうで話せないほどに。
「全く、面倒な話だ」
夕飯を終えて部屋に戻ると、一通の白い封筒が机の上に置いてある。
「ん?」
どれ、手に取って調べてみるか。
見た所、封筒そのものには何も書いてない。誰宛かも分からない。灯りに透かしてみるが、やや厚めらしい。
アーネが書いた手紙…ではないだろうな。書いてる素振りはなかったし。そのアーネは部屋に着くなり風呂へと直行。シエルも一緒に風呂へ行った。
そもそもここじゃあ手紙より遠距離メッセージの方が使われる。郵便屋もいないしな。
よし、開けよう。特に封もされてないし。
という訳で開いた手紙だが──こっちも真っ白?
「……ん?」
今なんか、ここん所だけ質感が違っ──
あー、そういう事か。このツルツルの所だけを読めと?
こんな手の込んだ事をするのは学校長…か。オートロックの部屋に入れるのはそれぐらいしか想像がつかんしな。
どう言う内容かはまだ分からないが、こんな面倒な事をしているんだ、よっぽど見られたくない内容なんだろう。誰も居ないうちに読んでしまうか。
ルールはいつも通り。いつもと違うことは──学生間の私闘ではなく、学校が割と本気で手を貸しているということだろうか。
ひどく極端に言うと見世物だ。
まぁ、二つ名持ちの決闘となると、そうなることは多いのだが、見逃す者も出てくる。が、今回は学校側がそれなりに宣伝などもしたため、学校内で聞いていないものはいないだろう。
俺が勝ったら、アンジェが勝ったら、と言うものは一応ない。理由として、アンジェはどうも戦い、俺に勝つことそのものが目的であるらしいためである事、逆に俺はアンジェに要求してまで欲しいものが特にないからだ。
まぁ、代わりと言っちゃあなんだが、俺は学校長にそれなりに大きな対価を貰うつもりではあるが。内容についちゃまだ決めてないが…借りとして残しておくのも良いだろう。
今回の学校長の思惑はわかりやすい。単純に言ってしまえば《剣姫》の負けを、俺の勝ちで塗り替えてしまおうという魂胆だろう。これだけ強く宣伝すれば、そちらに興味が向けられるのは当然だろうし、これに俺が勝てればアンジェが西学に戻った時に吹聴は出来ないだろう。
──「──私が次に求めるのはっ、」
──「《緋眼騎士》ィ!!アンタの泣きっ面だ!!」
そう宣言していたんだ、恐らく《剣姫》に勝ったのは俺と再戦するために勝ったのだろう。
実際、アンジェの話を最初から聞いていたヤツらに聞いてみるとそのような事を言っていたらしいし、今朝の話でもそのような事は伺えた。
もしもアンジェが西学に戻って《剣姫》に勝った、と言う話をするならば、それとセットで《緋眼騎士》に負けたと言う話をしなければならない──そういう事を狙っているのだろう、あの学校長は。
それをクリアするためには、ただ勝つだけではダメだ。条件がある。
俺が圧倒的な力量差で勝つこと。
あるいは、アンジェの心が完膚なきまでに折れること。
向こうで話せないほどに。
「全く、面倒な話だ」
夕飯を終えて部屋に戻ると、一通の白い封筒が机の上に置いてある。
「ん?」
どれ、手に取って調べてみるか。
見た所、封筒そのものには何も書いてない。誰宛かも分からない。灯りに透かしてみるが、やや厚めらしい。
アーネが書いた手紙…ではないだろうな。書いてる素振りはなかったし。そのアーネは部屋に着くなり風呂へと直行。シエルも一緒に風呂へ行った。
そもそもここじゃあ手紙より遠距離メッセージの方が使われる。郵便屋もいないしな。
よし、開けよう。特に封もされてないし。
という訳で開いた手紙だが──こっちも真っ白?
「……ん?」
今なんか、ここん所だけ質感が違っ──
あー、そういう事か。このツルツルの所だけを読めと?
こんな手の込んだ事をするのは学校長…か。オートロックの部屋に入れるのはそれぐらいしか想像がつかんしな。
どう言う内容かはまだ分からないが、こんな面倒な事をしているんだ、よっぽど見られたくない内容なんだろう。誰も居ないうちに読んでしまうか。
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