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本編
早朝と訪問者
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「貴方、朝食に行きますわよ」
「え?あぁ、先に行っててくれ」
翌日、アーネとシエルを起こして支度を整えた後、不意に直感が働いた。
なんか今、食堂に行ったらヤバい気がする。勘だけど。
こういう時に限ってシャルは居ない。多分まだ寝てる。
けどまぁ…大方アイツだろうと予想はつく。青色の頭と目のアイツ。
「どうかしましたの?」
「んー、ちょっとな。すぐ行くから、先に済ませててもいいぞ」
「………おかあさん、ごはん、いっしょじゃないの?」
「悪いな、シエル」
頭をわしゃわしゃと撫で、いつものようにご機嫌を取ろうとするが、今日は頬を膨らませたまま。どうしたものか。
どうしようも無くなり、暫く撫で続けていると、シエルが自分から俺の手を退かし、こう言った。
「………ぎゅー、って、して?」
それぐらいならと抱きしめてやると、今度は満足したらしい。
「………アーネ、いこ?」
と言って自分から進んで食堂に行った。もちろんアーネを引き連れて。
「…何だったんだ?」
まぁいいか。
さて、今のうちにやるべき事…は、特にないんだよな…
どのぐらい時間を潰そうか。アーネの事だし、飯は大体二十分もあれば終わるだろ。アーネの飯が終わる頃に俺も食堂に向かうとして…俺も飯食う時間考えると、結構ギリギリだな、おい。
まぁ、今日は礼儀作法だし、最悪逃げても…いや、一昨日も逃げたから不味いか。
コンコン。
「ん?」
誰だ、こんな時間に。
無視しようかとも思ったが、ノックはまだ続いている。
………これ、俺がいるって分かってるな。
出るしかないか。
「…はいはい、何用だ?」
特に何も考えずにドアノブを捻ると、つい昨日も見た青い頭。
「あ、《緋眼騎士》、「あばよ」
バタン!!と大きな音を立てて全力で戸を閉め、代わりに窓を開いて脱出を──
「ちょっと待ったぁ!!」
する前にアンジェに捕まえられた。
飛び出す寸前の俺の襟を掴んで。
「ぐぇっ!?」
馬鹿なっ!?扉は閉めたはず!?
「お、女の子のつま先を一瞬の躊躇も無く潰すのはちょーっとどうかなー?」
こ、この女ァ…部屋の戸を開けた瞬間に足を内側に入れてやがったのか!
「つかなんでお前が俺の部屋知ってんだよ…!」
あと、手を離してくれませんかね?襟が伸びそう。数少ない私服をこれ以上減らさんでくれ。
「丁度廊下でアーネさんとすれ違って話を聞いてみれば、《緋眼騎士》は部屋にいるって答えてくれたよ!」
アーネかよ!しかも御丁寧に部屋番号まで教えやがって!!
「チッ、まぁ仕方ない。とりあえず離してくれ。服がダメになる」
「…逃げない?」
「あぁもちろん。あと時間が無い。手短にな」
「…わかった」
そう言ってアンジェが手を離した瞬間──
「すまん、あれは嘘だ」
こっそり外に伸ばしておいた髪を利用し、身体を一瞬で部屋の外に。そこから流れるように上の階へ──
「あっ!ちょっと!私の話を聞いて──」
アンジェは窓の縁に足をかけ──
「よっ!!」
いともたやすく大跳躍、俺を追い越し、上から落下しながら俺にしがみついてきた。
「んなっ!?」
そして突然の重量増加に、俺の髪は耐えきれない。
当然、壁から簡単に離れ──
「馬鹿あああああああああああ!?」
「ごめんなさいいいいいいいい!!」
落ちた。
「え?あぁ、先に行っててくれ」
翌日、アーネとシエルを起こして支度を整えた後、不意に直感が働いた。
なんか今、食堂に行ったらヤバい気がする。勘だけど。
こういう時に限ってシャルは居ない。多分まだ寝てる。
けどまぁ…大方アイツだろうと予想はつく。青色の頭と目のアイツ。
「どうかしましたの?」
「んー、ちょっとな。すぐ行くから、先に済ませててもいいぞ」
「………おかあさん、ごはん、いっしょじゃないの?」
「悪いな、シエル」
頭をわしゃわしゃと撫で、いつものようにご機嫌を取ろうとするが、今日は頬を膨らませたまま。どうしたものか。
どうしようも無くなり、暫く撫で続けていると、シエルが自分から俺の手を退かし、こう言った。
「………ぎゅー、って、して?」
それぐらいならと抱きしめてやると、今度は満足したらしい。
「………アーネ、いこ?」
と言って自分から進んで食堂に行った。もちろんアーネを引き連れて。
「…何だったんだ?」
まぁいいか。
さて、今のうちにやるべき事…は、特にないんだよな…
どのぐらい時間を潰そうか。アーネの事だし、飯は大体二十分もあれば終わるだろ。アーネの飯が終わる頃に俺も食堂に向かうとして…俺も飯食う時間考えると、結構ギリギリだな、おい。
まぁ、今日は礼儀作法だし、最悪逃げても…いや、一昨日も逃げたから不味いか。
コンコン。
「ん?」
誰だ、こんな時間に。
無視しようかとも思ったが、ノックはまだ続いている。
………これ、俺がいるって分かってるな。
出るしかないか。
「…はいはい、何用だ?」
特に何も考えずにドアノブを捻ると、つい昨日も見た青い頭。
「あ、《緋眼騎士》、「あばよ」
バタン!!と大きな音を立てて全力で戸を閉め、代わりに窓を開いて脱出を──
「ちょっと待ったぁ!!」
する前にアンジェに捕まえられた。
飛び出す寸前の俺の襟を掴んで。
「ぐぇっ!?」
馬鹿なっ!?扉は閉めたはず!?
「お、女の子のつま先を一瞬の躊躇も無く潰すのはちょーっとどうかなー?」
こ、この女ァ…部屋の戸を開けた瞬間に足を内側に入れてやがったのか!
「つかなんでお前が俺の部屋知ってんだよ…!」
あと、手を離してくれませんかね?襟が伸びそう。数少ない私服をこれ以上減らさんでくれ。
「丁度廊下でアーネさんとすれ違って話を聞いてみれば、《緋眼騎士》は部屋にいるって答えてくれたよ!」
アーネかよ!しかも御丁寧に部屋番号まで教えやがって!!
「チッ、まぁ仕方ない。とりあえず離してくれ。服がダメになる」
「…逃げない?」
「あぁもちろん。あと時間が無い。手短にな」
「…わかった」
そう言ってアンジェが手を離した瞬間──
「すまん、あれは嘘だ」
こっそり外に伸ばしておいた髪を利用し、身体を一瞬で部屋の外に。そこから流れるように上の階へ──
「あっ!ちょっと!私の話を聞いて──」
アンジェは窓の縁に足をかけ──
「よっ!!」
いともたやすく大跳躍、俺を追い越し、上から落下しながら俺にしがみついてきた。
「んなっ!?」
そして突然の重量増加に、俺の髪は耐えきれない。
当然、壁から簡単に離れ──
「馬鹿あああああああああああ!?」
「ごめんなさいいいいいいいい!!」
落ちた。
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