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本編
食事と理由
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さて、ここで一度話をまとめようか。
元々聖学には《シェパード》と《キャット・シー》、二つの派閥があって、今現在その《キャット・シー》のリーダー格が《シェパード》へと移ったため、《キャット・シー》が弱体化。一般生徒もほとんどが《シェパード》の方へとついた。
これを期に完全に潰そうとする《シェパード》と、そうはさせまいと必死で存続させようとする《キャット・シー》。
そして《キャット・シー》が新しいメンバーを少しばかり強引な手段で補充しようとした時に《剣姫》が問題発言、第三の派閥《フェンリル》に入るとのたまった。
で、《シェパード》にも《キャット・シー》にも所属していない二つ名持ちは俺のみ、作るではなく入るとなると…既存の何かに所属するという事で…。
『なるほど、今起きたがそういう訳で今代のが不機嫌だったのか』
シャルか。お前いつも朝遅いよな。
『お前が早いんだっつーの』
シャルとの会話に集中していると、ちょいちょい、と俺の手を叩く何かが。
視線を俺の手元に向けると白く細い手。アーネの手だ。
「あぁ、はいはい。ほれ、あーん」
こいつ、もう元気だろうにいつまで経っても俺の手から飯食ってやがるし。シエルでも中々こんな事をしないぞ。
まぁ。
「………、………、……?」
「…いや、何でもない」
よく咀嚼し、味わいながら嚥下。満足げに食ってる姿見ると「別にいいか」と思ってしまうあたり何かに毒されている気がしないでもない。
それはさておき。
『派閥の話だろ?今代のは特に何もしてないよな?』
する訳ねぇだろ。最近は学校長からの依頼も無かったし、特にどっちかの派閥に肩入れしてた訳でもないし。
《剣姫》がそう吹聴するメリットって何かあるか?
『新派閥に入るって事か?…んー…どっちの派閥も嫌いだからとか?』
それなら派閥に入らないって宣言すればいいんじゃね?俺の時は完全に取り合いだったけど、今回に限れば《犬》は《猫》を潰すことに全力で力注いでるんだから、《不動荒野》か《黒法師》と決闘して勝てば………難しいか?
『さぁ?《黒法師》の戦いはお前ほとんど見てないだろ。お前が知らねぇなら俺も知らねぇなぁ』
だよな…となると理由は…。
ダメだ、分からん。情報が少ないというか、知らないことが多すぎる。
ラウクムくん辺りが何か知ってるだろうか。
『やたら回りくどいことするな、今代の』
あ?
『直に聞きに行きゃあいいじゃねぇの』
…そうするか。
「………!」
アーネの無言の抗議に対してそっと手を動かしつつ、まずは《剣姫》を探す所から始めようかと考えていたところで。
ノック音。
「ん?病人がいるって札かけといたはずなんだがな…」
とりあえず食器を起き、ドアを開けると。
「やぁレイくん、久しぶりぃ…」
『なんだ、噂すると当人が来るってのは本当だったのか』
《剣姫》が呑気に部屋の前に立っていた。
元々聖学には《シェパード》と《キャット・シー》、二つの派閥があって、今現在その《キャット・シー》のリーダー格が《シェパード》へと移ったため、《キャット・シー》が弱体化。一般生徒もほとんどが《シェパード》の方へとついた。
これを期に完全に潰そうとする《シェパード》と、そうはさせまいと必死で存続させようとする《キャット・シー》。
そして《キャット・シー》が新しいメンバーを少しばかり強引な手段で補充しようとした時に《剣姫》が問題発言、第三の派閥《フェンリル》に入るとのたまった。
で、《シェパード》にも《キャット・シー》にも所属していない二つ名持ちは俺のみ、作るではなく入るとなると…既存の何かに所属するという事で…。
『なるほど、今起きたがそういう訳で今代のが不機嫌だったのか』
シャルか。お前いつも朝遅いよな。
『お前が早いんだっつーの』
シャルとの会話に集中していると、ちょいちょい、と俺の手を叩く何かが。
視線を俺の手元に向けると白く細い手。アーネの手だ。
「あぁ、はいはい。ほれ、あーん」
こいつ、もう元気だろうにいつまで経っても俺の手から飯食ってやがるし。シエルでも中々こんな事をしないぞ。
まぁ。
「………、………、……?」
「…いや、何でもない」
よく咀嚼し、味わいながら嚥下。満足げに食ってる姿見ると「別にいいか」と思ってしまうあたり何かに毒されている気がしないでもない。
それはさておき。
『派閥の話だろ?今代のは特に何もしてないよな?』
する訳ねぇだろ。最近は学校長からの依頼も無かったし、特にどっちかの派閥に肩入れしてた訳でもないし。
《剣姫》がそう吹聴するメリットって何かあるか?
『新派閥に入るって事か?…んー…どっちの派閥も嫌いだからとか?』
それなら派閥に入らないって宣言すればいいんじゃね?俺の時は完全に取り合いだったけど、今回に限れば《犬》は《猫》を潰すことに全力で力注いでるんだから、《不動荒野》か《黒法師》と決闘して勝てば………難しいか?
『さぁ?《黒法師》の戦いはお前ほとんど見てないだろ。お前が知らねぇなら俺も知らねぇなぁ』
だよな…となると理由は…。
ダメだ、分からん。情報が少ないというか、知らないことが多すぎる。
ラウクムくん辺りが何か知ってるだろうか。
『やたら回りくどいことするな、今代の』
あ?
『直に聞きに行きゃあいいじゃねぇの』
…そうするか。
「………!」
アーネの無言の抗議に対してそっと手を動かしつつ、まずは《剣姫》を探す所から始めようかと考えていたところで。
ノック音。
「ん?病人がいるって札かけといたはずなんだがな…」
とりあえず食器を起き、ドアを開けると。
「やぁレイくん、久しぶりぃ…」
『なんだ、噂すると当人が来るってのは本当だったのか』
《剣姫》が呑気に部屋の前に立っていた。
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