大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

食堂と情報

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ひとまず顔を洗い、部屋に置いてある椅子に座ってから少しばかり考えてみる。
何故か知らんが学校長に不穏な一言を《雷光》経由で貰い、はて何かやらかしたかなと考えてみるが、どれだけ考えても出ない。
ここ最近は向こうからの依頼も無かったし、特に邪魔もしてないし、そもそも会ってないし。
…うーむ、割と本気で謎だ。
今日の朝イチで来たって事はあれか?昨晩何かあったってことか?昨日何かほっぽり出して帰ったりしたっけ?
……………………………あ。
ラウクムくん?
そう言やなんか言いかけてたなアイツ。もしかしたら何か知ってるかも。
少し話を聞いてみるか。
よし、そうと決まればメッセージを繋ぐより、食堂へ行ったほうが早いか。
多分彼なら、ちょうど今頃朝食をとっているはずだ。
「マキナ、任せた」
『了解しました』
一応《千変》の欠片をポケットに入れ、朝食も兼ねて食堂へ向かう。
中に入って少し探してみると、何人かの男子生徒と楽しそうに朝食をとっているラウクムくんを発見した。
「いたいた」
そう呟き、オバチャンから朝食を受け取ってラウクムくん達のテーブルに向かって進む。
「よぉラウクム。昨晩は悪かったな。ちょいとばかし虫の居所が悪かったんだ」
「あ、レィアさんおはよう。ここ座る?」
「あぁ、それじゃあお邪魔しようか」
ラウクムくんが少しスペースを空けるように言うと、他の男子達が少し席を詰め、人ひとり分程の空間とトレイ一個分のスペースができる。
「さんきゅー」
「にしてもレィアさん珍しいね?ここ最近はいっつも一人で食べてたのに」
「んん?あぁ、アーネの風邪が俺にくっついて他の奴にうつる可能性があるって聞いたからな。一応気を使ってた」
「でも来たね」
「過去形だからな」
さて、雑談はこれぐらいにして。
「ところでラウクム、昨日のメッセージ、ありゃ一体なんだったんだ?」
「あれ、昨日は『そんなことどうでもいい』って感じだったのに、急にどうしたの?」
「何、決闘の結果とかも知りたいって事を朝起きてから気づいてな。で、何だったんだ?」
これは半分ぐらい本当。結果を聞くのを忘れてて、ラウクムくんに聞きゃあ良かったって後から後悔してた。
「その様子だと本当に知らないんだね」
「本当も本当。もし知ってたら安心してアーネの看病してるさ」
「って事はアーネさんはまだ熱があるの?」
「いんや、そっちは一応引いた。念のために二、三日寝かしとくがな」
「それは良かった…で、昨晩の決闘の結果だけど」
「おう」
「決着はつかなかったんだよ」
…ん?
引き分けって中々聞かねぇなぁ…あぁでも、俺を取り合っての《雷光》と《不動荒野》の決闘は俺が強引に止めたっけ…まぁ、あの場は完全に《雷光》の勝ちだったからアイツの勝ちに──。
──「あぁうん、《不動荒野》達の決闘見に行ったんだろ?まさか《犬》も乱入してとんでもない事になったとかか?」
──『え?あ、うん、そうなんだけど…』
まさか。
「なぁラウクム」
「うん?なぁに?レィアさん」
「もしかして決闘始まってすぐに《犬》が妨害を仕掛けてきたのか?」
「なんだ、知ってるじゃないか」
サラリとラウクムくんが言う。
少しの訂正も無く。
つまり、《雷光》や《逆鱗》、《勇者》や《臨界点》ではなく《》が止めにかかったのか…?
と言う事は──学校長は確実に《キャット・シー》を潰しに来ている。
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