大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

翌朝と考え事

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「……さて」
昨夜は大分荒れたな。
とりあえずはルトの件から報告しとくか。
と言っても俺が言えることは何も無いんだがな。
地面に叩きつけてからその後は放置、追撃とかもしてこなかったから勝手に話は終わったと思って訓練所から出て帰った。
で、普通に部屋戻ったら滅茶苦茶怒られた。理由?勝手に部屋入ったから。ほら、なんか入るなって言われたじゃん?あれ。
仕方なく一時間ほど色んな男子の部屋にウロチョロと出入りしたり。最近はようやく俺を男だと理解してくれる奴らが出てきてくれて非常に助かる。
それで、その後メッセージが俺に入ってようやく部屋に戻っていいと許可を貰って入れば…部屋がまるで嵐でもあったかのように荒れ果てていた。
最初の「荒れたな」ってのはコレな。
片付けるのも億劫なぐらい疲れていたので、風呂にサッと入ってとっとと寝た。ちなみにほぼ冷水風呂だった。
だから朝イチでやるべき事は身支度と並行して片付けだの掃除だのをしている。
一応、寮主なる者が食堂のオバチャンとは別にいるらしいのだが、実はその人を見たことは無かったりする。最初の鍵の受け渡しの時?ありゃ食堂のオバチャンだった。
部屋の片付けとか洗濯物は実は全部俺達が学校に行ってる間にこの寮主さんがやってくれてるそうな。
けどあんまり酷い部屋だったりすると勝手に全部捨てられたりするらしいので注意が必要。どうでもいい余談だが、ラウクムくんの部屋は滅茶苦茶物が多い部屋だが、どれもそれなりに片付けてはあるので捨てられたりはしないそうだ。
閑話休題。
そんな訳で登校、朝八時前。ユーリアはそろそろ例の話を受けている頃だろう。
ため息を一つ吐き、目を閉じる。
「どうしたもんかねぇ…」
考えるのは最後のひと試合の事。
ユーリアとの最終戦。
ぶっちゃけ、一番わかりやすいのはユーリアが俺を倒す事だ。
けどまぁ…。
『無理じゃね?』
シャルの言う通り、無理だよなぁ…。
俺だって別に練習とか鍛錬とか訓練とかその手のことをしてない訳じゃない…むしろ他人より多い部類だと思う。
で、ある程度才能がないとこの学校、割と真面目に生きていけないので、当然と言うかなんというか上達はしている。
正直、ユーリアに手こずるようなレベルじゃあないと思う。
思うんだが……ナナキが昔言ってた事によると、この世で一番怖いのは自分が馬鹿であることを知らない馬鹿で、次に自分が凡人であると思い込む天才なんだとか。理由は前者は予測不能で何をやらかすか分からないから、後者は凡人以下だと思うからこそスキがないからだそうな。
まぁ、ユーリアは自覚してる天才だろうが…アイツは突然変異を起こしそうで怖い。
『なんだ、勝つ気なのか』
当たり前だバカ。その上でどうやってユーリアを合格にさせるか…悩みどころだな。
「うーい、そんじゃ授業始めんぞー。今日は魔獣の…そうだな、んじゃ産まれるタイプの吸血種でも──」
とりあえず。
『とりあえず?』
寝るわ。
まだ疲れが取れてないんでな。
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