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本編
訓練所と訓練
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結局あの女、昨日は一時間も部屋に居座りやがった。ユーリアはとっくの昔に部屋に戻ってたのに、なんやかんや理由を付けて粘ってやがったぞ、アイツ。
それはともかくとして、今日は授業に出ず、こっそり三年の方の授業を視察。狙いはもちろんリザ・クロヴェール。
『おいおい、授業サボって大丈夫なのか?またクードラルとか言う教師に追いかけ回されんぞ』
最近は真面目に出てたからセーフセーフ。……今日一日ぐらいならな。
それに午前中の授業は出てたし。
『そうなのか?俺の意識はその辺りで一旦沈んだからな』
そりゃそうだろ、俺の意識も沈んでた。
『…寝てんじゃねぇか』
そんな馬鹿な事を言いながら、こっそりと三年の訓練所を目指す。
確か三年の訓練所は…どこだっけ。
『前、ルトに拉致られた時の場所じゃないのか?』
いんや、あそこは確かルト先輩専用の訓練所だったはず。
『あぁ、龍人種が本気出したら収まりきらないからか』
多分、それも理由の一つだろうが、本音は「ウィルと顔を合わせたくないから」、だろうがな。
『ガキかよ』
まぁ、実際俺より年下だからな。
さてさて、どこだったかなー、っと。
可能性として有り得るのは…上の方にルト先輩の訓練所があったから…。
「地下か」
『じゃね?』
という訳で地下に行けそうな階段を探してみると、意外と簡単にそれは見つかった。
なんで気づかなかったんだろ。
『さっさと行けよ。時間結構経ってるだろ』
それもそうだな。
という訳でそっと階段を下り、かなり頑丈そうな扉を開け──。
『どうした?』
開けたらバレそうじゃね?
ほら、今俺、授業サボってるから、バレたら不味いじゃん。
『そっとやれ。大丈夫大丈夫、バレやしない』
不安しかねぇ。
しかし、もたついていても一向に解決はしないので、シャルが言った通りにそっと扉を開けていく。
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと。
幸い、錆び付いていたり立て付けが悪いという不具合もなく、静かに扉が開いていく。
ギリギリ俺が通れる程度の隙間が開いた瞬間、俺はその隙間に身体を滑り込ませ、同時に近くに目に付いた柱の裏へと隠れる。
クソ、こういう時は魔法が使える奴らが羨ましく感じる。
その柱の影からそっと顔を出して訓練所の中をのぞき込む。
やっている内容は俺達と大差ない。
大差ないが…質と量は桁違いだった。
敵は死者の中でもかなり高位に位置する魔獣──リッチ。
見た目は骸骨に襤褸を纏っただけの貧相な姿だが、その見た目に騙されてはいけない。
呼吸でもするように魔法を放ち、一定以上近づくと、その身体から漏れる呪詛によってこちらの身体が穢される。
骨だけのため、打撃以外通りにくく、リッチそのものが魔法の卓越した使い手なので、魔法も防がれる。
俺やナナキも手こずるそれを、三対五とやや有利な人数差であっても互角以上に戦ってみせる三年は流石と言える。
そして二つ名持ちの扱いは…そうだな、どこも同じようなもんなんだな。それだけ言っておこう。
さて、例の先輩は──と。
いたいた。
それはともかくとして、今日は授業に出ず、こっそり三年の方の授業を視察。狙いはもちろんリザ・クロヴェール。
『おいおい、授業サボって大丈夫なのか?またクードラルとか言う教師に追いかけ回されんぞ』
最近は真面目に出てたからセーフセーフ。……今日一日ぐらいならな。
それに午前中の授業は出てたし。
『そうなのか?俺の意識はその辺りで一旦沈んだからな』
そりゃそうだろ、俺の意識も沈んでた。
『…寝てんじゃねぇか』
そんな馬鹿な事を言いながら、こっそりと三年の訓練所を目指す。
確か三年の訓練所は…どこだっけ。
『前、ルトに拉致られた時の場所じゃないのか?』
いんや、あそこは確かルト先輩専用の訓練所だったはず。
『あぁ、龍人種が本気出したら収まりきらないからか』
多分、それも理由の一つだろうが、本音は「ウィルと顔を合わせたくないから」、だろうがな。
『ガキかよ』
まぁ、実際俺より年下だからな。
さてさて、どこだったかなー、っと。
可能性として有り得るのは…上の方にルト先輩の訓練所があったから…。
「地下か」
『じゃね?』
という訳で地下に行けそうな階段を探してみると、意外と簡単にそれは見つかった。
なんで気づかなかったんだろ。
『さっさと行けよ。時間結構経ってるだろ』
それもそうだな。
という訳でそっと階段を下り、かなり頑丈そうな扉を開け──。
『どうした?』
開けたらバレそうじゃね?
ほら、今俺、授業サボってるから、バレたら不味いじゃん。
『そっとやれ。大丈夫大丈夫、バレやしない』
不安しかねぇ。
しかし、もたついていても一向に解決はしないので、シャルが言った通りにそっと扉を開けていく。
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと。
幸い、錆び付いていたり立て付けが悪いという不具合もなく、静かに扉が開いていく。
ギリギリ俺が通れる程度の隙間が開いた瞬間、俺はその隙間に身体を滑り込ませ、同時に近くに目に付いた柱の裏へと隠れる。
クソ、こういう時は魔法が使える奴らが羨ましく感じる。
その柱の影からそっと顔を出して訓練所の中をのぞき込む。
やっている内容は俺達と大差ない。
大差ないが…質と量は桁違いだった。
敵は死者の中でもかなり高位に位置する魔獣──リッチ。
見た目は骸骨に襤褸を纏っただけの貧相な姿だが、その見た目に騙されてはいけない。
呼吸でもするように魔法を放ち、一定以上近づくと、その身体から漏れる呪詛によってこちらの身体が穢される。
骨だけのため、打撃以外通りにくく、リッチそのものが魔法の卓越した使い手なので、魔法も防がれる。
俺やナナキも手こずるそれを、三対五とやや有利な人数差であっても互角以上に戦ってみせる三年は流石と言える。
そして二つ名持ちの扱いは…そうだな、どこも同じようなもんなんだな。それだけ言っておこう。
さて、例の先輩は──と。
いたいた。
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