大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

二つ名候補と期限

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「は?嫌だよ。面倒臭い」
思わず口から出た言葉がそれだった。
「いや、面倒臭いとかじゃなくて、これは規則なんだよ。やってもらうからね」
書記の話じゃ、どうも二つ名持ち候補が出る度に二つ名持ちや生徒会のメンバーがそう言うチェックをしていたらしい。
ちなみに俺の時は特例、このチェックはすっ飛ばされて二つ名争奪戦となった。
「え、つまり何だ。俺にその二つ名候補を見張って、二つ名持ちに相応しいかどうか判断しろって事?」
「うん、最初からそう言ってるよね?別に何らかの基準がある訳じゃなくて、率直にキミが思った事を報告してくれればいいから」
ふぅん。
「なるほど、俺がそいつ気に食わないからって理由で拒否してもいい訳か…」
「いや、良くないからね?流石にある程度の根拠は必要だからね?」
そんなことはしないさ。
保証はしないし、言いもしないがな。
「まぁわかった。んで?対象は誰よ?」
「三年のリザ・クロヴェール」
「三年の先輩か。ふーん、わかっ──」
「と、二年のルルシェル・ガウヴラン」
「は?二人?いや、流石に多すぎ──」
「と、一年のユーリア・グランデンジーク」
「……待て待て待て待て。オイ、二つ名持ちってそんなポンポコ出るもんなのか?」
普通、二つ名持ちになるのにはよっぽどの事をしなければならないハズだ。
具体的に?魔族をほぼ単体で倒したり、あとは魔獣の大軍を倒したり。他は遠征とかでよく目立ったり。
ここ最近はそんな事は無かったはずだが──。
「つい先日、生徒会主催の大魔獣討伐大会モンスターハンティングがあったのを覚えていますか?」
ずっと立ち続けていた副会長がようやく喋った。
「あー…そんなのあったな…あったあった」
俺は参加出来なかったけどな。
二つ名持ちは自重しろって周りから言われて。
けど、生徒会運営側から盛り上げるために出ろって言われたから、二つ名持ち達…ってか派閥でチーム組んで、それぞれやたらめったら強い魔獣と戦ったんだっけか。
大したことなかったから、話す程のことでも無かったけど。
「それで一定値を越えた者が三名いたのです。聖学祭である程度上がっていた者もいたので、今回のイベントで一気に後押しした形ですね」
「一定値を越えた者?何で今更聖学祭?」
「あぁ、キミはまだ知らないのか…後から学生証の二つ名特権の欄を見ておくといいよ。それで二つ名持ちを決める基準が幾つかわかると思うから」
書記がそう締めくくる。
「さて、話はおしまいだ。期限は三日後だから、早めにね?」
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