大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

メッセージと焦り

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『マスター・近距離メッセージです・受け取りますか』
「あ?」
朝、店へ向かう途中でマキナが小さく俺に囁く。
ほとんどのクラスメイトはまだ出てないが、俺はシエルと一緒に少し早めに出た。理由は特にない。
「ちょい待ってろ」
「………?おかあさん、どうした…の?」
「んー?大したことじゃない。気にすんな」
腰の鎚の柄のあたりを少しつまんで千切り、小指の先ほどの大きさの破片を作る。
それを軽く丸めて耳に詰める。
シエルにはまだ話してないが…ま、そのうち話すか。
「これでよし…相手は?」
『恐らくラナ・マイン様かと』
耳に詰めた欠片から、マキナの声が直に聞こえる。こっちの方がわかりやすいだろう。
…ところで。
「ラナ・マイン?誰だそれ」
『学級委員長の役についていらっしゃる方です』
「あぁ、学級委員長か。オーケー、今すぐ繋いでくれ」
『了解しました』
そういや、俺へのメッセージって難しいんじゃなかったっけか?
『お前じゃなくてマキナがやるから通るんじゃね?マキナとの繋がりが強まったからとかってのもありそうだよな』
その辺りかもな。後からマキナに聞いておくか。
僅かな沈黙の後、プツッと音がする。これで繋がったのか…?
「あー…よぉ学級委員長…で、合ってるんだよな?何用だ?」
『レィアさん!!おはようございます!!』
「おぉうッ…!やかましい。耳がキンキンするだろうが。もう少し声を抑えろ」
答えは聞いていないが、声からして恐らく学級委員長本人で間違いないだろう。
『あ、すみませんでした。ちょっと今大変な事に──あ、どうでした!?』
「…あん?」
唐突に学級委員長が脈絡もない事を喋り始める。…どうやら俺以外の誰かと話し始めたらしいな。
「………おかあさん、どうした…の?」
「あーいや、ちょっとメッセージしてるだけ。気にすんな」
『やはりですか…東街は?………これだけじゃ…』
「……何だ?──あー、学級委員長?何が起きた?」
『レィアさん、今どこですか?』
いつもの冷静な学級委員長がようやく帰ってきたらしい。
それに少しだけホッとしつつ周りを見渡してみる。
「はいはい。えーっと、ちょうど南第一都市から王都に入る所だな。もう五分もしないうちに王都に入るぞ」
『ストップですレィアさん!!』
「っ……!!だから叫ぶなつってんだろが…」
鼓膜破れるかと思ったわボケ。
「んで、なんでまた?」
若干イライラしながらそう聞くと、学級委員長は焦った声音でこう言った。
『緊急事態です』
「…あ?」
『材料が──食材などが全て仕入れ先から消えました』
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