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本編
訓練所と人探し
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そんな訳で、ちょいと暇を潰しに第一訓練所へ。
以前使っていた窓は外せたっけー?と触ってみると、案の定外れた。
『隠れる必要あんのか?』
とシャルが聞いてくる。
「まぁ、一応俺も二つ名だしな。変に緊張されたりとか、外身繕われたりするより、こっそり覗いて素の反応を見てみたい」
つか、授業つっても何やってるんだろうか。そう思いつつ、音も気配も消して訓練所の中へ。
「よっ、と」
うっかり声が出たが、周りは特に気づいた様子はない。
「トゲトゲ頭の一年、ね……」
どれだろう。見渡し、言われた頭の生徒を探す。
『どうだ、見つかったか?』
「いや……つかそもそも生徒少なすぎんだろ。いたらすぐに見つかるって」
見渡したところ、数は十人いるかどうか。ユーリアの言っていたトゲトゲ頭の持ち主が居れば、それこそ一目見れば分かるだろう。
が、いない。
つか、ここのクラス、結構旧一年……つまり俺と同期で留年を食らった生徒が多いな。何人か知り合いもおり、同じ班だったクアイもそこで訓練をしていた。
飛び交う魔法、激しく鳴る鋼。訓練内容は、どうやら二人一組になって魔獣を倒す、いつものヤツと変わらないようだ。
ただ、戦っている相手がかなり強いが。
『悪魔か』
「みたいだな。つっても、中級ぐらいのだけど」
本来、悪魔は全て何かしらの獣の姿をとる。しかし、年月が過ぎ、力を蓄えると姿を変えるのだ。
四足を辞め、二足で立ち上がり、空いた手で武器を構え、魔力を練り上げて魔法を放ってくる。
こうなってくると、最早ただの悪魔ではない。名前をハイ・デーモンやグレーターデーモンと名を変える。もちろん非常に強力な存在だ。
とはいえ、以前、結界の外で出くわした炎の悪魔よりはずっと弱い。
あれはその上か、さらにその上かもしれない。まぁ、それはさておいて。
そんなのを相手に二人組。明らかに一年でやらせる内容ではないが、見たところ誰も怪我をした様子はない。
ついでにいうと、フィールドはつけていないらしいので、もし何かミスがあったら、そのまま死にかねない。
相当仕上げられている。それ自体はいい事なのだが、随分と急かされているような気もする。
おっと、本命はデーモンや一年達の練度ではない。例のトゲトゲ頭の輩を探しているのだった。
そう思い出し、あらためて訓練所を見渡して探してみるが、やはりどうも見当たらない。
おかしいな、じゃあ二、三年だろうか。だとしても、そんな奴いたっけか。
そう首を捻っていると、不意に訓練所の扉が開き、俺とシャルが一緒に声を小さくあげた。
「ん」『あ』
「さーせん、ちょい遅れました」
と言って生徒が三名入ってくる。
その中の一人が、成程、わかりやすい程にユーリアの言う通り。トゲトゲの頭をした男子生徒がいたのだ。
以前使っていた窓は外せたっけー?と触ってみると、案の定外れた。
『隠れる必要あんのか?』
とシャルが聞いてくる。
「まぁ、一応俺も二つ名だしな。変に緊張されたりとか、外身繕われたりするより、こっそり覗いて素の反応を見てみたい」
つか、授業つっても何やってるんだろうか。そう思いつつ、音も気配も消して訓練所の中へ。
「よっ、と」
うっかり声が出たが、周りは特に気づいた様子はない。
「トゲトゲ頭の一年、ね……」
どれだろう。見渡し、言われた頭の生徒を探す。
『どうだ、見つかったか?』
「いや……つかそもそも生徒少なすぎんだろ。いたらすぐに見つかるって」
見渡したところ、数は十人いるかどうか。ユーリアの言っていたトゲトゲ頭の持ち主が居れば、それこそ一目見れば分かるだろう。
が、いない。
つか、ここのクラス、結構旧一年……つまり俺と同期で留年を食らった生徒が多いな。何人か知り合いもおり、同じ班だったクアイもそこで訓練をしていた。
飛び交う魔法、激しく鳴る鋼。訓練内容は、どうやら二人一組になって魔獣を倒す、いつものヤツと変わらないようだ。
ただ、戦っている相手がかなり強いが。
『悪魔か』
「みたいだな。つっても、中級ぐらいのだけど」
本来、悪魔は全て何かしらの獣の姿をとる。しかし、年月が過ぎ、力を蓄えると姿を変えるのだ。
四足を辞め、二足で立ち上がり、空いた手で武器を構え、魔力を練り上げて魔法を放ってくる。
こうなってくると、最早ただの悪魔ではない。名前をハイ・デーモンやグレーターデーモンと名を変える。もちろん非常に強力な存在だ。
とはいえ、以前、結界の外で出くわした炎の悪魔よりはずっと弱い。
あれはその上か、さらにその上かもしれない。まぁ、それはさておいて。
そんなのを相手に二人組。明らかに一年でやらせる内容ではないが、見たところ誰も怪我をした様子はない。
ついでにいうと、フィールドはつけていないらしいので、もし何かミスがあったら、そのまま死にかねない。
相当仕上げられている。それ自体はいい事なのだが、随分と急かされているような気もする。
おっと、本命はデーモンや一年達の練度ではない。例のトゲトゲ頭の輩を探しているのだった。
そう思い出し、あらためて訓練所を見渡して探してみるが、やはりどうも見当たらない。
おかしいな、じゃあ二、三年だろうか。だとしても、そんな奴いたっけか。
そう首を捻っていると、不意に訓練所の扉が開き、俺とシャルが一緒に声を小さくあげた。
「ん」『あ』
「さーせん、ちょい遅れました」
と言って生徒が三名入ってくる。
その中の一人が、成程、わかりやすい程にユーリアの言う通り。トゲトゲの頭をした男子生徒がいたのだ。
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