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本編
来客と侮辱
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「ラウクム、向こうの方の戦力は足りてるのか?」
シャル、向こうの方の戦力はいくつだ?
「分からない。ただ、僕との会話の途中で『敵襲!?』って言って途切れたから、かなり切迫してるんだと思う」
『今回も数は五…じゃないな…?たった一人だ』
「…オーケー、向こうが今、どの辺りにいるか分かるか?」
シャル、接敵まで何秒だ?
「多分…分かると思う。ララクさんと会ってきたって言ってたし…」
『この調子だと、あと三十秒ぐらいか』
………なるほど。
「ラウクムは今すぐ出てけ。そんで向こうと合流、迎撃して来い。あ、出るのは裏口からな」
「…大丈夫?」
心配そうなラウクムくんに、ひらひらと手を振りながら気軽に答える。
「へーきへーき…それより早く行け。乱戦になってからじゃぁ面倒だ」
『あと十秒。構えろ』
…全く、ここは大人気だな。
「…ッ!任せたよ!!負けないで!!」
「おう、任された。負ける訳がねェ」
胸元に手を突っ込み、細く輝く銀の鎖に繋がれ、剣の形を象るアクセサリーを取り出す。
それを強く引っ張ると鎖が千切れ、剣型のアクセサリーが大きく、本来の実体を持ってそこに現れる。
俺は、それを床に穴が空かないようにしながら前に突き立て、出来るだけ偉そうに、緩く構える。
俺の後ろでバタン、と戸が閉まると同時に、俺の前でカランコロン、と客の入店を知らせる鐘が鳴る。
「ハァイ、初めまして。…だよな?おたく。悪いが三日後に出直してくれ。喫茶店………喫茶店は、まだ開店してねぇんだ。速やかに回れ右した後、お家で寂しい懐のコイン数えてワクワクして待っててくれ。おもてなしは保証する」
やっべ、そういやまだ店名聞いてなかったわ。後から聞かなきゃ。
「…貴様か?」
巌のような大男が口をひらくと、低い、低い声でそう言った。
「あ?なぁにがだ?」
俺がそう聞くと、大男はそれに一旦答えず、右手を前に突き出した。
すると、虚空から巨大な斧が生み出され、大男はそれを掴んで構えた。
『やっぱり西学か。あの武器の出し方はあこだけだもんな』
シャルがそう確定させると、大男が一歩踏み込み、俺の質問に対し、さらに質問で返す。
「貴様が聖学の二つ名持ち、《緋眼騎士》か!?」
「うぉビックリしたぁ…」
急に大声出すなよな。
「あぁ、確かに俺が《緋眼騎士》だが?」
そう答えると、目の前の大男は笑い始めた。
それも、クスクスやハハッ、などではなく、大きく口を開けてワハハと。
「…そろそろ黙ろうか?俺は理由も無く笑われる趣味はないし、それどころか指さして笑われると非常に頭に来るんだが?」
「いやはや!!これは失礼した!!」
目の端に涙すら浮かべつつ、大男がこう言う。
こう言いやがった。
「まさか、こんな小さくか弱そうな少女が二つ名持ちだとは!!聖学はいつから可愛らしさを戦力に入れるようになったのだ!?」
「あァン?」
「しかし、貴様を倒せば、俺も西学で称号を貰えるというのでな!手加減は出来んぞ?」
「………。」
………。
『お、おい…今代の…?』
「…一つ、忠告しておく」
銀剣を肩に担ぎ、爆発寸前の怒りを眼力に込めて睨めつける。
「喫茶店に回復役はいない。怪我は自分でどうにかしろ」
シャル、向こうの方の戦力はいくつだ?
「分からない。ただ、僕との会話の途中で『敵襲!?』って言って途切れたから、かなり切迫してるんだと思う」
『今回も数は五…じゃないな…?たった一人だ』
「…オーケー、向こうが今、どの辺りにいるか分かるか?」
シャル、接敵まで何秒だ?
「多分…分かると思う。ララクさんと会ってきたって言ってたし…」
『この調子だと、あと三十秒ぐらいか』
………なるほど。
「ラウクムは今すぐ出てけ。そんで向こうと合流、迎撃して来い。あ、出るのは裏口からな」
「…大丈夫?」
心配そうなラウクムくんに、ひらひらと手を振りながら気軽に答える。
「へーきへーき…それより早く行け。乱戦になってからじゃぁ面倒だ」
『あと十秒。構えろ』
…全く、ここは大人気だな。
「…ッ!任せたよ!!負けないで!!」
「おう、任された。負ける訳がねェ」
胸元に手を突っ込み、細く輝く銀の鎖に繋がれ、剣の形を象るアクセサリーを取り出す。
それを強く引っ張ると鎖が千切れ、剣型のアクセサリーが大きく、本来の実体を持ってそこに現れる。
俺は、それを床に穴が空かないようにしながら前に突き立て、出来るだけ偉そうに、緩く構える。
俺の後ろでバタン、と戸が閉まると同時に、俺の前でカランコロン、と客の入店を知らせる鐘が鳴る。
「ハァイ、初めまして。…だよな?おたく。悪いが三日後に出直してくれ。喫茶店………喫茶店は、まだ開店してねぇんだ。速やかに回れ右した後、お家で寂しい懐のコイン数えてワクワクして待っててくれ。おもてなしは保証する」
やっべ、そういやまだ店名聞いてなかったわ。後から聞かなきゃ。
「…貴様か?」
巌のような大男が口をひらくと、低い、低い声でそう言った。
「あ?なぁにがだ?」
俺がそう聞くと、大男はそれに一旦答えず、右手を前に突き出した。
すると、虚空から巨大な斧が生み出され、大男はそれを掴んで構えた。
『やっぱり西学か。あの武器の出し方はあこだけだもんな』
シャルがそう確定させると、大男が一歩踏み込み、俺の質問に対し、さらに質問で返す。
「貴様が聖学の二つ名持ち、《緋眼騎士》か!?」
「うぉビックリしたぁ…」
急に大声出すなよな。
「あぁ、確かに俺が《緋眼騎士》だが?」
そう答えると、目の前の大男は笑い始めた。
それも、クスクスやハハッ、などではなく、大きく口を開けてワハハと。
「…そろそろ黙ろうか?俺は理由も無く笑われる趣味はないし、それどころか指さして笑われると非常に頭に来るんだが?」
「いやはや!!これは失礼した!!」
目の端に涙すら浮かべつつ、大男がこう言う。
こう言いやがった。
「まさか、こんな小さくか弱そうな少女が二つ名持ちだとは!!聖学はいつから可愛らしさを戦力に入れるようになったのだ!?」
「あァン?」
「しかし、貴様を倒せば、俺も西学で称号を貰えるというのでな!手加減は出来んぞ?」
「………。」
………。
『お、おい…今代の…?』
「…一つ、忠告しておく」
銀剣を肩に担ぎ、爆発寸前の怒りを眼力に込めて睨めつける。
「喫茶店に回復役はいない。怪我は自分でどうにかしろ」
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