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本編
発見と逃走
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結果…というか何というか。
鎧のチェックまでは出来なかった。
というのも。
「ここですかっ!?」
ガラガラガタンッ!!と、壮絶な音がして小屋の戸がかなりの速度で開け放たれた。
「げっ、せ──アリスか」
「おーアリスちゃんか。いらっしゃいー。お茶いる?」
「ベルさんこんにち──逃がしません!!」
「断る!逃げさせてもらう!…あ、残りの代金ここ置いとくな」
「お、おう?どうしたんや?」
ベルの質問には答えず、今さっき鎚で空いた大穴から逃げ出す。
ギリギリ身体が通り、(自分で言うのも何だが)見事そのまま脱出。
聖女サマの叫びを耳に入れること無くそのまま一目散に逃げ──。
「っ、とォ!?」
ようとした所に小さな人影が現れる。
咄嗟に飛び越えられると判断し、走る勢いを殺さず、そのまま目の前でジャンプ。
空中で一回転し、飛び越え──。
──首筋にピリピリとした危険信号が走る。
「!? 銀腕ッ!」
ギィン、と言う金属が擦れ合うような音が俺の右腕に纏った銀腕と、小さな人影がくり出した一撃とで鳴る。
空中で回転しながら、さらに身体を捻り、人影の方へと身体を向ける。
「って──シエル!?なんで!?」
対峙した相手は、俺と似た白い髪に俺と違う黒い肌と金の目を持つ小さな少女。
「………ん。ごえい、かわり…」
『なるほど、今代のが逃げたから、代わりにやってる、と。シエルの身体能力なら、少し頑張れば先回りぐらいなら出来るか?』
「悪いけど、逃げさせてもらうぞ!」
「………だめ」
シエルの握る一対のナイフが音を裂いて躍る。
逆手に握られたそれは、精密かつ神速。
ふむ、俺といい勝負が出来そうだ。
「が──足りんな」
経験とか、技のレパートリーが。
流石に、剣を抜くのは気が引けたので、そのまま右の銀腕だけで全て弾いていく。
シエルのナイフは当然、殺傷用。
聖女サマに寄越したような非殺傷や護身用では無く、傷つけ、仕留める事を前提にした物。
それが容赦なく振られているが、俺なら大した怪我にならないと信頼されているからなのか、それとも斬っても大丈夫だと思われているのか…前者であって欲しい。切実に。
「見つけました!」
「うぇ、もう追いつきやがったか」
聖女サマも追いついてきやがった。
「てことでシエル、悪いけど遊ぶのはまた今度な」
「………にがさ…ないっ!」
一層激しく振られる双撃を、俺は銀腕で絡め取る。
「………っ!?」
「はい、隙だらけ」
ナイフが刺さったまま銀腕を伸ばして、シエルのおでこにデコピンをカマして逃げる。
ちなみにナイフはそのまま回収した。もちろんあとで返すつもりだが。
「捕まえ──!!」
「られてたまるか!!」
わざわざ回り込んで背後から近づいていた聖女サマの股の下をスライディングですり抜け、とりあえずそのまま逃げた。
さて、次はどこへ行こうかね。
鎧のチェックまでは出来なかった。
というのも。
「ここですかっ!?」
ガラガラガタンッ!!と、壮絶な音がして小屋の戸がかなりの速度で開け放たれた。
「げっ、せ──アリスか」
「おーアリスちゃんか。いらっしゃいー。お茶いる?」
「ベルさんこんにち──逃がしません!!」
「断る!逃げさせてもらう!…あ、残りの代金ここ置いとくな」
「お、おう?どうしたんや?」
ベルの質問には答えず、今さっき鎚で空いた大穴から逃げ出す。
ギリギリ身体が通り、(自分で言うのも何だが)見事そのまま脱出。
聖女サマの叫びを耳に入れること無くそのまま一目散に逃げ──。
「っ、とォ!?」
ようとした所に小さな人影が現れる。
咄嗟に飛び越えられると判断し、走る勢いを殺さず、そのまま目の前でジャンプ。
空中で一回転し、飛び越え──。
──首筋にピリピリとした危険信号が走る。
「!? 銀腕ッ!」
ギィン、と言う金属が擦れ合うような音が俺の右腕に纏った銀腕と、小さな人影がくり出した一撃とで鳴る。
空中で回転しながら、さらに身体を捻り、人影の方へと身体を向ける。
「って──シエル!?なんで!?」
対峙した相手は、俺と似た白い髪に俺と違う黒い肌と金の目を持つ小さな少女。
「………ん。ごえい、かわり…」
『なるほど、今代のが逃げたから、代わりにやってる、と。シエルの身体能力なら、少し頑張れば先回りぐらいなら出来るか?』
「悪いけど、逃げさせてもらうぞ!」
「………だめ」
シエルの握る一対のナイフが音を裂いて躍る。
逆手に握られたそれは、精密かつ神速。
ふむ、俺といい勝負が出来そうだ。
「が──足りんな」
経験とか、技のレパートリーが。
流石に、剣を抜くのは気が引けたので、そのまま右の銀腕だけで全て弾いていく。
シエルのナイフは当然、殺傷用。
聖女サマに寄越したような非殺傷や護身用では無く、傷つけ、仕留める事を前提にした物。
それが容赦なく振られているが、俺なら大した怪我にならないと信頼されているからなのか、それとも斬っても大丈夫だと思われているのか…前者であって欲しい。切実に。
「見つけました!」
「うぇ、もう追いつきやがったか」
聖女サマも追いついてきやがった。
「てことでシエル、悪いけど遊ぶのはまた今度な」
「………にがさ…ないっ!」
一層激しく振られる双撃を、俺は銀腕で絡め取る。
「………っ!?」
「はい、隙だらけ」
ナイフが刺さったまま銀腕を伸ばして、シエルのおでこにデコピンをカマして逃げる。
ちなみにナイフはそのまま回収した。もちろんあとで返すつもりだが。
「捕まえ──!!」
「られてたまるか!!」
わざわざ回り込んで背後から近づいていた聖女サマの股の下をスライディングですり抜け、とりあえずそのまま逃げた。
さて、次はどこへ行こうかね。
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