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本編
肉塊と勇者 終
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「──ッ!!」
天井から銀腕を離し、銀剣を肩に担ぐ。
「《潰断》!」
銀剣が光を生み、それが一つの塊のようになって振り下ろされる。
先程の加速以上の一撃だったそれを、肉塊は。
「おおあ、ああおあおお!」
真っ正面からの攻撃で相殺しやがった。
「ッ!!」
俺はふたたび天井まで弾き飛ばされ、一撃を繰り出した肉塊は地面へ激突する。
「強化ッ…されてやがるッ!!」
今の一撃で肋骨が軋み、鋭い痛みが突き刺さる。
だが、休んでいる暇はない。
『次!来るぞ!!』
まだ十の肉塊が突っ込んできている。
「もっと…もっともっと寄越せぇぇぇぇ!!」
血呪の強化度をさらに上げる。
黒かった紋様はもはやドス黒く変色し、それ一つひとつが黒いオーラを放っているようにも見える。
『おい!危ねぇぞ!!流石にそれは──』
「うっせぇ!!」
天井を蹴り、ふたたび地面へ向けて跳躍。
天井を踏み砕き、破片が宙に舞い、身体がキシキシと鳴き──肉塊共を蹴散らし、地面へ激突する。
パラパラと砂と粉塵が舞い上がり、視界が極度に悪い中、俺は未だに宙にいる肉塊を捉えた。
「第四血界《血鎧》、再起動」
黒い黒い紋様に重ねて現れるのは赤い紋様。
しかしそれは形にならず、即座に一片の鎧を模る。
残しておいた魔法、その最後だ。
それを銀剣に付与、あまりの威力に銀剣が白く灼ける。
この距離で撃てる俺の最大火力だ。
たっぷり味わえ肉団子共…!
「──《煌覇》!!」
白銀の核を宿した赤い極光は、俺の手元を離れると同時にこの地下空間をも赤く染め上げ、肉塊のド真ん中に突き刺さる。
「「「お、あああおあおおぉぉおぉおあ!」」」
絶叫を残し、遠くに醜い音を立てて肉塊が落ちる音がした。
「──満足か?」
かちゃり、と黒剣を握り直し、神父へ向ける。
「おやおや、少し甘く見ていたようですね」
「何回死ぬ!って思ったか分からんぐらい苦戦したけどな。身体が鈍ってて酷かったよ」
神父との距離は約五メートル。このぐらいなら一息で距離を詰め、そのまま首を刎ねることも出来る。…仮にこの十倍の距離があったとしても、ここまでの強度の血呪がかかっているのだから一瞬で詰められるが。
「おや、それは惜しかったです。…しかし、今使える手駒はあれだけですし、どうしようもないですねぇ…」
「あっそ」
このセリフを聞いて、俺は安堵と同時に不安を持つ。
一つはこれ以上、あんな化物がいないという事。…もっとも、今使えると言うことは後々変わってくるのだろうが。
そしてもう一つ。ここまで追い詰められてなお、この神父に取り乱した所がないという事。
武装もしていない癖に、この余裕…一体どこからくる?
それらを無理矢理飲み込み、剣を振りかぶり──。
…………………………………ギシッ。
「──」
身体が、動かない。
天井から銀腕を離し、銀剣を肩に担ぐ。
「《潰断》!」
銀剣が光を生み、それが一つの塊のようになって振り下ろされる。
先程の加速以上の一撃だったそれを、肉塊は。
「おおあ、ああおあおお!」
真っ正面からの攻撃で相殺しやがった。
「ッ!!」
俺はふたたび天井まで弾き飛ばされ、一撃を繰り出した肉塊は地面へ激突する。
「強化ッ…されてやがるッ!!」
今の一撃で肋骨が軋み、鋭い痛みが突き刺さる。
だが、休んでいる暇はない。
『次!来るぞ!!』
まだ十の肉塊が突っ込んできている。
「もっと…もっともっと寄越せぇぇぇぇ!!」
血呪の強化度をさらに上げる。
黒かった紋様はもはやドス黒く変色し、それ一つひとつが黒いオーラを放っているようにも見える。
『おい!危ねぇぞ!!流石にそれは──』
「うっせぇ!!」
天井を蹴り、ふたたび地面へ向けて跳躍。
天井を踏み砕き、破片が宙に舞い、身体がキシキシと鳴き──肉塊共を蹴散らし、地面へ激突する。
パラパラと砂と粉塵が舞い上がり、視界が極度に悪い中、俺は未だに宙にいる肉塊を捉えた。
「第四血界《血鎧》、再起動」
黒い黒い紋様に重ねて現れるのは赤い紋様。
しかしそれは形にならず、即座に一片の鎧を模る。
残しておいた魔法、その最後だ。
それを銀剣に付与、あまりの威力に銀剣が白く灼ける。
この距離で撃てる俺の最大火力だ。
たっぷり味わえ肉団子共…!
「──《煌覇》!!」
白銀の核を宿した赤い極光は、俺の手元を離れると同時にこの地下空間をも赤く染め上げ、肉塊のド真ん中に突き刺さる。
「「「お、あああおあおおぉぉおぉおあ!」」」
絶叫を残し、遠くに醜い音を立てて肉塊が落ちる音がした。
「──満足か?」
かちゃり、と黒剣を握り直し、神父へ向ける。
「おやおや、少し甘く見ていたようですね」
「何回死ぬ!って思ったか分からんぐらい苦戦したけどな。身体が鈍ってて酷かったよ」
神父との距離は約五メートル。このぐらいなら一息で距離を詰め、そのまま首を刎ねることも出来る。…仮にこの十倍の距離があったとしても、ここまでの強度の血呪がかかっているのだから一瞬で詰められるが。
「おや、それは惜しかったです。…しかし、今使える手駒はあれだけですし、どうしようもないですねぇ…」
「あっそ」
このセリフを聞いて、俺は安堵と同時に不安を持つ。
一つはこれ以上、あんな化物がいないという事。…もっとも、今使えると言うことは後々変わってくるのだろうが。
そしてもう一つ。ここまで追い詰められてなお、この神父に取り乱した所がないという事。
武装もしていない癖に、この余裕…一体どこからくる?
それらを無理矢理飲み込み、剣を振りかぶり──。
…………………………………ギシッ。
「──」
身体が、動かない。
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