大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

決定とルール

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その後一旦解散。怪我を心配されたが、この程度なら問題ないと言って適当に塞いでおいて、昼食後、休憩してからもう一巡ぐらいしようという話をして皆と別れた。
の、だが。残念ながらそれはお流れとなってしまった。
なぜなら、学校長が丁度昼のタイミングで聖学祭の事を発表したからだ。
それによると、王都でおよそ二日かけて聖学と西学で三名ずつ生徒を出して戦う、という形式を取ることになったらしい。
また、その前座となる戦いとして、三名のチーム、二名のタッグ、一名のソロ、という形でエキシビションマッチを行う。そのため、それぞれ一般生徒を募集、あるいは学校側からめぼしい人材に声をかけ、より良い生徒を選抜していくのだそうだ。
で、その選抜やら何やらはもう既に受付が始まっているらしく、会場が訓練所らしい。別の訓練所に行けよと思うだろうが、《キャット・シー》の《雷光》が手伝いに駆り出されているらしい。そして何故か《剣姫》も居ないらしく、何となく取りやめとなった。
さて、学校が張り出した紙にはルールも仔細に説明されていたが、ここでは省く。まぁ、気になっていた魔導具については案の定「一人につきひとつまで」という文言が入っていた。
あぁ、少し余談だが、二つでひとつとなる一対の魔導具などもあるので、このひとつという単語をあまり信用しない方がいいらしい。わかりやすい例なら、俺の黒剣も剣と鞘で分かれているが、あれらをひっくるめてひとつの魔導具という見方らしい。
さらに余談だが、一般的に魔導具というのは基本的に「魔法が込められた道具」なので、魔法使いの杖や指輪、魔本などはカウントされないそうだ。
そう言った杖などでも、一部の物は特定の魔法が早く出せる、強力な特殊魔法が出せるといったものもあるらしいのだが、そういうのも全部魔導具ではないらしい。正直線引きが微妙に分かるような分からん様な…ちなみに、これら全てはシャルから聞いている。
『まぁ、名目的にゃ杖も魔本も指輪も全部「魔法の補助道具」だ。そういう意味で多少は許容されてる。それを大きく超える場合は流石に魔導具だろうがな』
「ンなのあるのか?」
『あぁある。俺のいた時はとんでもねぇ杖があってな。正式名称は確か《波動照準滅却杖ブラスター・ライフル》とかそんな感じの杖』
「なんだそら。杖っぽさがどこにもない意味不明な名前だが」
『その杖握って魔法を撃つと、超高効率の魔力砲が撃てる、ってな杖だ。代わりに握ってる間は他の魔法が使えなくなるんだが。そこらのガキが握っても魔族一人を消し炭に出来る程度にゃとんでもない兵器だったが、ありゃどこいったんだろ。まぁ、欠陥兵器だったから製作者がぶっ壊して捨てたのかもしれんが』
「欠陥?どんな?」
『魔力が超高効率で使われてるその裏で、使用者が知らないうちに結構生命力吸われてたとかそんな感じだった気がする。しかも体調も何も変わんないから、調子ぶっこいてると、なんの前触れもなく急に死ぬんだ。火力は相当なんだがなぁ』
「怖っ」
閑話休題それはさておき
そんなわけで魔導具の件は確定してしまった訳で、尚更武器をどうするか。とりあえずベルにメッセージを入れて──
「ん?」
人だかりが捌けた後、壁に貼られた聖学祭の張り紙をまじまじと見つめ、顎に手をやる。
…なるほどな。これ使えるかも。
「マキナ、メッセージだ」
『クランベルナ・グローゾフ様ですか?』
「いや違う。学校長だ」
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