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本編
教会と集団
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「あなたは人質に取られた私を助けて下さったのです」
「……はぁ?」
わからん。
「あなたが来た時、丁度このケイナズ邸では私が首筋にナイフを当てられ、どうしようもない膠着状態だったのです」
あぁ、なるほど、そこに俺が墜落して人質を解放しつつ犯人を潰したのか。
………いやいやいやいや。
「まて、待て待て待て待て!ちょっと待て!訳が分からん!!なんで聖女サマが人質に取られてんだよ!そもそも英雄は?あいつらの姿が一切見えねぇんだけど、変なモン食って腹下した訳じゃねぇだろ?」
「彼らは今、四名が王都で任務に当たっていて、一名が西の結界の境界付近で魔獣の討伐をしています」
「おかしいだろ?普通、一人はアンタ…失礼、聖女サマの警護につくべきだろ?そのための英雄だ。魔獣討伐をしてる英雄を聖女サマの護衛につけて、魔獣討伐はギルドにでもやらせればいい。そうだろ?」
一応、ほとんど触れてはいないが、ギルドというものが存在する。
そこはいわゆる何でも屋で、失せ物探しから街の警備、なんとかと言う薬草を探してきてくるものや、果ては一晩夜の相手をしてくれなんてのもあるらしい。
当然、魔獣の討伐も受け持っているはずだ。
「…王都で少し前から静かに広がりを見せ、問題となっている集団があります」
唐突にそう言い始める聖女サマ。
「始まりはいつだったのか分かりませんが…気づいた時には既にかなり大きくなっていました。その集団の目的は、現在広まっている聖神教会の駆逐です」
聖神教会ってのが聖女サマの所属してる教会だっけ?今思い出した。
「その集団がどうかしたのか?それに、王都で広がってんだろ?こっちには関係ないはずだ。その集団も、詳しくは分からねぇけどその辺りは教会の偉い人達がなんとかするんじゃねぇの?万が一があるかもしれないなら、王族にお願いをし、て、も…」
言いながら気づいた。いや、王族はダメか。
「一応、大司教達も頑張ってはいるようですが、あまり成果は出ていないようです…また、王族は聖神教会と仲があまり良くないので、助力を得ることは難しいでしょう…」
「…まぁわかった。んで、それがどうかした──んだよな。…あぁそうか、アンタ…失礼、聖女サマが狙われてんのか」
そう言うと、聖女サマは悲しげに顔を曇らせた。
「教会の頭は聖女サマだし、その当の本人をひとまず殺しちまおう、って話?で、王都で広がってるからひとまずゼランバに逃げてきたのか?まぁ、確かにこの家は防犯とかもしっかりしてるだろうしな」
「…違いませんが違います」
聖女サマがそう言った。
強い決意を宿した目で。
「私がこのゼランバに来たのは、この都市に巣食う例の集団を逆に駆逐するためです」
「……はぁ?」
わからん。
「あなたが来た時、丁度このケイナズ邸では私が首筋にナイフを当てられ、どうしようもない膠着状態だったのです」
あぁ、なるほど、そこに俺が墜落して人質を解放しつつ犯人を潰したのか。
………いやいやいやいや。
「まて、待て待て待て待て!ちょっと待て!訳が分からん!!なんで聖女サマが人質に取られてんだよ!そもそも英雄は?あいつらの姿が一切見えねぇんだけど、変なモン食って腹下した訳じゃねぇだろ?」
「彼らは今、四名が王都で任務に当たっていて、一名が西の結界の境界付近で魔獣の討伐をしています」
「おかしいだろ?普通、一人はアンタ…失礼、聖女サマの警護につくべきだろ?そのための英雄だ。魔獣討伐をしてる英雄を聖女サマの護衛につけて、魔獣討伐はギルドにでもやらせればいい。そうだろ?」
一応、ほとんど触れてはいないが、ギルドというものが存在する。
そこはいわゆる何でも屋で、失せ物探しから街の警備、なんとかと言う薬草を探してきてくるものや、果ては一晩夜の相手をしてくれなんてのもあるらしい。
当然、魔獣の討伐も受け持っているはずだ。
「…王都で少し前から静かに広がりを見せ、問題となっている集団があります」
唐突にそう言い始める聖女サマ。
「始まりはいつだったのか分かりませんが…気づいた時には既にかなり大きくなっていました。その集団の目的は、現在広まっている聖神教会の駆逐です」
聖神教会ってのが聖女サマの所属してる教会だっけ?今思い出した。
「その集団がどうかしたのか?それに、王都で広がってんだろ?こっちには関係ないはずだ。その集団も、詳しくは分からねぇけどその辺りは教会の偉い人達がなんとかするんじゃねぇの?万が一があるかもしれないなら、王族にお願いをし、て、も…」
言いながら気づいた。いや、王族はダメか。
「一応、大司教達も頑張ってはいるようですが、あまり成果は出ていないようです…また、王族は聖神教会と仲があまり良くないので、助力を得ることは難しいでしょう…」
「…まぁわかった。んで、それがどうかした──んだよな。…あぁそうか、アンタ…失礼、聖女サマが狙われてんのか」
そう言うと、聖女サマは悲しげに顔を曇らせた。
「教会の頭は聖女サマだし、その当の本人をひとまず殺しちまおう、って話?で、王都で広がってるからひとまずゼランバに逃げてきたのか?まぁ、確かにこの家は防犯とかもしっかりしてるだろうしな」
「…違いませんが違います」
聖女サマがそう言った。
強い決意を宿した目で。
「私がこのゼランバに来たのは、この都市に巣食う例の集団を逆に駆逐するためです」
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