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本編
長期休暇と家
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という訳で、一学期は筆記、実技問わずに不合格者はおらず、全員が合格という形に一応なった。
午前中はテスト返し後のみんなのミスが多かった所の注意だとか、実技で戦ったサイクロプスをどうすれば一番効率がよく倒せるかなどの解説で終わり、午後は解散…ではなく、一応集会して学校長のありがたーいお話を聞いたり、夏季休暇中の諸注意、あとはその間にやっておくノルマを渡されたりと細々とした事をやっていれば夕方に。
…さて。
「どうしたもんか…」
自室で思わずそう呟く。
「何がですの?」
「…………おかあさん、どうした、の?」
アーネとシエルが反応する。
「ん、いやほら、休みの間、どこに行こうかと」
学校で伝えられた諸注意の中で、基本的に学生は必ず家に帰るようにと言われたのだ。
理由は単純。部屋の掃除やら何やらをまとめてやってしまうらしい。そういう訳で、邪魔な生徒は一部の例外を除いて全て強制的に家に帰ってもらうそうだ。
で、一部の例外にあたる生徒は先に書類だとか何だかを書いて提出しなきゃならんそうだ。
もちろん俺はそんなことを知らなかったため、三日以内にこの部屋を一度出なけりゃならん。
あと、シエルも同じで手続きなんかしてないので、出なきゃならん。
「どこって…森に帰ればいいんじゃないですの?」
おい、人を野生動物みたいに言うんじゃねぇ。
それはさておき。
「…それも考えたんだがな…その、既に新しい住民が住み着いてるらしいんだよ」
新しい住民というのは、ナナキの次のホムンクルスである、ヤツキ。一度も見たこともないが、聖女サマの話だと既に紅の森を護ってくれているらしい。
そんな所に、知りもしない俺が押しかけて世話になるとか厚かましすぎて出来ん。あと、飯が致命的なまでに…な。
いずれ行かにゃならんとしても、今じゃない。
「あと、少なくとも右腕が治るまではあそこに戻りたくはない。じゃなきゃ実力不足で死にかねん」
「…あなたでもそんなに手こずるんですの?」
「前行った時は牛頭馬頭程度でラッキーだったな。過去にはソウルイーターなんてもんが群れなして突っ込んできた事もあったぜ?」
アーネの顔が引き攣る。…あの時は死にものぐるいだったなぁ…。
「あと、シエルもどうにかしないといかんしな」
これは名目上、シエルの保護者が俺となっている為だ。
理由は単純で、俺が彼女に名前を与えたことと、彼女が俺の事を肉親のように親しんでいることなどが挙げられる。
もちろん、シエルをどこぞのバカ都市長の元へ返す気はサラッサラない。
「…なんかいい案ない?」
俺の膝元にちょこんと座ったシエルを抱っこしながらアーネにダメ元で聞いてみる。
「なら、私の家に来ますの?」
「…ん?」
今なんてった?
午前中はテスト返し後のみんなのミスが多かった所の注意だとか、実技で戦ったサイクロプスをどうすれば一番効率がよく倒せるかなどの解説で終わり、午後は解散…ではなく、一応集会して学校長のありがたーいお話を聞いたり、夏季休暇中の諸注意、あとはその間にやっておくノルマを渡されたりと細々とした事をやっていれば夕方に。
…さて。
「どうしたもんか…」
自室で思わずそう呟く。
「何がですの?」
「…………おかあさん、どうした、の?」
アーネとシエルが反応する。
「ん、いやほら、休みの間、どこに行こうかと」
学校で伝えられた諸注意の中で、基本的に学生は必ず家に帰るようにと言われたのだ。
理由は単純。部屋の掃除やら何やらをまとめてやってしまうらしい。そういう訳で、邪魔な生徒は一部の例外を除いて全て強制的に家に帰ってもらうそうだ。
で、一部の例外にあたる生徒は先に書類だとか何だかを書いて提出しなきゃならんそうだ。
もちろん俺はそんなことを知らなかったため、三日以内にこの部屋を一度出なけりゃならん。
あと、シエルも同じで手続きなんかしてないので、出なきゃならん。
「どこって…森に帰ればいいんじゃないですの?」
おい、人を野生動物みたいに言うんじゃねぇ。
それはさておき。
「…それも考えたんだがな…その、既に新しい住民が住み着いてるらしいんだよ」
新しい住民というのは、ナナキの次のホムンクルスである、ヤツキ。一度も見たこともないが、聖女サマの話だと既に紅の森を護ってくれているらしい。
そんな所に、知りもしない俺が押しかけて世話になるとか厚かましすぎて出来ん。あと、飯が致命的なまでに…な。
いずれ行かにゃならんとしても、今じゃない。
「あと、少なくとも右腕が治るまではあそこに戻りたくはない。じゃなきゃ実力不足で死にかねん」
「…あなたでもそんなに手こずるんですの?」
「前行った時は牛頭馬頭程度でラッキーだったな。過去にはソウルイーターなんてもんが群れなして突っ込んできた事もあったぜ?」
アーネの顔が引き攣る。…あの時は死にものぐるいだったなぁ…。
「あと、シエルもどうにかしないといかんしな」
これは名目上、シエルの保護者が俺となっている為だ。
理由は単純で、俺が彼女に名前を与えたことと、彼女が俺の事を肉親のように親しんでいることなどが挙げられる。
もちろん、シエルをどこぞのバカ都市長の元へ返す気はサラッサラない。
「…なんかいい案ない?」
俺の膝元にちょこんと座ったシエルを抱っこしながらアーネにダメ元で聞いてみる。
「なら、私の家に来ますの?」
「…ん?」
今なんてった?
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