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本編
過去と怪我
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「ほとんど知らないんだよね?じゃあ、私の怪我は?」
「そいつについちゃ知ってる。脊髄だっけ?けど、誰にやられたのかは知らねぇな」
「そっか。なら、初めから話そっか?」
「あぁ、頼む」
近くから椅子を引っ張ってきて、勝手に座る。そろそろ戻らないと朝練に間に合わないが、勝手にブロックでやってる事を願う。
「私とクアイが生まれたのは、西の第四都市、フイナンセってところでさ。そこでは都市をいくつかに分けて競争、あるいは協力させるっていう、ちょっと変わった方式をとってるの。それで、私達の村は自衛団を作ってほかの村を守る代わりに食べ物や服なんかを貰ってたの。自衛団って言っても、ほとんど魔獣なんか出なくって、せいぜいが野性の猪とかなんだけどね。…あぁ、クアイも頑張ってたけど、あんまり役にたってなかったなぁ。
で、ある時、森の近くの畑がよく荒らされるってので私達が出たんだ。どうせ猪や狼、せいぜいがそのぐらいだろうって思いながらね。
けど違った。そこにいたのは、真っ黒な腐った竜だったんだ」
「…竜?竜種?そんなのが?」
『ん?腐った?』
「わかんない。けど、間違いない事は、私達は即座に逃げようとしたけど、クアイは逃げ遅れたこと。私がそれを逃がそうとして下手打った事、それが原因で背中をザックリやられた事、だね」
なるほどなぁ…。そりゃ誰も信じないわな。下手したら当事者だって信じねぇよ。
「私は三日三晩、生死の境を彷徨った。近くの教会から神官を呼んで回復魔法を使ってもらって、なんとか回復したらしい私の身体は、けれど二度と戦うことも出来ない様な体になっていた……はずだった」
そこでリーザはベッドの近くに置いてあった水を飲み、唇を湿らせた。
「結果から言うと、私の背中に負った怪我は完治していた。けど、代わりに、身体についた怪我はそれ以降、治ることは無く、痛みも無くなってた。
初めに気がついたのは、家で飼っている犬が私の部屋に入って来た時。異常に吠えた後、急に噛みつかれた。私の腕には牙が刺さって、簡単に穴を開けてた。すぐに振り払って犬は部屋から追い出した。けど、問題はそこじゃないんだ。痛みが全くなかったんだ。初めは不思議な気分だったよ。
しかも、血が出てこないんだ。
今にも血が溢れそうな怪我なのに、いくら待っても一滴も出なかった。流石にこれは何かおかしいって分かったね。だから、村のみんなにはバレないように、ずっと怪我したから身体が動かないって言って…三年経った」
「そいつについちゃ知ってる。脊髄だっけ?けど、誰にやられたのかは知らねぇな」
「そっか。なら、初めから話そっか?」
「あぁ、頼む」
近くから椅子を引っ張ってきて、勝手に座る。そろそろ戻らないと朝練に間に合わないが、勝手にブロックでやってる事を願う。
「私とクアイが生まれたのは、西の第四都市、フイナンセってところでさ。そこでは都市をいくつかに分けて競争、あるいは協力させるっていう、ちょっと変わった方式をとってるの。それで、私達の村は自衛団を作ってほかの村を守る代わりに食べ物や服なんかを貰ってたの。自衛団って言っても、ほとんど魔獣なんか出なくって、せいぜいが野性の猪とかなんだけどね。…あぁ、クアイも頑張ってたけど、あんまり役にたってなかったなぁ。
で、ある時、森の近くの畑がよく荒らされるってので私達が出たんだ。どうせ猪や狼、せいぜいがそのぐらいだろうって思いながらね。
けど違った。そこにいたのは、真っ黒な腐った竜だったんだ」
「…竜?竜種?そんなのが?」
『ん?腐った?』
「わかんない。けど、間違いない事は、私達は即座に逃げようとしたけど、クアイは逃げ遅れたこと。私がそれを逃がそうとして下手打った事、それが原因で背中をザックリやられた事、だね」
なるほどなぁ…。そりゃ誰も信じないわな。下手したら当事者だって信じねぇよ。
「私は三日三晩、生死の境を彷徨った。近くの教会から神官を呼んで回復魔法を使ってもらって、なんとか回復したらしい私の身体は、けれど二度と戦うことも出来ない様な体になっていた……はずだった」
そこでリーザはベッドの近くに置いてあった水を飲み、唇を湿らせた。
「結果から言うと、私の背中に負った怪我は完治していた。けど、代わりに、身体についた怪我はそれ以降、治ることは無く、痛みも無くなってた。
初めに気がついたのは、家で飼っている犬が私の部屋に入って来た時。異常に吠えた後、急に噛みつかれた。私の腕には牙が刺さって、簡単に穴を開けてた。すぐに振り払って犬は部屋から追い出した。けど、問題はそこじゃないんだ。痛みが全くなかったんだ。初めは不思議な気分だったよ。
しかも、血が出てこないんだ。
今にも血が溢れそうな怪我なのに、いくら待っても一滴も出なかった。流石にこれは何かおかしいって分かったね。だから、村のみんなにはバレないように、ずっと怪我したから身体が動かないって言って…三年経った」
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