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本編
王族と事件
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「う、うば、奪われたァ!?」
「アーネ、耳元で叫ぶな。やかましい」
思いっきり顔を顰めながら文句を言う。
「おっと?レィアは驚かないのか」
「…まぁな。何となく予想はついてたから」
そりゃ持ち主だし、相手が訳分からんぐらい怒ってたから、頭も働かせるもんでしょ。
「なら、レィアの予想というのはどんなのだ?私はそれが少し気になる」
「別に構わんが…その後に正しい解説頼むぜ?多分合ってるとは思うんだが」
「私にはサッパリですわ…」
お前は当事者じゃないから分からねぇのも当然だろうが。
「奪われたって言うか、取り上げられたんだろ?」
取り敢えず、ここの確認から。
「取り上げられた?大貴族から宝剣を取り上げられる方なんて、いる訳が──」
いやいや。
「いるだろ」
「はい?」
「王族…だろ?ユーリア」
あ、その答えを聞いたアーネが口空いたまんま固まった。
「あぁ、レィアの言う通りだよ…流石に大貴族なんて言われてても、その上から言われちゃあ拒否しようもない」
『おいおいレィア。そんな事して誰が得するんだよ。王族ってのはこのヒト種を統べてるんだろ?で、その護衛が大貴族。その大貴族から武器奪って喜ぶなんて魔族ぐらいだろ?なのに王族がその宝剣を奪っただ?訳が分からんぞ』
「そ、そもそもなんで王族はそんな事を?」
お、アーネが再起動した。
にしても、ここから先はシャルに言ってもわかるかな?一応、歴史が入ってくるから。
『あー、その辺りは後日聞く。取り敢えずはそっちの解説に合わせてやれ』
まぁ、わかった。
「アーネ、剣が大貴族から奪われたのは何年前だ?」
「はい?ユーリアさんが今さっき言ってたじゃありませんの。約三十年前だと」
「んじゃ、今現在、聖暦何年?」
「バカにしてるんですの?聖暦五十二年ですわ」
「さて、問題です」
「はい?」
俺は、いつだったかにこの二人から受けた問題、それをそっくり復唱した。
「『聖歴二十七年、この頃に起きた王族絡みの事件を何と言いますか?』」
「聖暦二十七年…?──その年は確か」
「アーネも気づいたか?そう、その年はウチの家が起こした大事件があった」
ファラーナの悪意。
歴史的にそう呼ばれる、耳長種の大貴族が叛逆を企て、王族に刃向かったという事件。
「そして、ウチの事件の数年後、今度は龍人種がフィラーナの悪意と呼ばれる事件を起こした。これが両家が宝剣を失う原因になったんだ」
「アーネ、耳元で叫ぶな。やかましい」
思いっきり顔を顰めながら文句を言う。
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「なら、レィアの予想というのはどんなのだ?私はそれが少し気になる」
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お前は当事者じゃないから分からねぇのも当然だろうが。
「奪われたって言うか、取り上げられたんだろ?」
取り敢えず、ここの確認から。
「取り上げられた?大貴族から宝剣を取り上げられる方なんて、いる訳が──」
いやいや。
「いるだろ」
「はい?」
「王族…だろ?ユーリア」
あ、その答えを聞いたアーネが口空いたまんま固まった。
「あぁ、レィアの言う通りだよ…流石に大貴族なんて言われてても、その上から言われちゃあ拒否しようもない」
『おいおいレィア。そんな事して誰が得するんだよ。王族ってのはこのヒト種を統べてるんだろ?で、その護衛が大貴族。その大貴族から武器奪って喜ぶなんて魔族ぐらいだろ?なのに王族がその宝剣を奪っただ?訳が分からんぞ』
「そ、そもそもなんで王族はそんな事を?」
お、アーネが再起動した。
にしても、ここから先はシャルに言ってもわかるかな?一応、歴史が入ってくるから。
『あー、その辺りは後日聞く。取り敢えずはそっちの解説に合わせてやれ』
まぁ、わかった。
「アーネ、剣が大貴族から奪われたのは何年前だ?」
「はい?ユーリアさんが今さっき言ってたじゃありませんの。約三十年前だと」
「んじゃ、今現在、聖暦何年?」
「バカにしてるんですの?聖暦五十二年ですわ」
「さて、問題です」
「はい?」
俺は、いつだったかにこの二人から受けた問題、それをそっくり復唱した。
「『聖歴二十七年、この頃に起きた王族絡みの事件を何と言いますか?』」
「聖暦二十七年…?──その年は確か」
「アーネも気づいたか?そう、その年はウチの家が起こした大事件があった」
ファラーナの悪意。
歴史的にそう呼ばれる、耳長種の大貴族が叛逆を企て、王族に刃向かったという事件。
「そして、ウチの事件の数年後、今度は龍人種がフィラーナの悪意と呼ばれる事件を起こした。これが両家が宝剣を失う原因になったんだ」
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