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本編
発端と剣
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「あー、そうだな…事の始まりはだな、今この場にはいない、システィ・ルゼットという少女の話からだ。…システィが誰かわかるか?」
「わからんでもない。あの小べ──」
「?…どうかしたか?」
「いや、何でもない」
アーネ、俺怪我人だぞ?見えない位置から脇腹にそっと拳をねじ込むんじゃありません。
肋骨、また折れちゃうから。
「んで、あの女がどうかしたか?」
「あぁ、彼女はゼヴァルナアークに仕える使用人…というかコレの使用人でな?彼女が今年一緒にこの学校に入ったのだ」
コレ、の所で先輩のケツをぺしぺしと叩くユーリア。
お前…《逆鱗》の逆鱗に触れてるよな?ってか引っぺがす勢いだよな?
「で、彼女が入学した目的は単にコレに学校でも仕えようとしたらしく、今年ようやく受かったらしいのだが…まぁ、そこはどうでもいいだろう。問題の始まりはレィア、君の剣にあった」
…まぁ、何となく知ってた。
ってか、ルトが何度も「その剣寄越せェェェ!!」みたいな事言ってたしな。
『お、なになに?やっと答え教えてくれんの?』
シャル、ナイスタイミング。
もし出てこなかったら後日また教えるのが面倒だった。
『後から教えるから待ってろ~みたいな事言っといてあれから一週間だからな。ちょっと文句言ってやろうと出てきたトコロだ。よかったよかった』
「レィアが銀剣と呼んでいるその剣、それは元々、龍人種の物だったんだ。ちなみに金剣はウチの…耳長種の物だな。宝剣とかよく呼ばれてたな」
うん、それはまぁ、戦う直前にそれっぽいことをルトが言ってたな。
『だな。ここはおさらいパートってことで読み飛ばしてもいい?』
こら、微妙にメタい事を言うな。
あと、そんな事したら作者が泣くぞ。
とか何とか言ってたら。
「───ひゃうっ」
なんか変な声が聞こえた。
隣を見ると、変な顔で固まったアーネ。
あぁ、そうか。
コイツはその場にもいなかった上に急にこの話が始まったから完全に話が飲み込めてない奴だな。
「え、あの、その、えーっと?あな、あななな、貴女?貴女ってもしかして大貴族の子供とかそんな話ですの?」
……あぁ、そっちに勘違いしたか。
「んなわきゃないだろ。…俺は確かに捨て子だから、隠し子…とかって考えれば有り得なくはないかもしれないが、有り得ないだろ。俺の出身は東にある紅の森、大貴族の家は遠く離れた王都。東の貴族なら会ったりだとかは無いことも無いかもしれないが、少なくとも俺がこの学校来るまでに出会った人間はナナキを除いて…いや、除かなくてもいいか?まぁ、両の手で収まる程度だ。その中に妖精種はいなかったと思うぜ」
「それは…その、すみませんでしたわ」
「ん?気にすることじゃねぇよ」
「あー…、話の続き、いいか?」
悪い、ちょっと忘れてた。
「どうぞ」
おほん、と咳払いを一つした後、ユーリアが再び口を開く。
「実はその剣がだな、三十年ぐらい前に奪われてしまってな…」
少し言いにくそうにユーリアはそう言った。
「わからんでもない。あの小べ──」
「?…どうかしたか?」
「いや、何でもない」
アーネ、俺怪我人だぞ?見えない位置から脇腹にそっと拳をねじ込むんじゃありません。
肋骨、また折れちゃうから。
「んで、あの女がどうかしたか?」
「あぁ、彼女はゼヴァルナアークに仕える使用人…というかコレの使用人でな?彼女が今年一緒にこの学校に入ったのだ」
コレ、の所で先輩のケツをぺしぺしと叩くユーリア。
お前…《逆鱗》の逆鱗に触れてるよな?ってか引っぺがす勢いだよな?
「で、彼女が入学した目的は単にコレに学校でも仕えようとしたらしく、今年ようやく受かったらしいのだが…まぁ、そこはどうでもいいだろう。問題の始まりはレィア、君の剣にあった」
…まぁ、何となく知ってた。
ってか、ルトが何度も「その剣寄越せェェェ!!」みたいな事言ってたしな。
『お、なになに?やっと答え教えてくれんの?』
シャル、ナイスタイミング。
もし出てこなかったら後日また教えるのが面倒だった。
『後から教えるから待ってろ~みたいな事言っといてあれから一週間だからな。ちょっと文句言ってやろうと出てきたトコロだ。よかったよかった』
「レィアが銀剣と呼んでいるその剣、それは元々、龍人種の物だったんだ。ちなみに金剣はウチの…耳長種の物だな。宝剣とかよく呼ばれてたな」
うん、それはまぁ、戦う直前にそれっぽいことをルトが言ってたな。
『だな。ここはおさらいパートってことで読み飛ばしてもいい?』
こら、微妙にメタい事を言うな。
あと、そんな事したら作者が泣くぞ。
とか何とか言ってたら。
「───ひゃうっ」
なんか変な声が聞こえた。
隣を見ると、変な顔で固まったアーネ。
あぁ、そうか。
コイツはその場にもいなかった上に急にこの話が始まったから完全に話が飲み込めてない奴だな。
「え、あの、その、えーっと?あな、あななな、貴女?貴女ってもしかして大貴族の子供とかそんな話ですの?」
……あぁ、そっちに勘違いしたか。
「んなわきゃないだろ。…俺は確かに捨て子だから、隠し子…とかって考えれば有り得なくはないかもしれないが、有り得ないだろ。俺の出身は東にある紅の森、大貴族の家は遠く離れた王都。東の貴族なら会ったりだとかは無いことも無いかもしれないが、少なくとも俺がこの学校来るまでに出会った人間はナナキを除いて…いや、除かなくてもいいか?まぁ、両の手で収まる程度だ。その中に妖精種はいなかったと思うぜ」
「それは…その、すみませんでしたわ」
「ん?気にすることじゃねぇよ」
「あー…、話の続き、いいか?」
悪い、ちょっと忘れてた。
「どうぞ」
おほん、と咳払いを一つした後、ユーリアが再び口を開く。
「実はその剣がだな、三十年ぐらい前に奪われてしまってな…」
少し言いにくそうにユーリアはそう言った。
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