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本編
少女と違和感
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とりあえず体力が回復したセラにアーネの制服を貸し、なんとか部屋に帰してからまた部屋に戻る。朝食は後回し。
「で、どうだった?」
「正直、特に変わった所はないんですわよねぇ…」
「なんじゃそりゃ。お前がおかしいって言って泊まってきたんだろ」
俺達が話しているのはシエルの事だ。
「期末も近いし、先生からは集中授業でシエルは特別大変だって聞いてたろ」
「それはそうなんですけれど…」
少し前にシエルの様子がおかしいとアーネが言い始めた。大体ひと月程前だろうか。
それからしばらくずっと観察していたらしいのだが、特に変化は無かったらしい。
じゃあやっぱりアーネの気の所為なのかと聞かれると、俺も少し首を傾げる。
アーネ程ではないが、俺もシエルに対し違和感を感じていたからだ。
と言ってもどれも些細なことだ。あんまり俺のにくっついたりしなくなったとか、俺達と喋る事が少なくなったとか…なんつーか、多分子離れ…いや、この場合親離れ?そんな感じのイメージだから、俺は別にそこまで問題視していなかったのだが…
「でも、やっぱりおかしいですわ」
「つってもなぁ…そういや、シエルの部屋って風呂あんだっけ?身体とかチェックしたか?」
何をされているのかはそいつの裸を見りゃ大体わかる。アーネもよくシエルと風呂に入っていたから、不審な傷が増えていたりすればすぐに分かるはずだと思って聞いたのだが。
「流石にお風呂はなかったですわ。狭い個室のシャワールームだけ」
「なら身体も見れなかった訳か」
ちなみにシエルの部屋は特別に先生が同じ部屋で寝泊まりしているので、下手に疑った行動をするのは不味い。だから風呂が一番良かったんだけどなぁ…
しかし。
「いえ、なんとかチェックは出来ましたわ。シエルと同じベッドでしたので、その時に」
「…よく暗闇で見えるな」
俺には緋目があるからそうでも無いが。
「と言っても触診ですわ。大雑把にしか分からないですの」
「で?結果は」
「言ったでしょう?特に変わった所は無かったって」
「…やっぱりダメか」
俺だって、もしもシエルが何かされているのなら、明らかに悪い変化が起こっているのなら、あるいはいっそ彼女が助けを求めてくれたのなら、すぐに動けた。
しかし別段そうでも無い。俺への依存心が抜けたのはいい事だし、俺達ばかりと喋るより今のように他のクラスメイトとも話すようになったのはいい兆候と言えるだろう。
ただ。なんとはなしにそういう点が気になることもある。
「あ」
「どった」
アーネが珍しく間抜けな声を出した。
「そういえば…大したことじゃないんですけれど、いいですの?」
「言え言え。あと、その手の大したことないは大体重要な事だから」
ホント、そういう些細なのが結構重要だったりすんだよ。
「えっと、シエルの身体を触って確認した時何ですけれど、左腕に何か布みたいな…でももう少し手触りがいい…とにかく布のようなものが巻いてあったのを思い出しただけですわ」
「…布?でもあいつ…」
最近は暑いからちょくちょく半袖で過ごしているのを夕飯の時などに見かける。
余談だが、部屋の外にいる時は常に制服を着るという生徒は割といる。ちなみに俺やアーネ、シエルは私服になる。
話がズレた。つまり何が言いたいかというと、シエルがそんなモノ巻いていた記憶はないという事だ。
となれば別段そこまで気にすることも無いだろう。たとえば、その布の下に傷があるとかいう可能性もまず無いわけだ。
「えぇ、ええ!分かってますわ!だから大したことじゃないって言ったんですわ!」
「お、おぉ。そうか。すまん」
「で、どうだった?」
「正直、特に変わった所はないんですわよねぇ…」
「なんじゃそりゃ。お前がおかしいって言って泊まってきたんだろ」
俺達が話しているのはシエルの事だ。
「期末も近いし、先生からは集中授業でシエルは特別大変だって聞いてたろ」
「それはそうなんですけれど…」
少し前にシエルの様子がおかしいとアーネが言い始めた。大体ひと月程前だろうか。
それからしばらくずっと観察していたらしいのだが、特に変化は無かったらしい。
じゃあやっぱりアーネの気の所為なのかと聞かれると、俺も少し首を傾げる。
アーネ程ではないが、俺もシエルに対し違和感を感じていたからだ。
と言ってもどれも些細なことだ。あんまり俺のにくっついたりしなくなったとか、俺達と喋る事が少なくなったとか…なんつーか、多分子離れ…いや、この場合親離れ?そんな感じのイメージだから、俺は別にそこまで問題視していなかったのだが…
「でも、やっぱりおかしいですわ」
「つってもなぁ…そういや、シエルの部屋って風呂あんだっけ?身体とかチェックしたか?」
何をされているのかはそいつの裸を見りゃ大体わかる。アーネもよくシエルと風呂に入っていたから、不審な傷が増えていたりすればすぐに分かるはずだと思って聞いたのだが。
「流石にお風呂はなかったですわ。狭い個室のシャワールームだけ」
「なら身体も見れなかった訳か」
ちなみにシエルの部屋は特別に先生が同じ部屋で寝泊まりしているので、下手に疑った行動をするのは不味い。だから風呂が一番良かったんだけどなぁ…
しかし。
「いえ、なんとかチェックは出来ましたわ。シエルと同じベッドでしたので、その時に」
「…よく暗闇で見えるな」
俺には緋目があるからそうでも無いが。
「と言っても触診ですわ。大雑把にしか分からないですの」
「で?結果は」
「言ったでしょう?特に変わった所は無かったって」
「…やっぱりダメか」
俺だって、もしもシエルが何かされているのなら、明らかに悪い変化が起こっているのなら、あるいはいっそ彼女が助けを求めてくれたのなら、すぐに動けた。
しかし別段そうでも無い。俺への依存心が抜けたのはいい事だし、俺達ばかりと喋るより今のように他のクラスメイトとも話すようになったのはいい兆候と言えるだろう。
ただ。なんとはなしにそういう点が気になることもある。
「あ」
「どった」
アーネが珍しく間抜けな声を出した。
「そういえば…大したことじゃないんですけれど、いいですの?」
「言え言え。あと、その手の大したことないは大体重要な事だから」
ホント、そういう些細なのが結構重要だったりすんだよ。
「えっと、シエルの身体を触って確認した時何ですけれど、左腕に何か布みたいな…でももう少し手触りがいい…とにかく布のようなものが巻いてあったのを思い出しただけですわ」
「…布?でもあいつ…」
最近は暑いからちょくちょく半袖で過ごしているのを夕飯の時などに見かける。
余談だが、部屋の外にいる時は常に制服を着るという生徒は割といる。ちなみに俺やアーネ、シエルは私服になる。
話がズレた。つまり何が言いたいかというと、シエルがそんなモノ巻いていた記憶はないという事だ。
となれば別段そこまで気にすることも無いだろう。たとえば、その布の下に傷があるとかいう可能性もまず無いわけだ。
「えぇ、ええ!分かってますわ!だから大したことじゃないって言ったんですわ!」
「お、おぉ。そうか。すまん」
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