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本編
タッグと連戦 終
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………知ってるかもしれないが、あまり俺は遠回しな事が好きじゃない。言い回しがややこしい時や分かりにくい事はあるが、そういう時も大体結論を早めに持ってきている。
さて、そういう訳で今回も結論から行こう。俺のせいで…あー、いや、俺達のせいで訓練所が吹っ飛んだ。
順を追って説明しよう。
まず、俺が戦技でユーリアが魔法で出した卵を叩き割った。
その瞬間だった。そう、まさにその瞬間だった。
あとからユーリアから聞いた話なのだが、あの魔法は卵の中で炎を成長させ続け、卵の殻を割る程まで強化されれば比較的薄い天辺から割れ、炎の鳥が卵から爆炎と共に飛び上がり、仕上げの強化と共に出てくるという仕組みだったらしい。
が、その魔法は発動した時点で天辺が割れていた。そのため、炎の成長が非常に遅れていたらしい。ユーリアが魔力を注ぎ込めば中の炎を直に強化出来たらしいが…まぁその話はどうでもいい。
問題は、その炎の鳥が出てくる瞬間と、俺が破断を撃った瞬間がちょうど同じだったという事。
炎の鳥が生まれる瞬間、爆発とともに天辺から吹き上がるはずだった殻は俺が破断で吹き飛ばしてしまった。
するとどうなるか。上に吹き上がるはずだった爆炎は全方向を焼き尽くすように放たれる事になる。結果的に言うと、半分はこれのせいで訓練所が吹き飛んだ。
フィールドの防御機能?多分ダメだったんじゃねぇかな…あの勢い。ダメージを衝撃に変えると言っても限度がある。ついでに言うと、爆炎そのものは本体じゃない。本体はあくまで炎の鳥だし、それも止めなくてはならない。そして何より、フィールドそのものが持たなかったと思う。
だから、あの場でのあの反応は正しかったのだろう。
爆炎が見えた瞬間、俺は叫んでいた。
直感的に不味いと感じ、即座に。
「「逃げろッ!!」」
そして同じく叫んだのは術者のユーリア。
だがもう遅い。言ったところで行動を起こすより早く炎が全てを吹き飛ばし、そして焼き尽くす。
あ、これ俺もダメじゃん。というか空中だから回避できないじゃん。しかも完全に鳥が俺目掛けて飛んできてるんだけど。
今からじゃ金剣の聖弾も間に合わない。いや、第四血界なら──と、その時だった。
鳥と爆炎がピタリと止まったのは。
「……何が…起きた?」
ユーリアの言葉が、静まり返った訓練所で嫌に響いた。
俺も一瞬時間が止まったのかと思ったが、自由落下する俺の身体が自分から炎の鳥に向かっていくのに気づいた。
慌ててマキナを使って地面にアンカーを打ち込み、手繰り寄せてそこへ着地する。
よく見れば時間が止まっているのではない。まるで見えない壁が四方八方から迫り、爆炎と鳥をギッチギチに詰めて押し込めているのだと気づくのに三秒ほどかかった。
こんなことを出来るのは一人しか知らなかった。
「本っ当、危ないことをしますわねっ…!」
「アーネ!?」
いつの間にか俺のすぐ後ろに来ていたアーネが、険しい顔をしてそのスキル《圧縮》でユーリアの魔法を強引にねじ伏せていたのだ。
「だ、大丈夫なのか?」
「大丈夫に、見えますのっ…?」
聞いておいて何だが、全くそのようには見えなかった。
苦しそうに顔を歪め、呼吸も荒い。額から滴る汗は熱のせいではあるまい。
そして俺は、アーネの持つ《圧縮》の能力──《圧縮》された魔法は効果を増して放たれる、という事を思い出した。
「全員、今すぐ訓練所を出ろ!アーネが持ってる間に!早く!」
すると、誰も疑問も口答えもせず、即座に訓練所を出る。多分、全員アレは不味いとすぐに理解出来たのだろう。
「おいレィア!早く出ろ!」
「わかってるよ!始末付けてから行く!」
ユーリアが心配する声にそう返し、残ったのは俺とアーネだけ。
さて、と。
「アーネ、解放の方向は決めれるか?」
「壁、ですわね?」
その通り。理由は簡単で、上に撃つと上に建っている学校が吹き飛ぶし、下に撃つのはアーネの角度的に無理があるから。
「撃った瞬間に俺がお前を抱えて逃げてやる。タイミング合わせろ」
「頼みますわよっ…!」
髪でアーネの身体を軽く捕まえ、マキナを下半身に集中させて即座に走れるようにする。
「三、二、一…今!」
──とまぁ。
こんな感じで放った結果、放たれた鳥と爆炎が訓練所を消し飛ばしてしまった。当然戦闘は有耶無耶。俺とユーリアは先生に呼び出されてこっぴどく叱られ、ぐったりとして部屋に帰ることになったのだ。
さて、そういう訳で今回も結論から行こう。俺のせいで…あー、いや、俺達のせいで訓練所が吹っ飛んだ。
順を追って説明しよう。
まず、俺が戦技でユーリアが魔法で出した卵を叩き割った。
その瞬間だった。そう、まさにその瞬間だった。
あとからユーリアから聞いた話なのだが、あの魔法は卵の中で炎を成長させ続け、卵の殻を割る程まで強化されれば比較的薄い天辺から割れ、炎の鳥が卵から爆炎と共に飛び上がり、仕上げの強化と共に出てくるという仕組みだったらしい。
が、その魔法は発動した時点で天辺が割れていた。そのため、炎の成長が非常に遅れていたらしい。ユーリアが魔力を注ぎ込めば中の炎を直に強化出来たらしいが…まぁその話はどうでもいい。
問題は、その炎の鳥が出てくる瞬間と、俺が破断を撃った瞬間がちょうど同じだったという事。
炎の鳥が生まれる瞬間、爆発とともに天辺から吹き上がるはずだった殻は俺が破断で吹き飛ばしてしまった。
するとどうなるか。上に吹き上がるはずだった爆炎は全方向を焼き尽くすように放たれる事になる。結果的に言うと、半分はこれのせいで訓練所が吹き飛んだ。
フィールドの防御機能?多分ダメだったんじゃねぇかな…あの勢い。ダメージを衝撃に変えると言っても限度がある。ついでに言うと、爆炎そのものは本体じゃない。本体はあくまで炎の鳥だし、それも止めなくてはならない。そして何より、フィールドそのものが持たなかったと思う。
だから、あの場でのあの反応は正しかったのだろう。
爆炎が見えた瞬間、俺は叫んでいた。
直感的に不味いと感じ、即座に。
「「逃げろッ!!」」
そして同じく叫んだのは術者のユーリア。
だがもう遅い。言ったところで行動を起こすより早く炎が全てを吹き飛ばし、そして焼き尽くす。
あ、これ俺もダメじゃん。というか空中だから回避できないじゃん。しかも完全に鳥が俺目掛けて飛んできてるんだけど。
今からじゃ金剣の聖弾も間に合わない。いや、第四血界なら──と、その時だった。
鳥と爆炎がピタリと止まったのは。
「……何が…起きた?」
ユーリアの言葉が、静まり返った訓練所で嫌に響いた。
俺も一瞬時間が止まったのかと思ったが、自由落下する俺の身体が自分から炎の鳥に向かっていくのに気づいた。
慌ててマキナを使って地面にアンカーを打ち込み、手繰り寄せてそこへ着地する。
よく見れば時間が止まっているのではない。まるで見えない壁が四方八方から迫り、爆炎と鳥をギッチギチに詰めて押し込めているのだと気づくのに三秒ほどかかった。
こんなことを出来るのは一人しか知らなかった。
「本っ当、危ないことをしますわねっ…!」
「アーネ!?」
いつの間にか俺のすぐ後ろに来ていたアーネが、険しい顔をしてそのスキル《圧縮》でユーリアの魔法を強引にねじ伏せていたのだ。
「だ、大丈夫なのか?」
「大丈夫に、見えますのっ…?」
聞いておいて何だが、全くそのようには見えなかった。
苦しそうに顔を歪め、呼吸も荒い。額から滴る汗は熱のせいではあるまい。
そして俺は、アーネの持つ《圧縮》の能力──《圧縮》された魔法は効果を増して放たれる、という事を思い出した。
「全員、今すぐ訓練所を出ろ!アーネが持ってる間に!早く!」
すると、誰も疑問も口答えもせず、即座に訓練所を出る。多分、全員アレは不味いとすぐに理解出来たのだろう。
「おいレィア!早く出ろ!」
「わかってるよ!始末付けてから行く!」
ユーリアが心配する声にそう返し、残ったのは俺とアーネだけ。
さて、と。
「アーネ、解放の方向は決めれるか?」
「壁、ですわね?」
その通り。理由は簡単で、上に撃つと上に建っている学校が吹き飛ぶし、下に撃つのはアーネの角度的に無理があるから。
「撃った瞬間に俺がお前を抱えて逃げてやる。タイミング合わせろ」
「頼みますわよっ…!」
髪でアーネの身体を軽く捕まえ、マキナを下半身に集中させて即座に走れるようにする。
「三、二、一…今!」
──とまぁ。
こんな感じで放った結果、放たれた鳥と爆炎が訓練所を消し飛ばしてしまった。当然戦闘は有耶無耶。俺とユーリアは先生に呼び出されてこっぴどく叱られ、ぐったりとして部屋に帰ることになったのだ。
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